1万円台でも独自性が光る!音も機能もユニークな「Xiaomi Buds 5」を本音レビュー
コスパにすぐれたスマートフォンとして日本でも支持が拡大しているXiaomi(シャオミ)。実はその他のカテゴリーでも多くの製品群を展開しており、いずれもスマホに負けず劣らずのコスパを誇っている。今回はそのうちの一つである完全ワイヤレスイヤホンカテゴリーから新製品「Xiaomi Buds 5」にフォーカスを当てて、魅力を紹介していく。
完全ワイヤレスイヤホン市場はアップルのAirPodsシリーズをはじめ、高価格帯製品のシェアが高い特殊な構造をしているが、近年は1万円台のモデルも品質が高くなり、コスパ重視派の選択肢も増えた。紹介するXiaomi Buds 5は音の品質に加えて、機能も充実しており、かなりユニークなモデルといえる。
コンパクトなサイズ感も特筆すべき点だ。丸みを帯びた正方形に近いフォルムで手のひらにすっぽりと収まるほど小さい。実物を手にとってみると、薄さもなかなかのもの。カバンだけでなくポケットに入れても存在を忘れそうだ。
イヤホン本体はケース同様にメタリック基調の優美なデザインを採用している。インナーイヤー型で形状は人間工学に基づき設計されており、耳の入口にそっと置いただけでしっかりとホールドされる感覚。圧迫感があまりない快適なフィット感も人によっては評価のポイントになるだろう。
音源の操作は本体のステム部分をつまんで行う。完全ワイヤレスイヤホンはタップなどでコントロールするものが多いため、つまむというアクションは新鮮だった。つまむ力は意外と強さが求められるが、その分、誤動作は少なそう。センサがフィードバックを返してくれるので、ちゃんと操作できているという安心感もある。
実際に聴いてみると、インナーイヤー型としてはかなり強めの低音を響かせた。カナル型ではないので体にダイレクトに伝わるようなパワーはないが、長時間のリスニングにおいては、こちらの方が疲れにくいだろう。
1万円台のモデルながら、16ビット/44.1kHz HDロスレスオーディオや低伝送損失のQualcomm aptX Losslessオーディオエンコーディングをサポートしている。ハイレベルなオーディオ環境で十分に力を発揮できるのも、こだわりを感じさせるポイントだ。
購入時のチェック項目として重要度が増しているノイズキャンセリング機能にも対応。専用アプリ「Xiaomi Earbuds」からON/OFFだけでなくタイプ(バランス/ディープ)の切り替えもできるので、好みに合わせて選択するとよさそうだ。
ノイキャンの性能自体はインナーイヤー型ということもあり、遮音性はそこまで高くない印象。特に高音に対してやや打消しが甘いように感じた。例えば、キーボードの打鍵音などは通常よりカチャカチャして若干の不快感があった。ノイキャン性能に重きを置く人であれば、過度な期待はしない方がよいかもしれない。
Xiaomi Buds 5は内蔵センサで頭部の位置をトラッキングし、正確な定位感とリアルな音の広がりを実現。包み込まれるような臨場感を生み出してくれる。また「イマーシブサウンド」というモードも用意しており、これをONにするとさらに音が広がる。その心地よさはライブさながらで、本機において筆者がもっとも気に入ったポイントだった。
また非常にユニークなのが、録音機能だ。本体あるいはアプリから操作でき、周囲とデバイスの音声のいずれかを選ぶことも可能。通話を瞬時に録音するなど、ビジネスシーンで活躍しそうだ。これまでの完全ワイヤレスイヤホンにはないXiaomi Buds 5ならではのユニークポイントとしてぜひ覚えておいてほしい。
完全ワイヤレスイヤホンは音やデザインを基準に選ぶ人が多いと思うが、最近のモデルは+αの機能がかなり充実してきており、そのあたりも考慮して購入するモデルをチョイスすべきだろう。
今回紹介したXiaomi Buds 5は好例で、音を楽しむバリエーションの多さやさまざまなシチュエーションを想定した独自の機能を知らずに候補から外すのは惜しいと感じた。(フリーライター・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中
コスパ重視派の選択肢が増える
Xiaomi Buds 5は10月10日に発売し、公式オンラインストア価格は1万1480円。同社の完全ワイヤレスイヤホンは安いもので1000円台、高いもので2万円台後半の価格なので、レンジとしてはミドルクラスにあたる。完全ワイヤレスイヤホン市場はアップルのAirPodsシリーズをはじめ、高価格帯製品のシェアが高い特殊な構造をしているが、近年は1万円台のモデルも品質が高くなり、コスパ重視派の選択肢も増えた。紹介するXiaomi Buds 5は音の品質に加えて、機能も充実しており、かなりユニークなモデルといえる。
メタリックなデザインが映えるコンパクトデザイン
