メルカリが2021年にサービス提供を開始した「メルペイスマートマネー」に対して、新たな借金サービスとして不安視し、警戒する声が上がっている。本記事では、メルペイスマートマネーを利用したとして、借り入れから返済までどのような手順で、いくら金利がかかるのか、検証した。果たして言うほど危険なのか、また、利用価値はあるのか、参考にしてもらいたい。
そのため、新規の申し込みで誰でも申し込みできるキャッシングやカードローンとは異なり、むしろ審査難易度が高い。基本少額融資のみなため、本格的に借り入れが必要な人は、このメルペイスマートマネーの利用は適さない。メルペイスマートマネーが向いているのは、メルカリでの取引をよく行っていて、メルカリ内での資金繰りができれば良いという一定のユーザーだ。
メルカリを使ったこともない人がいきなり使えないサービスであるのは当然ながら、メルカリでのやり取りが複数回あれば、確かに所在確認や本人確認はある程度できたようなものなので、審査内容については、メルカリを普段から誠実に使っている人にとって苦労することはないだろう。
実際の申し込み過程と必要なことは次の通り。
・メルカリアプリのインストール
・メルカリでの取引実績
・アプリでの本人確認
・銀行口座登録
・審査
審査に通過すると、借りられる金額と金利が分かる。借りたお金はメルペイの残高に入金、返済は申込時に登録した銀行口座からの自動引落し、または、メルペイ経由での返済、メルカリでの売上からの返済を選ぶことができる。
ここまでは通常の借り入れサービスと同じで、特に危険な要素はない。返済方式は元利均等返済で、金利は年率3.0%~15.0%だ。株式会社メルペイが登録番号:東京都知事(1)第31825号、日本賃金業協会会員第00615号で正式に運営しているサービスだ。
今は昭和の頃ほど、金利や借入サービスの仕組みがひどくはないので、計画的で、収入がきちんとあって、工夫して返済を続けていれば完済は可能である。そのためには、まず返済シミュレーションが必須である。ここでは、手間節約のため、いくつかの借入・返済シミュレーションを見てみよう。
※使用しているのはメルペイスマートマネーの公式シミュレーション機能で、メルカリアプリを入れれば誰でも確認できるものである。金利は年率15.0%でのみ計算可能。
【シミュレーション事例1】
借入月:2021年10月
借入額:1万円
月々の返済額:1000円
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完済日:2022年10月
返済総額:1万754円
1万円を借り入れて毎月1000円ずつ返済すると、返済期間は12か月、金利は754円、返済総額は1万754円となる。それほど大きい金利には見えないかもしれないが、一度に1万円返済した場合の金利は143円のみなため、5倍ほど多く金利がかかっていることになる。
このシミュレーション結果から学べることは、借りたら可能な限り早めに満額に近い金額を返済すべきだということだ。長い期間かけて返済するほど、負担は大きくなる。
【シミュレーション事例2】
借入月:2021年10月
借入額:2万円
月々の返済額:1000円
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完済日:2023年11月
返済総額:2万3146円
このシミュレーションでは、毎月1000円の返済能力を変えずに、2万円を借り入れた場合の結果を記載している。完済までに25か月かかり、返済総額は2万3146円、金利は3146円かかっていることになる。
毎月の返済金額を2000円にしても返済総額は2万1516円である。毎月5000円返済する計画であれば、返済総額は2万679円で金利はおよそ5分の1となる。
一度に支払う金額を1000円から5倍の5000円にすると、金利はおよそ5分の1となる。一度の返済額は大きく、少しでも短期間で返済する方が良いのは明確である。
【シミュレーション事例3】
借入月:2021年10月
借入額:2万円
月々の返済額:2万円
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完済日:2022年12月
返済総額:2万287円
上記のシミュレーション事例2の結果の続きとして、2万円を一度に返済すると返済総額は2万287円、金利は287円となる。1万円を一度に返済した場合の金利が143円なので、一括返済をする場合は、借入額が1万円増えると金利は約143円増えることになる。
