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バカ売れ「Osmo Pocket 3」、新星登場でビデオカメラ市場を激しく活性化【道越一郎のカットエッジ】

データ

2024/01/14 18:30

 DJIのジンバル付き小型ビデオカメラ「Osmo Pocket 3」がバカ売れしている。2023年10月25日に発売するや、わずか7日で10月の月間販売台数ランキング3位でスタート。以後、勢いを加速しながら推移し、11月はシェア26.8%でランキング1位を楽々と獲得。12月も26.5%と圧倒的なシェアでトップを維持している。ビデオカメラ市場で久々のスマッシュヒットだ。全国2300店の家電量販店やネットショップなどの売り上げを集計するBCNランキングで明らかになった。


 Osmo Pocket 3効果で、DJIのメーカーシェアもジャンプアップした。それまでおおむね10%台、3位から4位で上下していた販売台数シェアは11月、33.0%に急拡大。メーカーシェア1位に急浮上した。12月には36.9%とさらにシェアを伸ばした。2位以下を大きく引き離し悠々とトップを走っている。さらに、Osmo Pocket 3の登場で、ビデオカメラ市場全体も活性化。9月までの販売台数は、前年比マイナス基調で苦戦していたが、10月以降反転。特に11月と12月の伸びは目を見張るものがあった。11月の前年同月比は台数で130.7%、金額も144.9%、12月も台数135.4%、金額141.7%と大幅な伸びを示している。
 
 Osmo Pocketシリーズ最大の特徴は、小さい縦型ボディ―上部に超小型の「ジンバル」を搭載したビデオカメラ、という点だ。物理的な手振れ補正機構ともいえるジンバルでカメラユニットを支える構造になっている。Osmo Pocket 3はその名の通り3代目。初代Osmo Pocketは18年に登場し、それまでになかったユニークな形状が話題を集めた。2代目のOsmo Pocket 2の登場は20年。昨年登場したOsmo Pocket 3は3年ぶりのフルモデルチェンジ機だ。
 
DJI「Osmo Pocket 3」

 主な進化ポイントはまず、縦・横に切り替えられる2インチのディスプレイを採用した点。固定ディスプレイだった前モデルから大型化。縦位置、横位置の、いずれでも撮影がしやすくなった。また、撮像センサーサイズが1/1.7インチから1インチに大型化し画質が向上。特に暗所撮影に強くなった。音声では、3つのマイクを内蔵することでノイズ軽減機能が進化した。その他、USB-C端子を備えUSB-PD急速充電にも対応するなど、様々な大幅改良が施されているのが人気の要因といえるだろう。当面、この勢いは続きそうだ。(BCN・道越一郎)