液晶テレビの販売台数は2017年10月、11月と2か月連続して前年割れに転じたが、4K/8K対応が占める台数比率は4割に迫り、40-50型台がけん引していることが、家電量販店・ネットショップの実売データを集計するBCNランキングから分かった。
市場全体では前年割れを起こしている液晶テレビだが、4K/8K対応に限れば、台数伸び率(前年同月比)は2ケタ増を維持している。そこで、4割が目前に迫っている4K/8K対応を画面サイズ帯ごとの比率でみると、40型台が半数以上、50型台が3割台、残りは60型台以上の分布だった(図1)。一方、4K/8K対応以外では、依然として30型台が3割後半を占めており、両者の違いが画面サイズにも現われている。
次に、4K/8K対応の40型台と50型台のそれぞれの平均単価を比較してみた(図2)。16年11月時点で50型台の単価は17万6000円、40型台のそれは12万8000円で、両者の差は4万8000円であった。ところが、この11月では14万5000円、11万4000円と、1年で差は3万1000円に縮まっている。17年に入ってから40型台の単価は緩やかに上昇傾向にあるのに対して、50型台は単価を下げる傾向にあることが、差が縮まる要因となった。この背景には、台頭しはじめた有機ELテレビの存在がある。現在、テレビ市場全体に占める有機ELの台数比率は3%にも満たないが、いずれ液晶と競合、世代交代を巻き起こす可能性を秘めている、との見方が一般的だ。その有機ELの現時点での画面サイズは、4K/8K対応とほぼ同様の50型以上であることを考えれば、4K/8K対応は有機ELとの差異化を図るためにも、割安感を打ち出す必要に迫られている。
いずれにしても4K/8K対応の単価は、液晶内での競合の強まりと、次世代を担う可能性を秘める有機ELの台頭によって、価格を下げざるを得ない状況を迎えることになりそうだ。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
市場全体では前年割れを起こしている液晶テレビだが、4K/8K対応に限れば、台数伸び率(前年同月比)は2ケタ増を維持している。そこで、4割が目前に迫っている4K/8K対応を画面サイズ帯ごとの比率でみると、40型台が半数以上、50型台が3割台、残りは60型台以上の分布だった(図1)。一方、4K/8K対応以外では、依然として30型台が3割後半を占めており、両者の違いが画面サイズにも現われている。
次に、4K/8K対応の40型台と50型台のそれぞれの平均単価を比較してみた(図2)。16年11月時点で50型台の単価は17万6000円、40型台のそれは12万8000円で、両者の差は4万8000円であった。ところが、この11月では14万5000円、11万4000円と、1年で差は3万1000円に縮まっている。17年に入ってから40型台の単価は緩やかに上昇傾向にあるのに対して、50型台は単価を下げる傾向にあることが、差が縮まる要因となった。この背景には、台頭しはじめた有機ELテレビの存在がある。現在、テレビ市場全体に占める有機ELの台数比率は3%にも満たないが、いずれ液晶と競合、世代交代を巻き起こす可能性を秘めている、との見方が一般的だ。その有機ELの現時点での画面サイズは、4K/8K対応とほぼ同様の50型以上であることを考えれば、4K/8K対応は有機ELとの差異化を図るためにも、割安感を打ち出す必要に迫られている。
いずれにしても4K/8K対応の単価は、液晶内での競合の強まりと、次世代を担う可能性を秘める有機ELの台頭によって、価格を下げざるを得ない状況を迎えることになりそうだ。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。