【家電コンサルのお得な話・221】住宅の購入は多くの人にとって人生で最大の買い物である。そのため、住宅購入に対する負担を少しでも軽減できるよう「住宅ローン控除」が制度化されている。だが、慣れない申請には手間と時間が掛かり結構なストレスを感じるものだ。2022年度(令和4年度)の税制改正による「年末残高調書を用いた方式」の導入で、大きく改善して申請手続きが簡便化している。注意点と合わせて説明しよう。
筆者も過去にこの申請を経験したが、慣れない申請にはストレスを感じていた。
その住宅ローン控除の適用に係る手続きが、2022年度(令和4年度)の税制改正によって、大きく変化した。これまで金融機関から発行された年末残高証明書の提出に関する対象納税者の負担が、新たな「年末残高調書を用いた方式」の導入により、軽減されることとなった。
年末残高調書を用いた方式では、金融機関が納税者の住宅ローン残高情報を税務署に直接、電子データで送信する。この変更により、住宅ローン控除を受ける対象納税者は書類の準備や申請手続きの手間を削減できる。
また、手続きのミスを防ぐ効果も期待できる。記載漏れや添付書類の不備による再申請といったトラブルが減少する環境が整備される。忙しいビジネスパーソンにとっては、非常にありがたい変化だろう。
この場合、手元の返済計画表などの書類で年末残高を確認しながら、自身で確定申告書に入力・記入することが求められる。マイナンバーカードの申請は任意であるため、対象納税者それぞれの考えや感じ方があるだろう。
このように、年末残高調書を用いた方式では他にも多くのルールが定められている。国税庁のホームページでは、制度説明に加えて「よくある質問」のページがある。対象納税者の方は、一度、内容を確認して、住宅購入という人生の大きな決断の支えとなるこの制度の申請をスムーズに進めていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
書類の準備や申請手続きの手間が削減
住宅ローン控除の適用を受けようとする納税者(以下、対象納税者)は、住宅ローンの債権者である金融機関などから交付を受けた年末残高証明書を、確定申告または年末調整の際に、税務署または勤務先に提出する必要があった。筆者も過去にこの申請を経験したが、慣れない申請にはストレスを感じていた。
その住宅ローン控除の適用に係る手続きが、2022年度(令和4年度)の税制改正によって、大きく変化した。これまで金融機関から発行された年末残高証明書の提出に関する対象納税者の負担が、新たな「年末残高調書を用いた方式」の導入により、軽減されることとなった。
年末残高調書を用いた方式では、金融機関が納税者の住宅ローン残高情報を税務署に直接、電子データで送信する。この変更により、住宅ローン控除を受ける対象納税者は書類の準備や申請手続きの手間を削減できる。
また、手続きのミスを防ぐ効果も期待できる。記載漏れや添付書類の不備による再申請といったトラブルが減少する環境が整備される。忙しいビジネスパーソンにとっては、非常にありがたい変化だろう。
「マイナンバーの記載」が必要
一方で、年末残高調書を用いた方式には注意すべき点もある。例えば、マイナンバーの記載が必要になることが挙げられる。つまり、マイナンバーカードの発行を受けていなければ、マイナポータルを通じて年末残高などの情報を受け取れないということである。この場合、手元の返済計画表などの書類で年末残高を確認しながら、自身で確定申告書に入力・記入することが求められる。マイナンバーカードの申請は任意であるため、対象納税者それぞれの考えや感じ方があるだろう。
このように、年末残高調書を用いた方式では他にも多くのルールが定められている。国税庁のホームページでは、制度説明に加えて「よくある質問」のページがある。対象納税者の方は、一度、内容を確認して、住宅購入という人生の大きな決断の支えとなるこの制度の申請をスムーズに進めていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。