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電子タバコじゃない? 非喫煙者が休息をアップグレードできる新発想ガジェット「Ston」を本音レビュー

レビュー

2021/02/20 12:00

【木村ヒデノリのTech Magic #044】 リモートワークの増加で家にこもる時間が増え、休憩時間の工夫をしている人も多いのではないだろうか。こだわりの器具でハンドドリップしたり、よいオーディオ機器に投資したりとさまざまなアプローチがあるが、今回紹介するガジェット「Ston(ストン)」も選択肢としてはよいかもしれない。いわゆる電子タバコのように、吸引してカフェインやギャバが摂取できるデバイスだが、非喫煙者向けというところが新しい。この手のガジェットには賛否があるとは思うが、非喫煙者の筆者が使って感じたことを率直にお伝えしていきたい。

「Ston(ストン)」はカラフルなデザインも魅力で、月白、浅葱、鉄紺、茜の4色展開
 
本体はとてもコンパクトで携帯しやすい

電子タバコではなくあくまで“ブリージングデバイス”

 ストンは方式こそ電子タバコと似ているが、立ち位置的には肺からカフェインやギャバを摂取する「ブリージングデバイス」となっている。カートリッジはそれぞれミントとココナッツのフレーバーがついており、香りとともに休憩の品質を上げるという使い方だ。

 例えば、「今日はもう少し頑張りたい」という場合はPOWER(カフェインタイプ・ミントフレーバー)を、イライラが溜まっているのでリラックスしたいという場合はCALM(ギャバタイプ・ココナッツフレーバー)を使うといった具合だ。カートリッジはすぐに付け替えられるようになっているので、両方持っておいて気分に合わせて使い分けるといったこともできる。
 
今のところカートリッジは2種類だけリリースされている

 Stonはブリージングデバイスということで、オフィスや家庭でも気軽に使える。吸い方を工夫すれば全く水蒸気を出さずに使えるので、オフィスであれば席で、家庭であっても外に出たりすることなくリフレッシュすることができる。これに関しては電子タバコ(VAPE)でも煙の量を調整すれば同じことが可能だが、最適な水蒸気の量になるようあらかじめセットされているのがStonの良いところだ。
 
周りを気にせずにさっと吸ってリフレッシュできる

 丸い石のような形状も用途と相性が良い。電子タバコのような筒状ではないので、周りから「タバコを吸っている?」という目で見られないし、ポケットに入れて持ち運ぶのも気にならない。手触りの良いマット仕上げも触っていて心地よいし、デザイン性がユーザー体験に大きな影響を与えているなと感じた。
 
コロンとしたデザインと手触りの良い仕上げもユーザビリティを向上させている
 
充電もスタンド方式でデスク上に置いておいても違和感のないデザイン

  加熱機構もボタンなどはなく、ユーザー側が加熱時間を変えられない仕様になっている。通常の電子タバコだとボタンを押している間は加熱が続くため、リキッドが焦げたような匂いになってむせてしまうことなどがある。しかしストンの場合はずっと吸引を続けていても5秒を過ぎたあたりになると自動的に加熱が止まり、水蒸気も出なくなる。したがって加熱しすぎることもないし、吸う前に設定を気にする必要もない。こういった「何も考えずに取り出してさっと吸える」という作り込みは毎日使うものとしては非常に使いやすく秀逸だった。

効果や安全性は? 3週間実際に使ってみた感想

 ギャバはともかく、カフェインを経肺摂取するとなると安全性が気になってくる。マニュアルには「カフェインカートリッジについては妊婦、お子様の使用は厳禁、お子様の手の届かないところへ」という記載がある。使用に関しても一部からは警鐘を鳴らすような情報も出ているので、あくまで各々の判断で使用して欲しい。

 メーカーであるBREATHER(ブリーザー)株式会社の菅沼CEOはインタビューで「安全性には特に配慮した」と語っている。最も基準が厳しい国の場合、妊娠した女性が経口摂取で1日200mg以下が望ましいとされているが、Stonでこの量に達するには1日に1000回も吸引しなければならないそうだ。こう聞くと安心感はあるが、あまりカフェインの効果を感じられないというデメリットもある。正直コーヒーやエナジードリンクを飲んだ方が頭はスッキリするので、ここは安全性とトレードオフな部分なのかもしれない。
 
目の覚めるようなカフェインの効果を求めるならコーヒーの方が無難かもしれない

  カフェインタイプについては少し否定的なことを書いたが、ギャバのカートリッジは非常に気に入った。ギャバの効能かどうかは置いておいて、ココナッツの強めなフレーバーはリラックスでき、仕事の合間に愛用している。1回の休憩にゆっくりと5回程度吸うという使い方なので、小さなカートリッジでもかなり持つのも良い。

 吸う頻度にもよるが1本で250回程度使えるため、3本入りのパッケージで大体1か月は持つ計算だ。頻度が低い筆者の場合では1本で3週間ほど使えている。カートリッジは3本入り1980円なので、ランニングコストとしては悪くはないが、本体価格は少し高い。4000円くらいだったら買いやすいなと思っていたところ、オフィシャルストアではカートリッジ2本と一緒に買うと7920円になるということだ。これならある程度手軽に使い始めることができるかもしれない。

 筆者の場合、主にリラックスしたいタイミングに使っていると書いたが、味や吸ってみた感覚などは実際吸って試してみないとわからないと思う。東京在住の方に限られてしまうが、先日の記事で紹介したb8taでは店頭にて両方のカートリッジが試せるということなので、ネットで買って失敗するのが嫌な読者は足を運んでみるといいかもしれない。(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。