タブレット端末市場全体ではアップルが圧倒的な販売台数シェアを握っているが、Androidタブレット端末に絞ってみると「aiwa」ブランドが大暴れしている。全国の主要家電量販店やネットショップからPC本体、デジタル家電などのPOSデータを収集・集計する「BCNランキング」によると、2023年1~8月の販売台数シェアでaiwaブランドのタブレット端末を製造するアイワマーケティングジャパンが3位であることが明らかになった。22年9月にaiwaブランドの第一弾製品を発売したばかりのアイワマーケティングジャパンが、わずか1年で3位に大躍進した秘密に迫る。
そのaiwaが、2023年のAndroidタブレット端末市場で暴れているというのだから驚くのも無理ない。
BCNランキングによるAndroidタブレット端末市場における23年1~8月の販売台数シェアを見ると、aiwaブランドを擁するアイワマーケティングジャパンが8.3%の3位にいる。確かに1位のNEC(31.4%)と2位のレノボ・ジャパン(31.2%)とは大きな開きがあるものの、アイワマーケティングジャパンの下にはSAMSUNGやTCL、Google、Xiaomiなど誰もが知るベンダーが群雄割拠している。こうした名だたるベンダーたちを、22年6月にコンシューマ市場に進出したばかりのアイワマーケティングジャパンが抑えているのだ。
23年1~8月の月別販売台数シェアの推移を見ても、2月に3位を獲得して以降、4月にOPPOに抜かれたのを除けば3位をキープしている。特に8月は11.9%と10%台を超え、一段とアクセルを踏み込んでいる様子がわかる。
アイワマーケティングジャパンの親会社であるJENESISはODMベンダーとして、製品の開発・試作・量産・サポートまでワンストップでサービスを提供する企業だ。いわばビジネス市場で黒子役に徹しているが、22年6月、デジタル分野におけるaiwaブランドの使用ライセンスを取得し、コンシューマ市場に打って出た。
同年8月には10インチタブレット端末3機種、8インチタブレット端末1機種、6インチスマートフォン1機種、スマートウォッチ1機種の合計6機種を一挙リリース。9月から順次発売を開始し、23年8月にはaiwaビジネスの伸長に向けて、専業のアイワマーケティングジャパンを設立した。
アイワマーケティングジャパンの栗原理専務執行役員は「マーケットデータをつぶさに調べたところ、8インチのタブレット市場にチャンスがあった。大手ベンダーの主戦場は既に10インチに移っていて、8インチの市場に空白が生じていた。そこで8インチのJA2-TBA0801を投入したら狙い通りヒットした」と語る。
大手ベンダーが焼き尽くしたはずの8インチ市場だったが、すべてのユーザーが10インチに移行するわけではなく、8インチタブレット端末ユーザーの買い替えニーズなどがあったのだ。実は親会社であるJENESISでは大手学習塾や学校などで8インチタブレット端末の導入実績があり、学習机などの限られたスペースで8インチのニーズがあることを知っていた。そうした知見も反映した戦略の勝利だった。
23年モデルは8インチでパワフルなオクタコアCPUを搭載する「aiwa tab AB8」が引き続き躍進。aiwaブランドらしい2万800円というコスパのよさから、家電量販店のバイヤーからも好評だという。6月に発売したばかりだが既に売れ行きは好調だ。
7月に発売した10インチのSIMフリーモデル「aiwa tab AB10L」も2万2800円という手ごろ感が受けて家電量販店のほか通信事業者やビジネスユースとしてのニーズも高いという。
9月14日に発売の「aiwa tab AS10(6)」はMediatek MT8788オクタコアCPUを搭載し、6GBメモリと128GBストレージを備える。1920x1200画素の色鮮やかなIPS液晶を採用しているのも特徴だ。
ほか、22年10月から発売しているJA2-TBA1002も、aiwa Tabletで一番売れ筋のスタンダードモデルとなっている。
最後に、電子楽器「aiwa play RX01」も紹介しておこう。ボタンを押すだけでギターのコードが簡単に弾ける製品だ。新生aiwaのチャレンジ精神を示す製品で、新しい市場の創造にも挑戦していく。
自社で培ったノウハウを生かせるタブレット端末のような既存の製品を深堀りする一方、常に新しい市場を創造するチャレンジングな姿勢も崩さない。「両利きの経営」を実践しているのも、新生aiwaが暴れている原動力になっているようだ。(BCN・細田 立圭志)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
aiwaブランドでコンシューマ市場に打って出る
若い人には馴染みが薄いかもしれないが、「aiwa」と聞いて40~50代の読者は懐かしさを覚えるだろう。青春時代によく聴いたラジカセやヘッドフォンステレオ「カセットボーイ」、テープなどでaiwaにお世話になった人は多いはずだ。手ごろな価格で品質もいいブランドとして知られていた。そのaiwaが、2023年のAndroidタブレット端末市場で暴れているというのだから驚くのも無理ない。
