ネット動画の視聴が快適・簡単・便利なフルHD/HD液晶テレビをハイセンスが発売

新製品

2024/04/18 19:00

 ハイセンスは24V型、32V型、40V型のフルHD/HD液晶テレビ「A4N」シリーズ(以下、A4N)を4月4日に発売した。ネット動画配信サービスの普及拡大に合わせてネット動画をストレスなく視聴できる機能を搭載しており、シングル世帯やパーソナルユースに最適なシリーズだ。

ハイセンスのA4Nシリーズは
24V、32V、40Vの3タイプ

2Kモデルのシリーズ展開はA4Nに一本化

 テレビは大画面化や4Kによる高画素化が進んでいる。しかし、実際のところフルHDやHDの2Kは年間販売台数構成比で約4割。また、BCNランキングの23年度年間販売台数では40V型以下が全体の販売台数の約43%を占めており、販売ボリュームとしては決して小さくない規模である。

 新発売のA4NはA40Hの後継シリーズで、これまで2Kのエントリーモデルとして展開していたA30KやA30HもA4Nに一本化。複数あった2KのシリーズラインはA4Nのみとなる。

 新製品のラインアップは40V型の40A4Nと32V型の32A4N、24V型の24A4Nの3機種。40A4Nと32A4Nの解像度はフルHDで、24A4NはHD。パネルは32A4NのみADS(Advanced super Dimension Switch)で、残りの2機種はVA(Vertical Alignment)。いずれの機種もチューナーは地デジ×2、BS・110度CS×2を搭載しており、市場価格は40A4Nが4万4800円前後で、32A4Nが3万7800円前後、24A4Nが2万9800円前後だ。
 
32A4Nには視野角の広いADSパネルを採用

12個のダイレクトボタンでネット動画サービスに対応

 このところ、消費者のテレビ離れが進んでいるといわれている。その一方、TVerでは24年3月の月間動画再生数が4.5億回を超えたと発表した。これはスマホやタブレットなども含む全デバイスでの再生数だが、テレビのみの再生数でも過去最高となる1.4億回を突破した。

 テレビ離れといってもテレビ番組を見なくなったわけではなく、視聴者はリアルタイムでの視聴からネット配信を利用した視聴にシフトしているのが実情だ。

 A4Nは19社のネット動画配信サービスに対応。YouTubeやNETFLIX、prime video、Disney+、TVerなどの人気動画配信サービスは網羅しており、テレビでネット動画を楽しみたいユーザーにとって不満は感じないラインアップとなっている。
 
人気のネット動画配信サービス
19社に対応

 リモコンにはネット動画配信サービスのダイレクトボタンを12個搭載。前モデルのA40Hではダイレクトボタンが6個、4K液晶のエントリーモデルであるA6Kでもダイレクトボタンの対応サービスは10社で、ダイレクトボタンによる自動起動機能も含めてネット動画配信サービスへのアクセス性と操作性は大幅に向上した。
 
12個のダイレクトボタンによりワンタッチで
動画配信サービスを視聴できる

 リモコン自体もBluetooth対応になり、リモコンをテレビに向けなくても操作ができるようになった。また、音声操作にも対応。音量や入力切り替え、動画検索などの操作も直接、リモコンを操作せずに音声で可能だ。

 Bluetoothはテレビ本体でも対応。A4Nとワイヤレスイヤホン・ヘッドホンを接続すれば、夜間でも音を気にすることなく視聴できる。
 
A4NはBluetooth対応で
各種のワイヤレスデバイスと接続可能

 これらネット動画対応やBluetooth対応は前モデルのA40Hから大きくステップアップしたが、これだけではない。A4Nでは新たにスマホの画面をA4Nの画面に投影するスクリーンシェア機能も搭載しているのだ。

 事前にテレビ本体と画面をシェアしたいスマホを設定しておくと、本体の入力画面切り替えでスマホの画面がA4Nの画面に映し出せる。例えば、移動中に試聴していたネット動画を帰宅後にA4Nの大画面で試聴したり、スマホのゲームを大画面に映し出してプレイ、スマホで再生した音楽をA4Nのスピーカーで再生したりと、スマホとシームレスな連携ができる。
 
スクリーンシェアは
スマホとA4Nの連携で画面をシェア

2K専用に新開発した高画質処理エンジンを搭載

 ワンタッチでネット動画を視聴したり、スマホの画面をシェアできたりしても、肝心の画質が良くなければ楽しみが半減してしまうのは言うまでもない。

 A4Nでは高画質処理のキモであるエンジンをTVS REGZAと共同開発し、新しいHI-VIEWエンジン 2Kとして搭載している。

 2Kでも映し出す映像を高画質で観たいというニーズに対応したもので、コンテンツに合わせて自動で画質処理をする自動モードを搭載。さらにスポーツや映画、ゲームとそれぞれのコンテンツに特化したモードを選択することも可能だ。
 
A4Nは2K専用の画像処理エンジンを
新たに開発して搭載

 テレビを設置する室内は照明のオン/オフも含め、朝、昼、夜で部屋の明るさが変わる。A4Nでは、これに合わせて画面の輝度を自動調整するおまかせセンサーを搭載している。本体下部にあるメーカーロゴの下にセンサーを配置し、部屋の明るさに応じてバックライトの輝度を自動で調整。好みに応じてカスタマイズすることもできる。
 
おまかせセンサーは部屋の明るさを感知して
画面を自動で最適な輝度に調整

 前述のとおり、パネルは32V型がADSで24V型と40V型がVA。発売前の内覧会で展示されていたADSパネルの32A4Nは左右に移動してみても画面の色が変わることがなかった。また、パネル表面に低反射素材を用いたとのことで、映り込みがしっかり抑えられていた点も印象的だった。

 VAパネルの40A4NはVAパネルの特徴である高いコントラスト比により、抑えの効いた黒色でボケ感のない映像を映し出していた。

 そもそも地デジの解像度は4Kではないので、普通にテレビ番組を視聴するのであれば2Kでも問題はない。実際、内覧会で映し出された映像に違和感を覚える部分は全くなかった。

 テレビは高画質化が進み、4K対応がスタンダードになりつつある。正直なところ、2Kモデルはコスパ重視で、画質はもちろん機能面でもそこそこのものだろうと思っていた。

 しかし、実機のA4Nで映し出された映像を観て、搭載機能を知ると、良い意味でその考えが間違っていたと認識させられた。2Kにも関わらず、現時点でハイセンスの4K上位モデルよりもダイレクトボタンの対応動画配信社数が多く、エンジンも新開発し、Bluetooth対応やスマホ連携なども前モデルにはない機能だ。

 しかも価格は前述のとおり。コスパがよいにもほどがあると感じた。国内のテレビ市場に取り組むハイセンスの本気度とコスト力、技術力を改めて認識させられた。

 4K対応でなくてもよい、視聴コンテンツはほぼネット動画、細かい設定が分からず面倒、という人にA4Nは間違いなく検討する価値のあるモデルだ。
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