NTTソノリティが耳をふさがないオープンイヤー型ヘッドホンのフラグシップモデル「nwm ONE」を発売
耳のすぐ近くに高音質スピーカーがあるから耳スピ
発表会の後でnwm ONEを試す機会があったので、その体験した感想を記す。まずは装着感だ。一般的なオーバーヘッド型ヘッドホンと比べると重さは約185gと軽く、耳全体をふさいでないこともあり、圧迫感や重量感は全く感じない。また、装着しても周囲の音は普通に聞こえてくる。耳の周囲と接するイヤーパッドは前述のとおり、シリコーンゴム製。イヤーパッドの円周部分だけが当たるので開放感があり、蒸れたりすることはないだろう。
音楽を再生すると、その音質や音場に驚かされた。ツイーターとウーファーの2wayドライブ搭載の効果により、音楽がキレのある高音域と濁りや歪みのない低音域で再生された。低音から高音までクリアな音で再現されながらも一体感があり、まとまりがある。
ダイレクトに音が耳に入ってくるカナル型イヤホンや密閉型ヘッドホンとは全く聞こえ方が異なる。耳のすぐ近くに高音質のスピーカーを置いて聴くようなイメージだ。しかも密閉空間で音を鳴らしていないので、音の広がりも感じられる。
スピーカーで音楽を聴く場合、スピーカーと耳とは当然、距離がある。その距離ゆえに周囲の音も音楽に混ざって耳に届く。また、高音域に比べて低音域は音が拡散し、スピーカーから離れるとボヤケた音になりがちだ。nwm ONEはこのような音の拡散やボケがなく、音はあくまでクリアだ。
音質にこだわる人は置く高さや左右のバランスも考えてスピーカーを配置する。nwm ONEは耳のすぐそばにスピーカーがあるため、高さもバランスも常に最適な状態だ。同社の耳スピというネーミングの確かさは、実際に音を聞けば納得できるだろう。
ちなみに音楽を聴いているときは周囲の音もしっかり聞こえ、音楽を聴きながら会話もできる。外音と聞こえている音楽は混じらず、別物と認識できる。表現は難しいが、音楽の周りに外音があるという感覚で、同社の提唱する音の共存が実感できた。
試しにヘッドバンドを頭から外してみたが、音楽を再生しているにも関わらず音は聞こえない。スピーカー部に耳を近づけると、かすかに音楽が聞こえる程度。普通であれば気になる音漏れについて、これならば全く気にしなくてもよいレベルだ。
同社ではnwm ONEを圧倒的な開放感が生む、新時代のサウンド体験とうたい、UNMUTE THE WORLD・今こそ、ミュートを解こう。をキャッチコピーにしている。実際に体験すると、これらのコピーが実によく分かる。
グローバル展開も視野に入れて開発されたNTTソノリティのnwm ONE。リスニング体験ができるのであれば、ぜひ試してほしい。これまでのイヤホンやヘッドホンとは全く異なる音の体験ができること間違いなしだ。