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念願の「YMO Remix」が誰でもカンタンに!~GIGA CAPSULEを使わなくてもスマホアプリ「djay」最新版でYMO音源を4トラックのパラでミックスダウン!~

レビュー

2024/03/21 18:05

 古くからのYMOマニアならご存じかと思いますが「YMO GIGA CAPSULE」というDVD-ROMがかつて存在しました。YMOの楽曲が7トラックのパラ(音源別)に収録されて、同梱のソフトウェアで自分の好みのRemixができるようになっていたのです。残念ながら、今のPCでは動作しない上に、すでに廃盤…だったのですが、djayというアプリを使うことで、4トラックながらも、音源をパラにして自分でRemixできるのです。

イラスト:水野賢司(オフィスキリコミック)

ドラム・ベース・ボーカル・その他に分離

 djayアプリではAIによって楽曲をドラム・ベース・ボーカル・HARMONIC(その他の音源)の4トラックに分離してくれます。

 残念ながらキーボードを各々の音色に分離させることはできず、ギターなども、HARMONICで1トラックになってしまいますが、それでも、高橋幸宏さんのドラムと、細野晴臣さんのベース、坂本龍一教授のキーボードをパラで楽しめるだけでも充分に楽しむことができます。
 
すでに廃盤となっているGIGA Capsule
 
iPhoneを横にすることで4トラック分離画面が出てくる。
djayアプリは横画面が推奨だ。
iPadを持っているならばiPadがベターだろう
 

まずは音源を確保!~step01~

 djayに音源を取り込むには二つの方法があります。djayはApple Musicのサブスク音源には対応していないため、他の方法で音源を用意する必要があります。

 一つはPCなどでCDをリッピングしたデータを使うこと。もう一つはiTunes Storeで購入することです。サブスク版は対応していませんが、iTunes Store購入版は対応しているので、この際に最新リマスター版などを購入してしまうのもオススメです。
 
1曲ごと購入できるので、
Remixしたい音源だけ購入することも可能だ
 

音源をダウンロードする~step02~

 djayはiPhoneにダウンロードされた音源しか対応していないので、ミュージックアプリで使いたい音源を前もってダウンロードさせておきます。
 
ミュージックアプリで楽曲をダウンロードさせておく
 

音源をdjayで読み込む~step03~

 djayアプリを立ち上げて、Tap to loadをタップします。読み込み元のソースをローカルミュージックにし、読み込みたい楽曲を検索して読み込ませます。
 
ローカルミュージックを選択する
 
虫眼鏡アイコンで読み込みたい楽曲を選択。
画面はLIMBOを検索して選択しているところ
 

読み込み完了!

 ここでiPhoneを横画面にすると、作業がグンとしやすくなります。
 
読み込みが完了したところ。
自動的にBPMも割り出してくれる
 

トラック別画面に!

 読み込み終わったら、画面左下のフェーダーのようなボタンを選択します。
 
このボタンでトラック別画面に移れる

 読み込むと下のような画面になるのですが、ここではドラムとハーモニックとボーカルの3トラックだけになっています。
 
最初は3トラック分離だけになっている

 NEURAL MIXという文字の横の下矢印を押すと4トラックに分離変更ができるので、ここで変更します。
 
これで4トラックに分離できる
 
ドラムとベースとハーモニックとボーカルに

 4トラックの画面になったら、好きなトラックを消したり、好きなトラックだけにすることができます!

 これで自分の好きなRemixもつくれますし、細野さんのベースだけを聞くということもできます。
 

キーの移調やBPMの変更も!

 djayではキーの変更やBPMの変更もできます。
 
元のキーはGだが画像のようにキーを変更することができる

 例えばアルバムServiceに収録されているLIMBOではキーを3度高く設定し、ボーカルだけ抜き出すことで…メインボーカルの「あの低い声」の、ほぼ元の細野さんの声を聞くことができます。

 djayでは最大4曲までの音源を同期(シンクロ)させてプレイできるので、例えば一つのトラックで3度移調したボーカルだけのトラックをつくり、もう一つのトラックを元のトラックにし、二つのトラックを切り替えることで、メインボーカルだけ元の細野さんの声にするLIMBOのRemixなどもつくることができてしまいます。

 声だけ消したり、抜き出したりできるので、YMOファンにオススメの手軽な遊び方としては、
 

増殖のThe end of ASIAの「日本はいい国だなぁ」がない版を聞いてみる

 残念ながら、喋ってるときに全体の音量が下がっているため、ちょっとボコボコしてしまいますが…曲だけ版を聞けるのは嬉しい限りです。
 

Service最後のSET 05から「茶柱家族を消す」

 Serviceの最後を締めくくる楽曲。つまり散開時最後のアルバム収録曲なのに、あの声がいらない~と思った方も少なくないでしょう(SETをディスっているわけではないのです!)。ボーカルトラックをミュートすることで、教授のシンセサウンドを堪能することができます。
 

SolidStateSuveriverの最後のゴショゴショ声だけ抜き出す

 何を喋っているか?を解析するのは難しいですが、抜き出せます。
 

Pocketful of Rainbowsの2分35秒目近辺の「この恋(いつか)叶うときまで」の(いつか)を大きいボリュームに合わせて聞く

Be A Supermanのユキヒロの「ごめん」の声だけ抜き出して聞く

 BPMもキーも変更できる上、再生のキューポイントなども設定できるので、もう少し慣れてきたならば、コズミックインベイジョンと本家コズミックサーフィンを同期させてみる
 

矢野顕子のTongpooの歌声を本家の東風と同期させてみる
――といったようなこともできます。


 筆者は個人的にはChines Whispersの細野さんのベースを大きめにして堪能して大喜びしています。大幅なRemixなどをしなくても、好みのパートのボリュームの調節をするだけでも、新たな発見があったりするのです。YMOオタクにはdjayは必携アイテムなのではないでしょうか?(ITプロデューサー・Jag山本)

■Profile
Jag山本(山本釈弘)
ITビジネスデベロップメントアーティスト。Webマーケティング・メディア運営などを行っている。武蔵野美術大学大学院非常勤講師。
著書に「新IT時代への提言」(アスキー総合研究所)など。Jag Project,LLC代表。

 
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