キーボードの平均単価が上昇、ゲーミングモデルの比率増が要因

アナリストPOSデータ分析

2020/02/21 19:30

 キーボード市場は2019年6月以降、販売台数の前年同月比がプラスで推移している。平均単価は直近2年で、3000円台から4000円台後半へと上昇していることが家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった。


 18年1月から20年1月までのキーボード市場全体の平均単価をみると、2年間で1000円程上昇していた(図1)。18年1月には3870円だったが、10月を底に上昇へと転じ、19年2月に4000円を超えた後も上昇を続けている。19年12月には過去2年で最も高い4730円に達し、20年1月も4620円と高値をキープしている。この平均単価上昇の要因を探ってみると、高単価なゲーミングモデルの比率と関連がみえてきた。キーボード市場におけるゲーミングモデルの台数比率は、18年1月から11月までは10%-12%台で推移していたが、ゲーミングキーボードの商戦期となる12月には14.5%、19年1月には15.7%となったことをきっかけに、2月以降は12-14%台で推移。そして、19年12月に17.4%まで比率が増加すると20年1月には更に増え、全体の2割近くを占める18.4%になった。このようにゲーミングモデルの台数比率増加とともに、キーボード市場の平均単価も上昇していることがわかった。
 

 次に、キーボードを一般向けモデルとゲーミングモデルに分けて平均単価を比較してみた(図2)。18年1月の一般向けモデルは3310円であるのに対し、ゲーミングモデルは9260円と、およそ3倍の開きがある。一般向けモデルはここ2年間、3000円台で推移しているが、一方のゲーミングモデルは19年2月に1万円台に達し、以降1万円台を維持している。2月に1万円台に達した要因は、ロジクールの単価上昇や、Razerの2万円を超える新製品が発売になったことだ。ゲーミングキーボードは人気PCゲームタイトルの存在やeスポーツの盛り上がりを受け、販売数が伸びていると思われる。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。