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子どもが外で遊びたくなる魔法のシューズ!バンダイの「DIGICALIZED」を試して分かった楽しさの秘密

レビュー

2025/01/11 17:00

 デジタルネイティブと呼ばれる最近の子どもたちにとって、スマートフォンやタブレットはごく身近な存在だ。物心がつくころには親も驚くようなスピードでデバイスを使いこなす。一方で、ずっとデジタルコンテンツにかぶりつきで、なかなか外に出て遊んでくれないというのは、小さい子どもを育てている親にとって共通の悩みかもしれない。そんな親の悩みを解決してくれる、バンダイが販売する魔法のスマートシューズ「DIGICALIZED(デジカライズ)」を試してみた。

バンダイのスマートシューズ「DIGICALIZED(デジカライズ)」。
センサーユニットとアプリが連携して、体感ゲームを楽しめる

コロナ禍の子どもの運動不足を解消したい想いから開発

 なかなか外に出て遊んでくれない子どもを、強引に外で遊ぶように促しても、毎度のように渋る子どもを説得するのは大変だ。どうにか自発的に外で楽しく遊んでくれないものか――。

 今回はそんな親のリクエストに応えるユニークかつハイテクな玩具を紹介したい。それが玩具を知り尽くしたバンダイが販売するスマートシューズ「DIGICALIZED(デジカライズ)」だ。全国のASBeeやGreenboxで販売している。
 
「DIGICALIZED」 チャイルドモデルのDhookモデル
(面ファスナータイプ)

 DIGICALIZEDが生まれたのは2023年7月。きっかけは、コロナ禍による外遊びの減少だ。長く続いた巣ごもりの影響で、多くの親から子どもの運動不足を懸念する声が挙がっていた。

 そこでバンダイが開発を進めたのが、デジタルの遊びを外に持ち出し、体を動かすことが楽しくなるスマートシューズだ。

 実は同社は19年11月に「UNLIMITIV(アンリミティブ)」というスマートシューズのシリーズを展開しており、DIGICALIZEDの開発の土台はすでにあった。

 ただUNLIMITIVは歩行や走行のデータを記録したり、いくつかのトレーニングができたりするもので、遊びよりも運動能力の向上に重点を置いていた。
 
DIGICALIZED の土台となった19年11月に発売したスマートシューズ
「UNLIMITIV(アンリミティブ)」

 DIGICALIZEDはUNLIMITIVをベースにしながらもエンタメ性を強化。より幅広いユーザーが楽しみながら運動できるシューズづくりを目指した。具体的に、シューズの中に装着する加速度センサーによりリアルタイムで足の動きを正確に解析・判定できるようにし、スマホのゲームアプリと連動するようにした。

 アプリは東京大学の深代千之・名誉教授監修のもと、高い没入感と運動習慣の定着を促せるハイクオリティなコンテンツを開発した。
 

豊富なデザインとサイズを用意、親子でお揃いを購入するケースも

 DIGICALIZEDは、シューズ・センサーユニット・アプリで構成される。センサーユニットは右側のシューズの底のスペースに収められるようになっている。アプリはiOS/Android対応で無料だ。

 連携はとても簡単で、センサーを収めた右側のシューズで左側のシューズの側面を3回タップすればBluetoothでアプリと接続する設計。楽しみながら簡単に設定できるのが、子どもの遊び心をくすぐる。
 
専用のセンサーユニットは別売。価格は3300円
 
センサーユニットは右側のシューズの底のスペースに収める

 シューズのデザインも豊富だ。ジュニア用で5種類のデザイン(全15色)を用意。サイズも19.0~25.0cmと幅広い(サイズのラインアップはデザインにより異なる)。

 24年2月には未就学児向けのチャイルドモデル(16.0~20.0cm)も新たに発売。アッパーの履き口を大きくしたり、歩いても疲れにくい軽量ソールを採用したりするなど工夫を凝らしている。
 
シューズは多彩なデザインを用意。価格は4950~5390円

 商品開発を担当したライフスタイル事業部・アパレルチーム兼事業管理チームの岡崚央さんによると「靴ということもあり、普段履きもできるシンプルなデザインが人気。サイズの幅もあるので、お子様とお揃いで購入して一緒に遊ぶというお母さんもいる」とのことだった。
 
ライフスタイル事業部・アパレルチーム兼事業管理チームの岡崚央さん

大人も熱中!遊んでみて分かった考え抜かれた秀逸なコンテンツ

 アプリのコンテンツは「ソールワールド」という舞台で展開する。日常生活の歩数に応じて、「ソール」と呼ばれる精霊が現れ、パズルゲームをクリアすることで仲間にできる。仲間にしたソールはゲームの中で一緒に遊べる。
 
ゲームの世界観もよく練られている。
アバターをカスタマイズでき、グラフィックもハイクオリティ!

