近年、インターネット通販の利用者が増加した影響で、宅配業者の人手不足や長時間労働が問題となっている。各宅配業者とも対策に乗り出しており、配達時間や配達による手数料等の見直しを進めているほどだ。そこで株式会社BCNは、株式会社コロプラが提供するスマートアンサーと共同で、20代~50代の男女1126名を対象に、宅配便に関する調査を5月2日に行った。その結果、一般消費者の宅配便利用事情や、問題視されている再配達への意識が明らかとなった。
まず、宅配便を利用する用途を聞いたところ、「インターネット通販での買い物」が最も多く、利用率は85.1%となった(図1)。次いで「荷物の発送」(60.9%)、「カタログ通販での買い物」(21.9%)が上位を占めており、インターネット通販が宅配便の利用増に最も影響していることが分かる。また、総務省が実施した2015年の調査によると、ネットショッピングを利用した世帯の割合は、02年から15年にかけて、5.2倍にまで増加。これから分かるように、引き続きこういった状況が続くならば、宅配業者の負担は増すばかりである。
宅配業者の負担増となっているのが再配達だ。何度も同じ場所へ行かなければならず、時間の拘束やガソリンなどの必要経費も少なくない。ただし、荷物を受け取るには無くてはならないサービスとされているようで、再配達を利用したことがある人は1054人中922人だった。再配達の必要性では、「とても必要だと思う」と「少し必要だと思う」という回答の合計が89.9%と、ほぼ9割が必要だと考えている。
最近では、その必要不可欠である再配達を有料化する対策案も、宅配業者から出ている。そこで、再配達による手数料が発生する場合、どの程度の料金が許容範囲かを質問(図2)。やむを得ず再配達を依頼するケースもあるためか、52.2%が「1円も支払いたくない」と回答し、半数以上が再配達を依頼する際に、料金を支払う意思がないことが分かった。支払い意思がある人でも、「1~100円まで」の低額が高い割合を占めており、仮に再配達を有料化しても、高い料金設定は利用者の減少に繋がる恐れがあることを示している。
再配達を有料化するほかに、荷物の受け取り方法が多様化することで負担軽減を目指す動きもあるが、現状では「自宅で直接」受け取る人が9割以上となっている(図3)。これに合わせて、今後希望する受け取り方法を聞いたところ、「コンビニ受け取り」(33.5%)や「自宅・マンション内の宅配ボックス」(22.8%)など、再配達を必要としない方法が支持されつつある一方、今後の受け取り方法としても「自宅で直接」が88.1%で、圧倒的に比率が高い。
ただし、実際に再配達が有料になった場合、手数料の発生しない、コンビニや宅配ボックスでの受け取りに対するニーズが増える可能性もある。自宅での受け取りがあたりまえとなっている一方で、宅配業者の人手不足や長時間労働などの問題が発生している今、利用者としても社会の現状に合わせたサービス利用を考えたほうがよいのかもしれない。
株式会社BCN
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Mail:dataservice@bcn.co.jp
まず、宅配便を利用する用途を聞いたところ、「インターネット通販での買い物」が最も多く、利用率は85.1%となった(図1)。次いで「荷物の発送」(60.9%)、「カタログ通販での買い物」(21.9%)が上位を占めており、インターネット通販が宅配便の利用増に最も影響していることが分かる。また、総務省が実施した2015年の調査によると、ネットショッピングを利用した世帯の割合は、02年から15年にかけて、5.2倍にまで増加。これから分かるように、引き続きこういった状況が続くならば、宅配業者の負担は増すばかりである。
宅配業者の負担増となっているのが再配達だ。何度も同じ場所へ行かなければならず、時間の拘束やガソリンなどの必要経費も少なくない。ただし、荷物を受け取るには無くてはならないサービスとされているようで、再配達を利用したことがある人は1054人中922人だった。再配達の必要性では、「とても必要だと思う」と「少し必要だと思う」という回答の合計が89.9%と、ほぼ9割が必要だと考えている。
最近では、その必要不可欠である再配達を有料化する対策案も、宅配業者から出ている。そこで、再配達による手数料が発生する場合、どの程度の料金が許容範囲かを質問(図2)。やむを得ず再配達を依頼するケースもあるためか、52.2%が「1円も支払いたくない」と回答し、半数以上が再配達を依頼する際に、料金を支払う意思がないことが分かった。支払い意思がある人でも、「1~100円まで」の低額が高い割合を占めており、仮に再配達を有料化しても、高い料金設定は利用者の減少に繋がる恐れがあることを示している。
再配達を有料化するほかに、荷物の受け取り方法が多様化することで負担軽減を目指す動きもあるが、現状では「自宅で直接」受け取る人が9割以上となっている(図3)。これに合わせて、今後希望する受け取り方法を聞いたところ、「コンビニ受け取り」(33.5%)や「自宅・マンション内の宅配ボックス」(22.8%)など、再配達を必要としない方法が支持されつつある一方、今後の受け取り方法としても「自宅で直接」が88.1%で、圧倒的に比率が高い。
ただし、実際に再配達が有料になった場合、手数料の発生しない、コンビニや宅配ボックスでの受け取りに対するニーズが増える可能性もある。自宅での受け取りがあたりまえとなっている一方で、宅配業者の人手不足や長時間労働などの問題が発生している今、利用者としても社会の現状に合わせたサービス利用を考えたほうがよいのかもしれない。
上記リサーチに関する詳細、お問い合わせはこちら
【BCN調査レポート】宅配便の利用に関する調査https://www.bcnretail.com/research/detail/20170515_43064.html
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