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なんと!あの『今屋のハンバーガー』が兵庫のローカル線駅舎内にオープンしていた

グルメ

2024/05/20 07:05

福岡『今屋のハンバーガー』をご存じだろうか。西公園の中で今年79歳のおじいちゃんが作る、レジェンド的ハンバーガー店だ。

法華口駅そのものが店。
普通に乗降客が中を行き来する

「兵庫でやってみんね」まさかの無茶振り

ハンバーガーと言いつつ、コッペパンに挟まれたホットドッグ型で、鉄板で焼いたハンバーグと炒めキャベツをぎっしり詰め込んだファンキーな一品。テレビで見る度に「食べたい…」と恋焦がれていたら、なんと、兵庫に2023年10月にオープンしていた…!

しかも店は北条鉄道の法華口駅舎内にある。ある、というより駅そのものが店だ。そもそも北条鉄道は粟生~北条町を結ぶ第三セクターのローカル線で、沿線の駅は概ね木造の無人駅。地元の人が管理者となってボランティア駅長を務めている。
 
久語さん(右)。
この日は花見客で混み合い、てんてこまいだった

『今屋のハンバーガー兵庫』を開いたのは、近くの小野市に住む主婦の久語幸紀さん。YouTubeで見た『今屋のハンバーガー』に憧れて福岡まで食べに行ったところ、店主の今崎勝美さんに「兵庫でやってみんね」とまさかの無茶振りをされたという。普通そこで「じゃあやるか」とはならないのだが、息子の高校卒業を機にふつふつと開店への意欲が湧き上がったという。
 
師匠の写真をさりげなく飾っている。
最初は宣伝もせずこっそりオープンした

意を決して師匠(今崎さん)のもとで2週間修業。秘伝のケチャップソースも、ハンバーグも、パンの焼き方も、全て同じレシピと手法を習得した。次は店舗を…と探していたところ、法華口駅の管理者である知人に紹介され、駅舎で開くことに決めたのだ。
 

駅長室でジュージューと肉を焼く不思議な光景

駅長室の鉄板でハンバーグを焼く駅は、
全国でもここぐらいだろう

「ここ、お客さんはほとんど来ないよ」と知人は言ったが、大正10年築の重要文化財であるレトロな駅舎の雰囲気が気に入って即オープン。知人の予言に反して、鉄道ファンや地元客がちらほら訪れるようになり、噂も広まったのか土日は長蛇の列ができるほどに。

余談だが私は、別の用事でたまたま法華口駅に降り、ホームにただならぬ良い匂いが漂っていることを訝って中を覗いたのだ。すると駅長室でハンバーグをジュージュー焼いている世にも稀な光景が。しかも聞くとあの「今屋」の暖簾分け店という。この時ほど自分の嗅覚グッジョブと自賛したことはない。
 
ハンバーグと玉子焼きとウィンナーを挟んだミックスエッグ600円、
ブリッと肉汁弾けるフランクドッグ550円

牛と豚の合い挽き肉にたっぷりの玉ネギが入ったハンバーグはジューシーでふわふわ。炒めキャベツは牛ミンチとタマネギも混ぜているのでパンチ満点。挟んでからオーブンでもう一度焼き上げるので、パンはバリッと強度があり、ずっしりした具をしっかり支える。
 
ケチャップにもニンニクが利いており、
甘×酸の加減が絶妙

オーソドックスなハンバーガーは500円。1個でかなりのボリュームなのに良心的価格。ウィンナーサンド300円、キャベツのみのキャベツサンド250円なんてのもある。駅舎内でイートインもでき、コーヒーやビールも販売している。
 
電車に乗らなくても店は利用できる。
注文して車で待つテイクアウト客も多い

福岡まで行かずとも兵庫でコレが食べられるなんて…久語さんありがとう。北条鉄道は2022年に旧国鉄時代のキハ40形が運行開始したことで話題になったが、次は『今屋のハンバーガー』で再注目を浴びるに違いない。

『今屋のハンバーガー兵庫』
住所/兵庫県加西市東笠(法華口駅舎内)

※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。
あまから手帖Online=https://www.amakaratecho.jp/
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