生体認証や画像解析サービスを展開するELEMENTSは、ファッションEC企業向け画像生成AIツール「SugeKae（スゲカエ）」正式版の提供を開始し、ジュンに導入すると発表した。ジュンのEC関連部署を中心に導入し、撮影や画像編集などの業務プロセスに生成AIを組み入れることで、業務効率化と販売機会の拡大につなげていく。

撮影や画像編集に生成AI導入して業務効率化

　ELEMENTSは、グループ全体で培ってきた画像処理技術や機械学習技術の知見を生かし、2023年7月に「SugeKae」のα版をリリース。今回、α版の導入企業からの声をもとに、現場がより使いやすいUI／UXに改善し、正式版の提供を開始した。「SugeKae」は、1枚の商品画像から背景やカラーバリエーションを生成し撮影工数を削減するツールで、複雑なプロンプト（指示）を入力する必要がなく、誰でも簡単に、想像した画像を作成することができる。

　ジュンでは、EC関連部署を中心に正式版「SugeKae」を導入し、EC商品画像に必要な撮影、画像編集などの業務プロセスに生成AIを組み入れる。ファッション業界での生成AIの実運用は、先進的な事例となる。これまでは、場所やコーディネート用のアイテム、カラーバリエーションなどを都度変えて撮影を実施していたが、「SugeKae」の導入によって業務を効率化し、浮いた時間を、より質の高いクリエイティブ作成業務などに振り向けることが可能となる。また、時間をかけずに背景やコーディネートの種類を増やし、販売機会の拡大にもつなげることができる。
 
　ジュン 常務取締役上級執行役員の中嶋賢治氏は、「ファッション業界におけるAIの活用はまだまだ発展途上。当社では、チャットサービスを通じて顧客に画像を提案し、より良い体験を提供することを目指している。そのために、画像生成AIツール『SugeKae』を導入した。これはアパレル企業として初めての試みとなる。ELEMENTSと協力して、『SugeKae』の品質を向上させ、業務効率の改善と顧客満足の向上に努めていく」とコメントしている。