【家電コンサルのお得な話・67】 ネットを利用した副業の「ノウハウ提供」を謳うサイト（動画サイト含む全般）をよく目にする。こういったサイトはネット副業の種類を問わず、「二つの言葉」を多用・強調しているケースが多いので注意しよう。

儲かる話をなぜ他人に教えるのか

　副業をすすめる業者が使う「二つの言葉」の意味をしっかりと理解すれば、「稼ぐはずが、高額な授業料を払うことになった」という、無駄な出費を抑えられると筆者は考えている。

　今回は筆者の個人的な見解ではあるが、この「二つの言葉」について考えてみたい。

　「二つの言葉」とは、
（1）結果が出るまで時間が掛かる
（2）学習への投資は惜しまない！
　--という最もらしい言葉である。

　これを、アフィリエイト（成果報酬型広告）を例に考えてみよう。この場合、アフィリエイトで成果を出した人（以下、業者）が「決して安くはない料金でノウハウを教える」ことを意図し、ホームページやYouTubeなどでの関連情報の無料提供から有料サービスにつなぐケースが該当する。

　こういったサイトを見れば、確かに「なるほど」と思うことも多いが、普通に考えればアフィリエイトで今も十分に稼げているなら、業者自身が他人に教えず行えばいいだけの話である。

　にもかかわらず、わざわざ自分の競合を生むためのノウハウを提供するのはなぜなのか。アフィリエイトよりも「儲けたいという消費者」を相手に教材・教育ビジネスを展開する方がレバレッジも効くし、継続ビジネスにもなり、儲かるからだろう。

　確かにネットでの副業は時間が掛かるが、こういった背景を考えると「結果が出るまで時間が掛かる！」ということを、論理的であったとしても繰り返し説明するサイトには違和感を覚える。

　個人的には「途中離脱されないための予防線」「結果が出ない場合のクレーム防止」という意味合いが強いと考えている。

　また、「学習への投資は惜しまない！」というのも「高額なノウハウ提供料を自然に見せる演出」「提供情報の価値の高さをアピールする手段」という見方もできる。

　こういった業者は「初心者をターゲット」にしているケースが多い。しかし、そもそもネットでの副業はある程度のPCスキルが必要である。まずは自分でやりながらPCスキルを磨き、アフィリならアフィリの特性を理解した上で検討することが望ましい。

　ノウハウ提供業者が全て悪徳であるとは言わないが、今回紹介したトークをはじめ、「なるほど」と思わせる理詰めの言葉こそ、業者の立場になってその真意を考えなければ、かえって時間とお金を消耗してしまう。登録・契約の前に今一度、冷静に考えていただければと思う。（堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希）

■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。