TVS REGZA、高音質がさらに進化した有機ELとMini LEDのフラッグシップモデルを発表

 BCNランキングによると、2024年1~5月までの液晶テレビと有機ELテレビを合わせた薄型テレビ市場全体で、TVS REGZAのシェアは25%超を占めて首位となった。液晶テレビ(4K以上)でも2位のシャープに7ポイント近い差をつけた。しかし、有機ELテレビではシャープに次ぐ2位となっており、首位のシャープとの差をどれだけ詰められるか、または首位を獲るのか。今回、TVS REGZAが発表したフラッグシップモデルがカギを握っていると言えそうだ。

今回発表の2モデル
(左から)「X9900N」「Z970N」

高画質を実現するパネルを搭載

 TVS REGZAは、4K有機ELレグザ「X9900N」、4K Mini LED液晶レグザ「Z970N」の2シリーズを発表。いずれもフラッグシップモデルとして位置付けている。同時に「E350M」シリーズの75V型の追加発売も発表となった。]
 
X9900Nに搭載される
マイクロレンズアレイ有機ELパネル

 X9900Nシリーズには、3層のアルミ層を搭載する新開発されたマイクロレンズアレイ有機ELパネルを採用。全体に熱を分散させる熱伝導アルミシート、効率的に放熱を促す熱伝導アルミプレート、さらに基盤に熱を伝えないための熱伝導アルミプレートを搭載。この3層のアルミプレートで効率的に放熱するハイブリッド高冷却システムにより、高輝度と高画質を実現する。
 
Z970Nに搭載される
高輝度Mini LED液晶パネル

 一方、Z970Nシリーズでは、新開発の高輝度Mini LED液晶パネルを採用することで、前モデルの1.3倍の高輝度を実現したほか、低反射ARコートと高視野角ワイドアングルシートにより、色鮮やかな高画質も実現している。
 
レグザエンジン ZRα

 こうしたパネルの採用に加え、X9900NシリーズではAIシーン高画質PRO機能によってシーン別の高画質を実現することで、立体感や臨場感が向上。Z970NシリーズにはMini LED高コントラストテクノロジーにより暗部と明部を別々にコントロールすることで、高コントラストを再現する。ほかにも「ネット動画ビューティーPRO」や「クラウドAI高画質テクノロジー」「おまかせAIピクチャーPRO」などの従来技術を引き継ぎ、新世代レグザエンジンZRαの性能を引き出している。
 

レグザイマーシブサウンド 360 PROが重低音立体音響を実現

X9900Nに搭載される
重低音立体音響システム XISのスピーカー群
 
Z970Nに搭載される
重低音立体音響システム ZISのスピーカー群

 X9900N、Z970Nシリーズとも、5.1.2チャンネルの音響システムを搭載。X9900は18個のスピーカーを180Wのマルチアンプで独立駆動する重低音立体音響システム XIS、またZ970Nは11個のスピーカーを122Wのマルチアンプで独立駆動する重低音立体音響システムZISを搭載している。「レグザイマーシブサウンド360 PRO」は、オーディオポストプロセッサーにより、チャンネルごとに最適な補正をすることで臨場感あふれるリアルな高音質を実現する。加えて、リモコンに搭載されたマイクを使い、テレビを設置した部屋の音の反響度合いを測定し、調整を行う「オーディオキャリブレーション PRO」によって、自動でより最適な設定が可能だ。
 

今まで同様、多彩な便利機能も搭載

 さまざまなネット動画を素早く起動できる「ダイレクトボタン」や「タイムシフトマシン」をはじめ、「番組こねくと」「みるコレ番組ガイド」「AirPlay 2&スクリーンミラーリング」などの従来機能も引き続き搭載している。
 

新製品の概要

新製品の概要

 今回発表となったX9900N、Z970Nシリーズはいずれも7月12日発売。前者は65V型と55V型、後者は75V型と65V型をそれぞれラインアップ。E350Mの75V型は6月24日発売で、価格はいずれもオープン。また、6月21日からは最大10万円のキャッシュバックキャンペーンも実施される。
 
キャッシュバックキャンペーン

 有機ELテレビ市場では、23年1~5月にかけて3割を超えていたソニーのシェアは1割台にまで低迷し、首位から5位に後退した。一方、シャープは23年9月以降、首位を堅持している。TVS REGZAはパナソニックと2位争いを展開しており、今回発表のX9900Nシリーズを軸にシェアをどれくらい伸ばすことができるかが、有機ELテレビ市場における年間首位獲得を左右することになりそうだ。
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