ビジュアルプログラミング言語などが経産大臣賞──U-22プロコン3年ぶりでリアル開催
U-22プログラミング・コンテスト(U-22プロコン)実行委員会は11月27日、東京・千代田区の秋葉原コンベンションホールでU-22プログラミング・コンテスト2022最終審査会を開催した。応募総数995名・328作品の中から事前審査、1次審査を勝ち抜いて選出された全16作品が登場。最終審査でのプレゼンテーションを経て各賞が決まった。経済産業大臣賞には、「総合」で米丸賜喜さんの「Nf7」、「テクノロジー」で日本工学院専門学校 竹渕高樹さんの「ButiEngine」、「アイディア」で苫小牧工業高等専門学校 町田射空さんの「Interplayer」、「プロダクト」で専門学校サンテクノのチーム SUNGCCの皆さんの「不思議なおもちゃとパズルの世界」の4作品がそれぞれ輝いた。また4作品は、23年1月に開催されるBCN ITジュニア賞の受賞作品としてそれぞれノミネートされる。
コロナ禍の影響で、会場にプレゼンターや審査員を集めてのリアル開催は3年ぶり。開会式で挨拶したサイボウズ・代表取締役社長で、U-22プログラミングコンテスト実行委員会の青野慶久 委員長は「今回で43回目。おそらく一番歴史のあるプロコンではないか。多くの若者が業界リーダーとして育ってきた。ここで新たな才能が開花するのをうれしく思う。3年ぶりのリアル開催。ずらっと並んだ審査員の前で発表する緊張感を楽しんでほしい」と話した。
また、経済産業省の太田房江 副大臣も応援のビデオメッセージを寄せ「今やプログラミング能力はますます社会に必要とされている。私たちの生活が豊かで便利になった裏には、必ずプログラミング技術がある。プログラミングは将来にわたって夢を与える技術。新しい価値を生み出す主役が、皆さんのような才能あふれる若者。是非新しい世界を切り拓いてほしい」と話した。
「総合」で受賞した米丸さんの「Nf7」は、クリエイティブ作品をプログラミングするためのプラットフォーム。音楽や映像作品の制作に活用できる。ビジュアルプログラミングにおけるC言語を目指して開発した。チェスの棋譜から名前を取ったNf7は、プログラムを使って「ノード」を線で結び組み合わせて動作を作成できるのが特徴。ビジュアルな要素とテキストの要素を組み合わせわかりやすく簡単、効率的にプログラミングができる。ユーザーは、ノードを組み立て、プログラムを作り、パラメータを入力するだけでやりたいことが実行できる。
「テクノロジー」で受賞した竹渕さんの「ButiEngine」は、少人数、短期間でのゲーム制作に使用することを目的としたゲームエンジン。一人でゲーム会社のR&D部門になれることを目指して開発した。ゲーム開発でUnityなどの商用ゲームエンジンを使う場合、似たり寄ったりの挙動や見た目になってしまいがち。そのためプログラマーの個性が出しづらい。GUIエディタやレンダリング、スクリプトなど、ゲーム制作に必要な機能は一通りそろっている。C++で開発されているので実行速度はC++比で2%以上遅いが、コンパイルは240倍以上速い。
「アイティア」で受賞した町田さんの「Interplayer」は、娯楽としてのプログラミングを提供するゲームで、プログラマーの息抜きとして開発した。そのユニークな開発コンセプトから、プレゼン中会場からは何度も笑いが起きていた。ターゲットはプログラマーで、全くの初心者には向かない。プレーヤーが記述するのはゲーム性に重点を置いた自作の言語「tolerance」。未知の言語で記述することになり不安があるため、正解した時の達成感につながる。単にゲームとしてだけでなく、ゲームの学習用教材としても可能性がある。
「プロダクト」で受賞したチーム、SUNGCCの皆さんの「不思議なおもちゃとパズルの世界」は、今までにない新しい遊びを生み出したいと考え制作された。直感的なブロック回転ゲームで、ブロックを回すことで道を作り、ゴールまで導くパズルゲーム。シンプルな遊びを目指し、おもちゃの世界観を導入。かわいらしいキャラクターを作成、マップの描画もやわらかな印象のものとし、世界観を維持している。
