海外に比べ、日本のゲーミング市場は遅れをとっている。従来、そのような声が多かったが、近年日本市場も活況となりつつある。なかでも、パソコンゲーム向けに特化するマウス、キーボード、ヘッドセットの売れ行きが好調であることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」からわかった。それら周辺機器の販売動向を追うとともに、市場の可能性について考察する。
用途をゲーミング向けに限定したマウス、キーボード、ヘッドセットの販売数量伸び率(前年同月比)を過去2年間の推移でみた(図1)。2017年春頃まで、ゲーミングヘッドセットは前年を下回る月が多く、ゲーミングマウスとゲーミングキーボードも微増する程度の伸びであった。しかし、それ以降は3アイテムすべてプラス域を維持し続け、伸び率も右肩上がりに急増。ゲーミングマウスとゲーミングキーボードは、18年3月にいずれも175.8%、ゲーミングヘッドセットは同年2月に212.8%まで販売比率を伸ばしている。
また、販売数量の増加以上に販売金額の伸びが大きい。各アイテムともゲーミング向けはスタンダードな製品よりも高機能であるためだ。この影響で一般的な製品を含めたマウス、キーボード、ヘッドセット全体の平均単価は上昇している。
盛り上がってきたといえるゲーミング周辺機器市場。各アイテムについて、18年4月のメーカーシェアをみると、3アイテムともトップシェアがロジクール、次点がRazerという結果になった(図2)。Razerはどのアイテムも安定して2割前後のシェアで、ロジクールはゲーミングキーボードで48.2%、ゲーミングマウスで66.6%を占めている。現時点ではこの2社が市場をリードしているといえる。ただし、ゲーミングマウスを取り扱うメーカー数は2年前に比べて、1.5倍以上になっている。さらに市場が盛り上がることで、ますますシェア争いは激化しそうだ。
こうした市場成長の背景には、主にパソコンゲームで行う対戦ゲーム「eスポーツ」との関連性が強い。日本国内でもさまざまなジャンルのゲームがeスポーツの種目となり、大会やイベントを開催するケースが増加。また、家電量販店でもゲーミング専門売り場が急増していることで、消費者の接触機会も増えている。プレーヤーにとって、今回取り上げた周辺機器は重要であるため、今後さらにeスポーツやパソコンゲームが盛り上がれば、市場の成長も続いていくだろう。(BCNアナリスト 山口渉)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
用途をゲーミング向けに限定したマウス、キーボード、ヘッドセットの販売数量伸び率(前年同月比)を過去2年間の推移でみた(図1)。2017年春頃まで、ゲーミングヘッドセットは前年を下回る月が多く、ゲーミングマウスとゲーミングキーボードも微増する程度の伸びであった。しかし、それ以降は3アイテムすべてプラス域を維持し続け、伸び率も右肩上がりに急増。ゲーミングマウスとゲーミングキーボードは、18年3月にいずれも175.8%、ゲーミングヘッドセットは同年2月に212.8%まで販売比率を伸ばしている。
また、販売数量の増加以上に販売金額の伸びが大きい。各アイテムともゲーミング向けはスタンダードな製品よりも高機能であるためだ。この影響で一般的な製品を含めたマウス、キーボード、ヘッドセット全体の平均単価は上昇している。
盛り上がってきたといえるゲーミング周辺機器市場。各アイテムについて、18年4月のメーカーシェアをみると、3アイテムともトップシェアがロジクール、次点がRazerという結果になった(図2)。Razerはどのアイテムも安定して2割前後のシェアで、ロジクールはゲーミングキーボードで48.2%、ゲーミングマウスで66.6%を占めている。現時点ではこの2社が市場をリードしているといえる。ただし、ゲーミングマウスを取り扱うメーカー数は2年前に比べて、1.5倍以上になっている。さらに市場が盛り上がることで、ますますシェア争いは激化しそうだ。
こうした市場成長の背景には、主にパソコンゲームで行う対戦ゲーム「eスポーツ」との関連性が強い。日本国内でもさまざまなジャンルのゲームがeスポーツの種目となり、大会やイベントを開催するケースが増加。また、家電量販店でもゲーミング専門売り場が急増していることで、消費者の接触機会も増えている。プレーヤーにとって、今回取り上げた周辺機器は重要であるため、今後さらにeスポーツやパソコンゲームが盛り上がれば、市場の成長も続いていくだろう。(BCNアナリスト 山口渉)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。