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どうする? 在宅勤務のお昼ごはん・毎日の買い物 実は出社したほうがラクかも?

オピニオン

2022/08/10 12:00

 東京都が発表した都内企業(従業員30人以上)の2022年6月のテレワーク実施状況によると、実施率は54.6%で、5月に比べて2.1ポイント減少した。テレワークを実施した社員の割合は45.3%から44.6%に0.7ポイント減少し、オフィス勤務、テレワーク(在宅勤務)どちらも選べる層の「オフィス回帰」がうかがえる。

都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率(東京都調べ)

 テレワークの主流スタイル、自宅での在宅勤務は、通勤の負担がない反面、運動不足になりやすく、室内清掃や昼・夜の食事など、家事に費やす時間が増えがちだ。生活の悩み解決サイト「となりのいろは」を運営するトレンダーズが22年6月に、週2回以上在宅勤務をしている20~40代有職男女を対象に実施したインターネット調査(有効回答数472人)によると、在宅勤務時の昼休みについて約7割が「出社時に比べ、やることが多い」、約半数が「出社時のお昼休みに比べて疲れる」と回答。昼休みにやることをたずねると「お昼ごはんを食べる」以外に、「テレビやスマホを見る」「掃除をする」「仕事をする」「昼寝をする」「洗濯をする」などが上位に入った。
 
出社時のお昼休みに比べて「やることが多い」が約7割、「疲れる」が約半数

 アンケート調査の平均値に基づき昼休みの時間を60分と仮定して、トレンダーズが「在宅ワーカーの“平均的お昼休み”」を作成したところ、「食事の準備」(11.2分)、「食事」(14.6分)、「食事の片付け」(4.9分)を合わせ、計30分以上(30.7分)を昼ごはんのために使っていることが判明。さらに、「洗濯・洗濯物干し」(3.4分)、「掃除」(2.7分)、「仕事」(3.3分)などに計9分以上(9.4分)も費やし、在宅勤務時は昼休みがリフレッシュや休息にならない実態が浮き彫りになった。
 
昼休みの時間を60分と仮定した在宅ワーカーの“平均的お昼休み”

 こうした在宅勤務時の昼休みの負担軽減のため「となりのいろは」では、栄養やバリエーションに富んだ弁当を定期的に自宅まで届けてくれる「宅食サービス」の利用を提案している。最近、参入事業者が増えている「ネットスーパー」を利用して弁当や総菜などを昼食時間に合わせて届けてもらってもいいだろう。
 
在宅勤務時の昼休みにすること

 在宅ワーカーの「お昼休み忙しすぎ問題」は、在宅勤務だと、オフィス勤務では通常不可能な「自炊」ができてしまうことに起因する。家計の節約と外食・中食(テイクアウト)の楽しさ・利便性を天秤にかけ、節約を取ると、昼休みの時間は一般的な「60分」では足りないのだ。

 テレワーク・在宅勤務からオフィス勤務への回帰は、この「自炊による昼食の準備・片付け」や「家族・本人による家事要求レベルの上昇(特に室内の清掃、整理整頓)」といった問題が大きく関わっていると考えられる。今後、新型コロナウイルス感染症拡大の終結宣言が出て、感染症対策としての「テレワーク推奨」が取り下げられた場合でも(通勤ラッシュの混雑緩和や柔軟な働き方のための「テレワーク推奨」に変更)、住宅地の大半がオフィス街並みに飲食店やコンビニが集結する便利なエリアに変わらない限り、自炊や家事を大いに好む人を除き、オフィス勤務のほうが楽だと判断するはずだ。つまり、通常時のオフィス回帰はますます進む可能性がある。
 
「宅食サービス」や「飲食デリバリー」、「ネットスーパー」で解決?

 家事に追われるくらいなら出社したほうがラク。自炊で味気ない昼ごはんの連続より出社して毎日違う店でランチを食べたほうが楽しい。テレワークのデメリットは、テレワークのメリットに勝る……。テレワーク可能な職種・業種で、テレワーク実施率をさらに高めるためには、真剣に在宅ワーカーの不満を解消する必要があるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)