これは、金利が年率15.0%の場合の話なので、審査結果によっては金利が下がる可能性があるが、滞納しない限り、金利が上がることはない。
【シミュレーション事例4】
借入月:2021年10月
借入額:5万円
月々の返済額:1万円
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完済日:2022年5月
返済総額:5万2033円
次のシミュレーションでは借入額を5万円に増やし、月々の返済額は1万円に設定した。この場合、返済総額は5万2033円で、金利は2033円である。借り入れている金額は大きいが、返済期間が短いため、シミュレーション事例2の金利3146円に比べると安く済んでいる。
このことから、借入金額が少なくても、返済期間が長ければ金利が増えて支払う金額は増えていることになるため、注意が必要だ。
【シミュレーション事例5】
借入月:2021年10月
借入額:5万円
月々の返済額:5000円
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完済日:2022年10月
返済総額:5万3795円
シミュレーション事例4よりも月々の返済額を減らして5000円にすると、返済総額は5万3795円で、金利は3795円となっている。シミュレーション事例2で2万円を1000円ずつ返済した場合の金利が3146円だったのに対して、このシミュレーションでは返済期間は短くなっているのに、金利は上がっている。
ここから学べることは借り入れている金額が多いと、返済に時間がかかれば金利はより大きくなるということだ。1万円をゆっくり返済するのと、5万円をゆっくり返済するのでは、金利が大幅に異なってくる。ちなみに5万円を借りた場合は、月々の最低返済額は3000円でそれ以下は選べない。この場合は返済総額が5万6430円となる。
【シミュレーション事例6】
借入月:2021年10月
借入額:20万円
月々の返済額:9000円
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完済日:2024年2月
返済総額:235,716円
最後にメルペイスマートマネーでシミュレーションできる最も恐ろしいパターンを見てみよう。借り入れできる最大20万円を月々の最低返済額9000円のペースで返済する場合は、返済総額は23万5716円、返済期間は3年と4か月かかり、金利は3万5716円である。
このシミュレーション事例6のケースは極端ではあるが、金利15.0%で、元利均等返済であればこのくらいになるのは、他の銀行系カードローンでもキャッシングでも同じである。
・借入金額は最小限にする
・早く完済する
・短期間で完済する
たくさん借りれば金利も相対的に大きくなるし、ゆっくりとしか返せない場合は、支払う金利総額は大きくなる。無理に多くを借り入れるとそれだけ支払総額が増えて大変になるので、極力借り入れには頼らないようにし、せめて最小限の借入金額に留めるべきだろう。
ただし、メルペイスマートマネーには返済手段が複数あることを忘れてはいけない。必ずしも現金を即座に用意しなくても良いため、カードローンやキャッシングよりは余裕がある。
まずはメルカリでの売上金を返済に充てることができる。メルカリでモノが売れれば、その売上金を返済に回せば良いので、毎月安定して売上が立っているのであれば、返済の目処が立つ。そこに自身の毎月の給料があれば、返済に関してはだいぶ余裕ができるはずだ。
また、一括繰り上げ返済、一時的に多く返済するという手段も選べるため、メルカリでの売上が多い時にまとめて返済に充てれば、金利を大幅に節約できる。
メルペイスマートマネーは、それぞれに借入可能金額と金利が異なるため、各自で計画的に返済する必要があり、他者の事例をあまり参考にできない部分があるが、結局は早くまとめて返済すれば良い話なので、やることは単純である。
ここまで、メルペイスマートマネーの利用方法と返済シミュレーションを確認してもらったが、借り入れから完済までのイメージはできただろうか。一番お金がかかる借り入れ方法を選んだとしても、少し頑張れば完済できる金額規模ではないだろうか。
理想はもちろん借りないことだが、メルカリを利用していてどうしても借りる必要がある場合は、シミュレーションをした上で、最短で完済できるようにしてもらいたい。正しく、誠実に使う分にはメルペイスマートマネーは危険ではない。(GEAR)
メルペイスマートマネーの利用条件