閉会式で、東京大学・名誉教授の近山隆 審査委員長が総評。「今年も例年に増してクオリティーの高い作品ばかりだった。これが本来の姿だが、実際に皆さんに集まってもらいプレゼンや表彰式ができて大変良かった。プレゼンのデモではあらかじめ用意したビデオではなく、その場でやるチームがいくつもあった。大変リスキーで勇気がいることだが印象深かった。入賞者はもちろん、他の応募者や来年は応募しようと思っているみなさんの力で、日本のソフトウェアを隆盛にしていければ」と結んだ。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)
コロナ禍の影響で、会場にプレゼンターや審査員を集めてのリアル開催は3年ぶり。開会式で挨拶したサイボウズ・代表取締役社長で、U-22プログラミングコンテスト実行委員会の青野慶久 委員長は「今回で43回目。おそらく一番歴史のあるプロコンではないか。多くの若者が業界リーダーとして育ってきた。ここで新たな才能が開花するのをうれしく思う。3年ぶりのリアル開催。ずらっと並んだ審査員の前で発表する緊張感を楽しんでほしい」と話した。
また、経済産業省の太田房江 副大臣も応援のビデオメッセージを寄せ「今やプログラミング能力はますます社会に必要とされている。私たちの生活が豊かで便利になった裏には、必ずプログラミング技術がある。プログラミングは将来にわたって夢を与える技術。新しい価値を生み出す主役が、皆さんのような才能あふれる若者。是非新しい世界を切り拓いてほしい」と話した。
「総合」で受賞した米丸さんの「Nf7」は、クリエイティブ作品をプログラミングするためのプラットフォーム。音楽や映像作品の制作に活用できる。ビジュアルプログラミングにおけるC言語を目指して開発した。チェスの棋譜から名前を取ったNf7は、プログラムを使って「ノード」を線で結び組み合わせて動作を作成できるのが特徴。ビジュアルな要素とテキストの要素を組み合わせわかりやすく簡単、効率的にプログラミングができる。ユーザーは、ノードを組み立て、プログラムを作り、パラメータを入力するだけでやりたいことが実行できる。
「テクノロジー」で受賞した竹渕さんの「ButiEngine」は、少人数、短期間でのゲーム制作に使用することを目的としたゲームエンジン。一人でゲーム会社のR&D部門になれることを目指して開発した。ゲーム開発でUnityなどの商用ゲームエンジンを使う場合、似たり寄ったりの挙動や見た目になってしまいがち。そのためプログラマーの個性が出しづらい。GUIエディタやレンダリング、スクリプトなど、ゲーム制作に必要な機能は一通りそろっている。C++で開発されているので実行速度はC++比で2%以上遅いが、コンパイルは240倍以上速い。
「アイティア」で受賞した町田さんの「Interplayer」は、娯楽としてのプログラミングを提供するゲームで、プログラマーの息抜きとして開発した。そのユニークな開発コンセプトから、プレゼン中会場からは何度も笑いが起きていた。ターゲットはプログラマーで、全くの初心者には向かない。プレーヤーが記述するのはゲーム性に重点を置いた自作の言語「tolerance」。未知の言語で記述することになり不安があるため、正解した時の達成感につながる。単にゲームとしてだけでなく、ゲームの学習用教材としても可能性がある。
「プロダクト」で受賞したチーム、SUNGCCの皆さんの「不思議なおもちゃとパズルの世界」は、今までにない新しい遊びを生み出したいと考え制作された。直感的なブロック回転ゲームで、ブロックを回すことで道を作り、ゴールまで導くパズルゲーム。シンプルな遊びを目指し、おもちゃの世界観を導入。かわいらしいキャラクターを作成、マップの描画もやわらかな印象のものとし、世界観を維持している。
閉会式で、東京大学・名誉教授の近山隆 審査委員長が総評。「今年も例年に増してクオリティーの高い作品ばかりだった。これが本来の姿だが、実際に皆さんに集まってもらいプレゼンや表彰式ができて大変良かった。プレゼンのデモではあらかじめ用意したビデオではなく、その場でやるチームがいくつもあった。大変リスキーで勇気がいることだが印象深かった。入賞者はもちろん、他の応募者や来年は応募しようと思っているみなさんの力で、日本のソフトウェアを隆盛にしていければ」と結んだ。(ITジュニア育成交流協会・道越一郎)