 コンテンツはパルクールやダンスなどの運動をすることでストーリーが展開する「クエストモード」と、体感ミニゲームを遊べる「オソトプラクティス」を収録。また、チャイルドモデルの発売に合わせて、未就学児向けの「チャイルドメニュー」も追加された。

 どんな風に遊べて、何が楽しいのか。実際に体験の機会をもらえたので、筆者の正直な感想をレポートしたい。

 まず最初に体験したのは、親や友達と一緒に楽しめる「オソトプラクティス」。ゲームは「だるまさんがころんだ」「ハイパーボード」「リズムジャム」「ダッシュラン」「スキップロープ」の5種類ある。例えば、だるまさんがころんだならタイミング、ダッシュランならスピードというように求められるスキルがバランスよく分かれている。
 
オソトプラクティスでは5種類のゲームが選択できる

 今回は「体験会などで人気が高い」というダッシュランにチャレンジしてみた。その場で足踏みをしてゴールまでの時間を競うシンプルなゲームだ。

 ユニークなのは、最初はその場で素早く足踏みし、ある程度までスピードゲージが上がったら、もも上げに移行する2ステップに分かれている点だ。複数の動きが組み合わさることで、足のさまざまな部位が鍛えられそうだ。
 
体験会などで人気が高い「ダッシュラン」に挑戦。
動画のガイダンスもあるので、子どもでも直観的にルールを理解できる

 筆者用に準備してもらった大人サイズのシューズを履いて、いざチャレンジ!ちなみに筆者は日頃からあまり運動しておらず、最後に全力疾走したのはいつか思い出せない。ももを上げるのにも若干の緊張が走る。

 スマホの画面を見つめ、スタートの合図とともにその場で足踏みを開始。自分の動きと連動して、画面の中のキャラクターがゴールを目指してしっかりと前に進んでいるのが確認できた。

 ゲージが貯まったので、次にもも上げに移行。今回はCPとの対戦だったが、相手の進捗状況も表示されるので、「負けるものか」とつい力が入る。

 1回目の挑戦は、13秒でゴール。辛うじて対戦相手には勝利できたが、岡さんによると「10秒を切ると好タイム」とのことだったので、再度挑戦。

 先ほどはもも上げのタイミングがうまくつかめていなかったが、今度は反省を生かしてスムーズに移行できた。「こんな短い時間でも、もも上げを続けるのってキツいな…」など考えながらゴール。今度はなんとか10秒台を出せた。
 
ゲームをプレイする筆者の姿。
周りの目も気にならないほど熱中できる

 筆者の運動不足もあるが、短い時間の中でなかなかの運動量とゲームの楽しさが詰まっていた。良いスコアを出すために無意識により良いフォームで走ろうとするので、子どもの歩行や走行にとってもプラスになるだろう。

 シンプルながらスコアや対戦相手の存在が、大人でも「もう1ゲーム!」と熱中する面白さにつながっていると感じた。

 続いて、ストーリーに沿ってミッションをこなしていくクエストも体験した。こちらはパルクールやダンスがベースで、その場でポーズを決めたり、指示された動きをしたりしてポイントを獲得し、一定のスコアでミッションコンプリートとなる。

 対戦型ではないので余裕をもってプレイできるかと思ったが、タイミングに合わせて指示された動きをするのは意外と難しい。オソトプラクティスより複雑な動きも多いので、遊びごたえは十分にある。

 クエストは初級・中級・上級に分かれており、岡さんいわく「上級をクリアできるのは相当ダンスなどが上手な子」とのこと。遊んでいるうちに自然とダンススキルも磨かれそうだ。
 
クエストモードは遊びごたえ十分!大人の方が苦戦しそう…

 よく考え抜かれたコンテンツの設計と合わせて筆者が驚いたのはセンサーの精度だ。例えば、ダンスのクエストなら右足を前に出して左足を下げて…といった複雑な動きが連続するが、ちゃんとセンサーが正しく認識していた。遊んでいる限りでは反応しなかったり、誤認識されたりはなかったので、子どもも細かなことを気にせずに遊びに没頭できるだろう。
 

DIGICALIZEDをきっかけに外遊びが定着するかも

 DIGICALIZEDの良いところはただ体を動かすのが楽しくなるだけでなく、デジタルとも連携しているのでファーストインプレッションで子どもの興味を惹きつけられること。

 子どもが「面白そう!」と思って外に飛び出せば、親にとっては万々歳。継続を促す要素も多いので、自然と子どもが外遊びをするきっかけになるだろう。

 一人ではなく家族や友達と競い合える点も良い。コミュニケーションが活発になったり、子どもの得意な領域に気づけたりと、いろいろな相乗効果が期待できる。もし筆者のように運動不足な親御さんがいれば、「一緒にやってみない?」とこちらから子どもを誘ってみるのもありだろう。(フリーライター・小倉 笑助)

■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中
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