メルペイスマートマネーの利用には審査があり、メルカリでの取引履歴がないと審査すらしてもらえない。メルカリアプリだけ入れていても意味がなく、取引履歴や決済履歴などを判断材料に、借り入れできる金額(少額融資のみ)と金利が決定される。そのため、新規の申し込みで誰でも申し込みできるキャッシングやカードローンとは異なり、むしろ審査難易度が高い。基本少額融資のみなため、本格的に借り入れが必要な人は、このメルペイスマートマネーの利用は適さない。メルペイスマートマネーが向いているのは、メルカリでの取引をよく行っていて、メルカリ内での資金繰りができれば良いという一定のユーザーだ。
メルカリを使ったこともない人がいきなり使えないサービスであるのは当然ながら、メルカリでのやり取りが複数回あれば、確かに所在確認や本人確認はある程度できたようなものなので、審査内容については、メルカリを普段から誠実に使っている人にとって苦労することはないだろう。
実際の申し込み過程と必要なことは次の通り。
・メルカリアプリのインストール
・メルカリでの取引実績
・アプリでの本人確認
・銀行口座登録
・審査
審査に通過すると、借りられる金額と金利が分かる。借りたお金はメルペイの残高に入金、返済は申込時に登録した銀行口座からの自動引落し、または、メルペイ経由での返済、メルカリでの売上からの返済を選ぶことができる。
ここまでは通常の借り入れサービスと同じで、特に危険な要素はない。返済方式は元利均等返済で、金利は年率3.0%~15.0%だ。株式会社メルペイが登録番号:東京都知事(1)第31825号、日本賃金業協会会員第00615号で正式に運営しているサービスだ。
シミュレーションで借入・返済事例を確認
借金はいけないことだと言われるが、きちんと理解して、適切に借りて、金利を含めて完済して、生活に悪影響がなければよい、というのは言うまでもない。きちんと適切に利用しても生活に悪影響が出るような仕組みの借入であれば、その借入サービスの方が悪いというのも事実だ。今は昭和の頃ほど、金利や借入サービスの仕組みがひどくはないので、計画的で、収入がきちんとあって、工夫して返済を続けていれば完済は可能である。そのためには、まず返済シミュレーションが必須である。ここでは、手間節約のため、いくつかの借入・返済シミュレーションを見てみよう。
※使用しているのはメルペイスマートマネーの公式シミュレーション機能で、メルカリアプリを入れれば誰でも確認できるものである。金利は年率15.0%でのみ計算可能。
【シミュレーション事例1】
借入月:2021年10月
借入額:1万円
月々の返済額:1000円
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完済日:2022年10月
返済総額:1万754円
1万円を借り入れて毎月1000円ずつ返済すると、返済期間は12か月、金利は754円、返済総額は1万754円となる。それほど大きい金利には見えないかもしれないが、一度に1万円返済した場合の金利は143円のみなため、5倍ほど多く金利がかかっていることになる。
このシミュレーション結果から学べることは、借りたら可能な限り早めに満額に近い金額を返済すべきだということだ。長い期間かけて返済するほど、負担は大きくなる。
【シミュレーション事例2】
借入月:2021年10月
借入額:2万円
月々の返済額:1000円
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完済日:2023年11月
返済総額:2万3146円
このシミュレーションでは、毎月1000円の返済能力を変えずに、2万円を借り入れた場合の結果を記載している。完済までに25か月かかり、返済総額は2万3146円、金利は3146円かかっていることになる。
毎月の返済金額を2000円にしても返済総額は2万1516円である。毎月5000円返済する計画であれば、返済総額は2万679円で金利はおよそ5分の1となる。
一度に支払う金額を1000円から5倍の5000円にすると、金利はおよそ5分の1となる。一度の返済額は大きく、少しでも短期間で返済する方が良いのは明確である。
【シミュレーション事例3】
借入月:2021年10月
借入額:2万円
月々の返済額:2万円
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完済日:2022年12月
返済総額:2万287円
上記のシミュレーション事例2の結果の続きとして、2万円を一度に返済すると返済総額は2万287円、金利は287円となる。1万円を一度に返済した場合の金利が143円なので、一括返済をする場合は、借入額が1万円増えると金利は約143円増えることになる。
