携帯電話市場、ワンセグチューナー搭載比率は4割下回る
テレビを持たずワンセグチューナーを搭載した携帯電話を所有している世帯とNHKとの放送受信契約義務の必要性が問われている問題で、8月末にさいたま地裁が下した判断は「契約義務なし」だった。その後の総務大臣のコメントやNHKの控訴手続きなどで、この騒動の行方について注目度が増している。
そこで、BCNランキングデータからフィーチャーフォンとスマートフォンをあわせた携帯電話全体の市場規模と、ワンセグチューナーを搭載している機種の販売台数比率を算出したところ、搭載率は2014年9月以降低下が顕著で、ここ1年は4割を下回る水準にあることが分かった。
2013年8月の販売台数を「100.0」として、16年8月までの携帯電話全体の販売台数指数推移のチャートを作成したところ、年間の需要期は3月であることが分かる(図1)。ここ3年間で3月の販売台数指数を比較すると、需要期に加えて消費増税前の駆け込み特需が重なった14年は「201.0」に達したが、15年は「166.0」、そして16年は「135.5」と年々、勢いが鈍っていることを示している。いずれの年も、翌4月は反動減に見舞われており、指数の落ち込みは激しい。これ以外で目につくのは、16年1月の指数「140.2」。これは「ゼロ円販売」が終了するのではないかという噂で需要が高まったことが原因だが、「ゼロ円販売」は、その後3月頃まで継続して行われていた。
フィーチャーフォンとスマートフォンに分けて、3年間のワンセグチューナー搭載機種の販売台数比率を図2に示した。14年夏モデルの販売後にあたる同年5-8月頃までは、台数比率は6割弱を占めていたが、年を追うごとに比率は低下。16年に入ると4割を下回る水準でほぼ横ばいとなった。ワンセグチューナーを搭載した機種を展開しているメーカーは、ソニーモバイルコミュニケーションズやシャープ、富士通、京セラ、パナソニックと日本メーカーが大半を占めている。ガラパゴスケータイと揶揄されていた時代の名残で、現在も標準搭載している。
今後、ワンセグチューナーを搭載した携帯電話でも契約義務が発生し、世帯での受信契約がない場合、NHKの受信料支払いが必要であるという判決が下されると、消費者は搭載機種への買い替えを敬遠する可能性が高い。「ゼロ円販売」によって縮小した市場がさらに冷え込ないようにするため、メーカー側はチューナー非搭載へとシフトするだろう。
そこで、BCNランキングデータからフィーチャーフォンとスマートフォンをあわせた携帯電話全体の市場規模と、ワンセグチューナーを搭載している機種の販売台数比率を算出したところ、搭載率は2014年9月以降低下が顕著で、ここ1年は4割を下回る水準にあることが分かった。
2013年8月の販売台数を「100.0」として、16年8月までの携帯電話全体の販売台数指数推移のチャートを作成したところ、年間の需要期は3月であることが分かる(図1)。ここ3年間で3月の販売台数指数を比較すると、需要期に加えて消費増税前の駆け込み特需が重なった14年は「201.0」に達したが、15年は「166.0」、そして16年は「135.5」と年々、勢いが鈍っていることを示している。いずれの年も、翌4月は反動減に見舞われており、指数の落ち込みは激しい。これ以外で目につくのは、16年1月の指数「140.2」。これは「ゼロ円販売」が終了するのではないかという噂で需要が高まったことが原因だが、「ゼロ円販売」は、その後3月頃まで継続して行われていた。
フィーチャーフォンとスマートフォンに分けて、3年間のワンセグチューナー搭載機種の販売台数比率を図2に示した。14年夏モデルの販売後にあたる同年5-8月頃までは、台数比率は6割弱を占めていたが、年を追うごとに比率は低下。16年に入ると4割を下回る水準でほぼ横ばいとなった。ワンセグチューナーを搭載した機種を展開しているメーカーは、ソニーモバイルコミュニケーションズやシャープ、富士通、京セラ、パナソニックと日本メーカーが大半を占めている。ガラパゴスケータイと揶揄されていた時代の名残で、現在も標準搭載している。
今後、ワンセグチューナーを搭載した携帯電話でも契約義務が発生し、世帯での受信契約がない場合、NHKの受信料支払いが必要であるという判決が下されると、消費者は搭載機種への買い替えを敬遠する可能性が高い。「ゼロ円販売」によって縮小した市場がさらに冷え込ないようにするため、メーカー側はチューナー非搭載へとシフトするだろう。