アドヴィックスのチーム「HELIOS」が2連覇達成──ETロボコン2024
組込みシステム技術協会は11月21日、ETロボコン2024チャンピオンシップ大会を、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催した。競技と審査の結果、プライマリークラスの競技部門で優勝したのは、東海地区代表 愛三工業のチーム「AISAN PRIDE」。アドバンストクラスの総合部門では、東海地区代表 アドヴィックスのチーム「HELIOS」が昨年に続いて優勝し、2連覇を達成した。
プライマリークラスで62.6ポイントを獲得して優勝したAISAN PRIDは、競技前に「地方大会ではゴールまで行けなかった」とコメント。第1ラウンドで係員のミスによって、走行体が競技開始前に走り出してしまうというハプニングにも遭遇したが、見事に高速でタスクをこなし走り切った。準優勝のシステナ 大阪支社 ロボット制御WGのチーム「てなろぼ★ぷらいまりぃ」は62.4ポイント。わずか0.2ポイント差で優勝を逃した。
アドバンストクラスの総合部門で優勝したチーム「HELIOS」は、競技部門でも優勝。さらにモデル(制御ソフトの設計図)の評価も高く、IPA賞、TOPPERS賞も獲得し4冠に輝いた。競技前のインタビューで「優勝します」と高らかに宣言したHELIOS。第1ラウンド、第2ラウンドと、いずれも全てのタスクをクリア。ゴールした後に、ロボットをギャラリーの方向に向けて止めるという小技も効かせる余裕まで見せた。結果、89.6ポイントと高得点を獲得し有言実行で優勝した。対戦相手になった九州産業大学 理工学部のチーム「Smart Slackers」は大健闘。特に第2ラウンドでは着実にタスクをこなしたが、僅差で強豪HELIOSに届かず、惜しくも準優勝に終わった。大会の最終戦がこの2チームの対戦だったこともあり、ハイレベルの戦いで会場は大いに盛り上がった。
最後に総評した、ETロボコン実行委員会の星光行 本部・実行委員長は「さすがチャンピオンシップ大会という、想像を超える走りをみせてくれた。感激した。ETロボコンはロボットの走りだけでなく、ソフトの設計図であるモデルも重視するのが特徴。優れた設計によって安定した走りが実現する。素晴らしい手本のような結果だった。毎回辛口のコメントをしているが、今回は本当に素晴らしかった」と絶賛した。
ETロボコンは、全チームがレゴの「エデュケーションSPIKE プライム」をベースに「Raspberry Pi 4」を搭載した2輪ロボット「HackSPi」を使って戦う。どのチームもハードウェアは同一であるため、組込みソフトの優劣で勝負が決まる。走行フィールドには設定コースに黒い線が引かれており、光センサーなどを駆使してその線を頼りにロボットを走行させ、決められたタスクをこなしつつポイント獲得を競う。
このところ、毎年パシフィコ横浜で開催されているETロボコンチャンピオンシップ大会。コロナ明けでリアル開催を復活させた前々回、前回ともに、併催イベント「Edge Tech+」の展示ホール内に設けた特設会場で開催していた。大勢の来場者が訪れる展示ホールでは、無数のWi-FiやBluetoothの電波が飛び交い、照明も特殊なLEDが使用されている。無線や光でコントロールするロボットへの影響は大きく、過去2回の大会では想定通りの動きができないロボットが続出した。しかし今回は、会場を展示ホールとは別棟のアネックスホールに移したことで、開催環境が改善。対戦の質が大幅に向上した。(BCN・道越一郎)
プライマリークラスで62.6ポイントを獲得して優勝したAISAN PRIDは、競技前に「地方大会ではゴールまで行けなかった」とコメント。第1ラウンドで係員のミスによって、走行体が競技開始前に走り出してしまうというハプニングにも遭遇したが、見事に高速でタスクをこなし走り切った。準優勝のシステナ 大阪支社 ロボット制御WGのチーム「てなろぼ★ぷらいまりぃ」は62.4ポイント。わずか0.2ポイント差で優勝を逃した。
アドバンストクラスの総合部門で優勝したチーム「HELIOS」は、競技部門でも優勝。さらにモデル(制御ソフトの設計図)の評価も高く、IPA賞、TOPPERS賞も獲得し4冠に輝いた。競技前のインタビューで「優勝します」と高らかに宣言したHELIOS。第1ラウンド、第2ラウンドと、いずれも全てのタスクをクリア。ゴールした後に、ロボットをギャラリーの方向に向けて止めるという小技も効かせる余裕まで見せた。結果、89.6ポイントと高得点を獲得し有言実行で優勝した。対戦相手になった九州産業大学 理工学部のチーム「Smart Slackers」は大健闘。特に第2ラウンドでは着実にタスクをこなしたが、僅差で強豪HELIOSに届かず、惜しくも準優勝に終わった。大会の最終戦がこの2チームの対戦だったこともあり、ハイレベルの戦いで会場は大いに盛り上がった。
最後に総評した、ETロボコン実行委員会の星光行 本部・実行委員長は「さすがチャンピオンシップ大会という、想像を超える走りをみせてくれた。感激した。ETロボコンはロボットの走りだけでなく、ソフトの設計図であるモデルも重視するのが特徴。優れた設計によって安定した走りが実現する。素晴らしい手本のような結果だった。毎回辛口のコメントをしているが、今回は本当に素晴らしかった」と絶賛した。
ETロボコンは、全チームがレゴの「エデュケーションSPIKE プライム」をベースに「Raspberry Pi 4」を搭載した2輪ロボット「HackSPi」を使って戦う。どのチームもハードウェアは同一であるため、組込みソフトの優劣で勝負が決まる。走行フィールドには設定コースに黒い線が引かれており、光センサーなどを駆使してその線を頼りにロボットを走行させ、決められたタスクをこなしつつポイント獲得を競う。
このところ、毎年パシフィコ横浜で開催されているETロボコンチャンピオンシップ大会。コロナ明けでリアル開催を復活させた前々回、前回ともに、併催イベント「Edge Tech+」の展示ホール内に設けた特設会場で開催していた。大勢の来場者が訪れる展示ホールでは、無数のWi-FiやBluetoothの電波が飛び交い、照明も特殊なLEDが使用されている。無線や光でコントロールするロボットへの影響は大きく、過去2回の大会では想定通りの動きができないロボットが続出した。しかし今回は、会場を展示ホールとは別棟のアネックスホールに移したことで、開催環境が改善。対戦の質が大幅に向上した。(BCN・道越一郎)