これは、金利が年率15.0%の場合の話なので、審査結果によっては金利が下がる可能性があるが、滞納しない限り、金利が上がることはない。
【シミュレーション事例4】
借入月:2021年10月
借入額:5万円
月々の返済額:1万円
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完済日:2022年5月
返済総額:5万2033円
次のシミュレーションでは借入額を5万円に増やし、月々の返済額は1万円に設定した。この場合、返済総額は5万2033円で、金利は2033円である。借り入れている金額は大きいが、返済期間が短いため、シミュレーション事例2の金利3146円に比べると安く済んでいる。
このことから、借入金額が少なくても、返済期間が長ければ金利が増えて支払う金額は増えていることになるため、注意が必要だ。
【シミュレーション事例5】
借入月:2021年10月
借入額:5万円
月々の返済額:5000円
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完済日:2022年10月
返済総額:5万3795円
シミュレーション事例4よりも月々の返済額を減らして5000円にすると、返済総額は5万3795円で、金利は3795円となっている。シミュレーション事例2で2万円を1000円ずつ返済した場合の金利が3146円だったのに対して、このシミュレーションでは返済期間は短くなっているのに、金利は上がっている。
ここから学べることは借り入れている金額が多いと、返済に時間がかかれば金利はより大きくなるということだ。1万円をゆっくり返済するのと、5万円をゆっくり返済するのでは、金利が大幅に異なってくる。ちなみに5万円を借りた場合は、月々の最低返済額は3000円でそれ以下は選べない。この場合は返済総額が5万6430円となる。
【シミュレーション事例6】
借入月:2021年10月
借入額:20万円
月々の返済額:9000円
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完済日:2024年2月
返済総額:235,716円
最後にメルペイスマートマネーでシミュレーションできる最も恐ろしいパターンを見てみよう。借り入れできる最大20万円を月々の最低返済額9000円のペースで返済する場合は、返済総額は23万5716円、返済期間は3年と4か月かかり、金利は3万5716円である。
このシミュレーション事例6のケースは極端ではあるが、金利15.0%で、元利均等返済であればこのくらいになるのは、他の銀行系カードローンでもキャッシングでも同じである。
メルペイスマートマネーを使う場合のポイント
メルペイスマートマネーに限らず、借金をする時に大切なのは下記を心がけることだ。・借入金額は最小限にする
・早く完済する
・短期間で完済する
たくさん借りれば金利も相対的に大きくなるし、ゆっくりとしか返せない場合は、支払う金利総額は大きくなる。無理に多くを借り入れるとそれだけ支払総額が増えて大変になるので、極力借り入れには頼らないようにし、せめて最小限の借入金額に留めるべきだろう。
ただし、メルペイスマートマネーには返済手段が複数あることを忘れてはいけない。必ずしも現金を即座に用意しなくても良いため、カードローンやキャッシングよりは余裕がある。
まずはメルカリでの売上金を返済に充てることができる。メルカリでモノが売れれば、その売上金を返済に回せば良いので、毎月安定して売上が立っているのであれば、返済の目処が立つ。そこに自身の毎月の給料があれば、返済に関してはだいぶ余裕ができるはずだ。
また、一括繰り上げ返済、一時的に多く返済するという手段も選べるため、メルカリでの売上が多い時にまとめて返済に充てれば、金利を大幅に節約できる。
メルペイスマートマネーは、それぞれに借入可能金額と金利が異なるため、各自で計画的に返済する必要があり、他者の事例をあまり参考にできない部分があるが、結局は早くまとめて返済すれば良い話なので、やることは単純である。
ここまで、メルペイスマートマネーの利用方法と返済シミュレーションを確認してもらったが、借り入れから完済までのイメージはできただろうか。一番お金がかかる借り入れ方法を選んだとしても、少し頑張れば完済できる金額規模ではないだろうか。
理想はもちろん借りないことだが、メルカリを利用していてどうしても借りる必要がある場合は、シミュレーションをした上で、最短で完済できるようにしてもらいたい。正しく、誠実に使う分にはメルペイスマートマネーは危険ではない。(GEAR)