まずはXiaomi Buds 5のケースのデザインから説明していこう。印象的なのは上質感が際立つメタリックな素材だ。レビューに使用したグラファイトブラックは光沢とマットコーティングのツートンカラーで構成されている。このほか、カラーはセラミックホワイトとチタングレーの2色があり、カラバリの豊富さも魅力といえる。コンパクトなサイズ感も特筆すべき点だ。丸みを帯びた正方形に近いフォルムで手のひらにすっぽりと収まるほど小さい。実物を手にとってみると、薄さもなかなかのもの。カバンだけでなくポケットに入れても存在を忘れそうだ。
イヤホン本体はケース同様にメタリック基調の優美なデザインを採用している。インナーイヤー型で形状は人間工学に基づき設計されており、耳の入口にそっと置いただけでしっかりとホールドされる感覚。圧迫感があまりない快適なフィット感も人によっては評価のポイントになるだろう。
音源の操作は本体のステム部分をつまんで行う。完全ワイヤレスイヤホンはタップなどでコントロールするものが多いため、つまむというアクションは新鮮だった。つまむ力は意外と強さが求められるが、その分、誤動作は少なそう。センサがフィードバックを返してくれるので、ちゃんと操作できているという安心感もある。
インナーイヤーながら重低音はしっかり、ノイキャンは価格相応か
次は音質について触れていきたい。Xiaomi Buds 5は11mmのデュアルマグネット型ダイナミックドライバーを搭載しており、ハイレゾ音源の再生にも対応している。実際に聴いてみると、インナーイヤー型としてはかなり強めの低音を響かせた。カナル型ではないので体にダイレクトに伝わるようなパワーはないが、長時間のリスニングにおいては、こちらの方が疲れにくいだろう。
1万円台のモデルながら、16ビット/44.1kHz HDロスレスオーディオや低伝送損失のQualcomm aptX Losslessオーディオエンコーディングをサポートしている。ハイレベルなオーディオ環境で十分に力を発揮できるのも、こだわりを感じさせるポイントだ。
購入時のチェック項目として重要度が増しているノイズキャンセリング機能にも対応。専用アプリ「Xiaomi Earbuds」からON/OFFだけでなくタイプ(バランス/ディープ)の切り替えもできるので、好みに合わせて選択するとよさそうだ。
ノイキャンの性能自体はインナーイヤー型ということもあり、遮音性はそこまで高くない印象。特に高音に対してやや打消しが甘いように感じた。例えば、キーボードの打鍵音などは通常よりカチャカチャして若干の不快感があった。ノイキャン性能に重きを置く人であれば、過度な期待はしない方がよいかもしれない。
臨場感がくせになる「3Dオーディオ機能」がイチオシ!
アプリでノイキャンやEQなどをカスタマイズできるのも魅力で、その中で特にイチオシなのが「3Dオーディオ機能」だ。ハイエンドモデルなどで対応するものが増えているが、1万円台でこの新しいオーディオ体験を高品質で味わえるのは、本モデルを購入するなら押さえておきたいポイントといえる。Xiaomi Buds 5は内蔵センサで頭部の位置をトラッキングし、正確な定位感とリアルな音の広がりを実現。包み込まれるような臨場感を生み出してくれる。また「イマーシブサウンド」というモードも用意しており、これをONにするとさらに音が広がる。その心地よさはライブさながらで、本機において筆者がもっとも気に入ったポイントだった。
テレワークでも活躍!通話を「瞬時に録音」できる独自機能
最近は完全ワイヤレスイヤホンをビデオ会議や電話で活用するシーンも多いだろう。Xiaomi Buds 5はそうしたニーズに応える性能と機能を搭載している。まず、ハードウェアにおいては三つのマイクを本体に内蔵。AIノイズリダクションアルゴリズムと連動し、通話中の周囲の雑音を取り除いてくれる。AIノイズリダクションは秒速12mの風にも対応するので、屋外でも安心だ。また非常にユニークなのが、録音機能だ。本体あるいはアプリから操作でき、周囲とデバイスの音声のいずれかを選ぶことも可能。通話を瞬時に録音するなど、ビジネスシーンで活躍しそうだ。これまでの完全ワイヤレスイヤホンにはないXiaomi Buds 5ならではのユニークポイントとしてぜひ覚えておいてほしい。
完全ワイヤレスイヤホンは音やデザインを基準に選ぶ人が多いと思うが、最近のモデルは+αの機能がかなり充実してきており、そのあたりも考慮して購入するモデルをチョイスすべきだろう。
今回紹介したXiaomi Buds 5は好例で、音を楽しむバリエーションの多さやさまざまなシチュエーションを想定した独自の機能を知らずに候補から外すのは惜しいと感じた。(フリーライター・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中