M.2の比率が4割に迫る勢い、内蔵SSD市場

アナリストPOSデータ分析

2021/12/16 15:00

 内蔵SSD市場において、M.2やmSATAを含むボードタイプの比率が2021年11月に38.5%と4割目前に達した。比率増の一因は、1GBあたりの平均単価(GB単価)下落であることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。


 内蔵SSDのフォームファクタ別に販売数量比率を算出したところ、18年11月には2.5"が86.8%、ボードタイプが13.0%、その他(1.8"/機種依存など)が0.2%だった。ボードタイプの比率は月を追うごとに増加し、20年3月には2割を、12月には3割を超えた。その後もボードタイプの比率は着実に増加しており、21年11月には38.5%と4割に迫る勢いをみせている。

 では、なぜボードタイプの比率が増加しているのか要因を探るため、GB単価を算出し、2.5"とボードタイプを比較した。
 

 3年前の18年11月のGB単価は2.5"が18.9円であったのに対し、ボードタイプでは28.5円と約10円もの差があった。ボードタイプのGB単価は19年の上半期に急落し、19年11月に15.5円とほぼ半値になった。一方の2.5"ではほぼ同期間で約7円の下落にとどまり、19年12月に11.6円。20年に入ると、ともにいったん値上がりに転ずるが、5月頃を境に再びGB単価は下落し始め、多少の上下動をみせつつ推移している。19年の様に派手な急落はないものの、直近の21年11月にはボードタイプが13.7円、2.5"が11.2円とその差は2円程度まで縮まった。

 こうしたGB単価の下落がボードタイプの比率増につながったことは間違いない。加えて、ゲーム専用機(特にPS5)においてM.2のSSDを増設することで、大容量化や起動の高速化が可能であることが、ボードタイプの比率増を後押ししたことも要因の一つに挙げられる。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。


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