BCNランキングによるAndroidタブレット端末市場における23年1~8月の販売台数シェアを見ると、aiwaブランドを擁するアイワマーケティングジャパンが8.3%の3位にいる。確かに1位のNEC(31.4%)と2位のレノボ・ジャパン(31.2%)とは大きな開きがあるものの、アイワマーケティングジャパンの下にはSAMSUNGやTCL、Google、Xiaomiなど誰もが知るベンダーが群雄割拠している。こうした名だたるベンダーたちを、22年6月にコンシューマ市場に進出したばかりのアイワマーケティングジャパンが抑えているのだ。
23年1~8月の月別販売台数シェアの推移を見ても、2月に3位を獲得して以降、4月にOPPOに抜かれたのを除けば3位をキープしている。特に8月は11.9%と10%台を超え、一段とアクセルを踏み込んでいる様子がわかる。
アイワマーケティングジャパンの親会社であるJENESISはODMベンダーとして、製品の開発・試作・量産・サポートまでワンストップでサービスを提供する企業だ。いわばビジネス市場で黒子役に徹しているが、22年6月、デジタル分野におけるaiwaブランドの使用ライセンスを取得し、コンシューマ市場に打って出た。
同年8月には10インチタブレット端末3機種、8インチタブレット端末1機種、6インチスマートフォン1機種、スマートウォッチ1機種の合計6機種を一挙リリース。9月から順次発売を開始し、23年8月にはaiwaビジネスの伸長に向けて、専業のアイワマーケティングジャパンを設立した。
大手ベンダーが焼き尽くしたはずの8インチ市場に商機
ビジネス市場で知名度が高かったとしても、コンシューマ市場でわずか1年で成功する企業は稀有だ。実は、aiwaブランドがAndroidタブレット端末市場で急速にシェアを伸ばしたのには理由がある。強者にはできない、弱者の戦略である。アイワマーケティングジャパンの栗原理専務執行役員は「マーケットデータをつぶさに調べたところ、8インチのタブレット市場にチャンスがあった。大手ベンダーの主戦場は既に10インチに移っていて、8インチの市場に空白が生じていた。そこで8インチのJA2-TBA0801を投入したら狙い通りヒットした」と語る。
大手ベンダーが焼き尽くしたはずの8インチ市場だったが、すべてのユーザーが10インチに移行するわけではなく、8インチタブレット端末ユーザーの買い替えニーズなどがあったのだ。実は親会社であるJENESISでは大手学習塾や学校などで8インチタブレット端末の導入実績があり、学習机などの限られたスペースで8インチのニーズがあることを知っていた。そうした知見も反映した戦略の勝利だった。
23年モデルは8インチでパワフルなオクタコアCPUを搭載する「aiwa tab AB8」が引き続き躍進。aiwaブランドらしい2万800円というコスパのよさから、家電量販店のバイヤーからも好評だという。6月に発売したばかりだが既に売れ行きは好調だ。
7月に発売した10インチのSIMフリーモデル「aiwa tab AB10L」も2万2800円という手ごろ感が受けて家電量販店のほか通信事業者やビジネスユースとしてのニーズも高いという。
9月14日に発売の「aiwa tab AS10(6)」はMediatek MT8788オクタコアCPUを搭載し、6GBメモリと128GBストレージを備える。1920x1200画素の色鮮やかなIPS液晶を採用しているのも特徴だ。
ほか、22年10月から発売しているJA2-TBA1002も、aiwa Tabletで一番売れ筋のスタンダードモデルとなっている。
aiwaダイレクトサイト1周年の記念キャンペーン
なお、9月29日からaiwaダイレクトサイト1周年を記念したキャンペーンを実施中。サイトに掲載の全商品が5%オフで購入できるほか、1周年記念特別セットとして「タブレットとフィルムセット」「スマホとケース・フィルムセット」「aiwa playとストラップセット」を用意する。スマートウォッチは通常価格6180円を特別価格4980円で販売している。最後に、電子楽器「aiwa play RX01」も紹介しておこう。ボタンを押すだけでギターのコードが簡単に弾ける製品だ。新生aiwaのチャレンジ精神を示す製品で、新しい市場の創造にも挑戦していく。
自社で培ったノウハウを生かせるタブレット端末のような既存の製品を深堀りする一方、常に新しい市場を創造するチャレンジングな姿勢も崩さない。「両利きの経営」を実践しているのも、新生aiwaが暴れている原動力になっているようだ。(BCN・細田 立圭志)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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