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一緒に食事を楽しみたい? 韓国ならではの食文化が生んだモクバン(モッパン)

時事ネタ

2023/12/15 12:00

 【こっそりミームを教えます・127】 ネット上に日々生み出されるミームたち。何を意味するのか、どうして拡がったのかがわからないものまで様々存在する。今回紹介するのは、韓国で流行している「モクバン(モッパン)」。どのようなときに使われる言葉なのか見ていこう。

モクバンは韓国の食文化ならではのコンテンツ
(画像はイメージ)

コロナの巣ごもり需要で注目を集めたモクバン

 モクバン、モッパンはどちらも韓国語で「食事動画」を表す言葉だ。「食べる=モク」「バンソン=放送」の頭文字を取った言葉であり、モクバンまたはモッパンと呼ばれている。美味しそうに大量の食べ物を消費していく姿が、「見ていて気持ち良い」と視聴者から人気を集めているのだ。

 動画配信サイトで人気を集めた「ASMR」も、モクバンと同じく食事シーンが披露されていることが多い。しかしASMRは耳で咀嚼音や料理音を楽しみ、モクバンは目で楽しむものだ。似ている二つだが、楽しみ方には大きな違いがある。

 「他人の食事を観て楽しいの?」と感じる人もいるだろう。モクバンが人気を博したのには、韓国ならではの食事文化があるのだ。

 韓国では基本的に1人の食事を拒む傾向にある。日本では1人につき一つ注文するのが一般的だが、韓国では一つの料理を分け合って食べるのが常識だ。シェアして食べる前提で作られているため1品の量が多く、大皿メニューが多いのが韓国料理の特徴だろう。

 皆で分け合って食事をする文化がある韓国だが、コロナ渦の中では日本と同じく外出自粛が求められた。皆でシェアして食べる文化が身についているからこそ、1人の食事で孤独感を覚えた人は多かったと思われる。モクバンを観ながら食事をすることで、まるで一緒に食事をしているような気分になることもモクバンの人気を高めた理由だろう。

 また、モクバンは韓国アイドルも披露している。「人気グループの食事風景が分かる」「食事中のリラックスしたメンバーが観られる」と、ファンがアイドルを身近に感じられる貴重なコンテンツになっているのだ。日本とは異なる食文化を持つ韓国。モクバンで、韓国の食文化を感じてみてはいかがだろうか。(フリーライター・井原亘)

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■Profile
井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている