サイバーリンクは、動画再生ソフト「PowerDVD 23」のダウンロード版を1月25日から発売している。このバージョンから新たに加わったのは、「AIボーカル除去」と名付けられたカラオケ機能。楽曲コンテンツから歌の部分だけを消し、自分の歌声を重ねてカラオケの練習ができる注目の機能だ。また、GPUを使って解像度をさらに高める「GPU超解像テクノロジーVSR」も新たに装備。パッケージ版の販売は、2月16日に始まる。
その最新版となるPowerDVD 23には、注目すべき二つの機能が追加された。
第1の新機能は、「AIボーカル除去」だ。「カラオケ機能」とも呼ばれるもので、例えばボーカル入りの楽曲コンテンツから歌の部分だけを消して再生できるようにしてくれる。そのときに、PCに内蔵または外付けのマイクで自分が歌ったボーカルをミックスすれば、お気に入りの楽曲コンテンツをカラオケとして利用できるわけだ。マイクから入力されたボーカルに対してはメロディーとの同期調整ができ、ミックスされたものをPC内に録音ですることも可能だ。
ボーカルをどのように消すかは、PCの画面上に表示されたコントロール用のパネルで詳細に指定できる。ボーカルの音量は、一番右にある「ガイド音量」の「▲/▼」ボタンをクリックすれば「ミュート」(無音)と「オリジナル」の間で段階的に調節することが可能。一番左にある「音楽音量」を操作すれば、旋律の音量を同じようにミュートとオリジナルの間で変えられる。中央にある「音楽キー」は旋律のキー(高さ)を変えるためのコントロールだ。
AIボーカル除去機能を開発するにあたって、サイバーリンクは昨年9月14日に発表された動画編集ソフト「AudioDirector 2024」に搭載されたAIと同種の技術を使うことにした。あらかじめさまざまな種類のボーカルをAIエンジンに学習させておき、人間の歌声だけをうまく取り去れるようにしているのである。過去によくあった「ステレオの左右のチャンネルの間にある音をボーカルとみなして除去する」といった安直な方法ではないので、歌い手の性別、年齢、楽曲の種類などにかかわらず、除去は正確で違和感がない。
具体的には、コントロール用のパネルに設けられた「ビデオエンハンスメント」内で「GPUビデオ解像度」を選択すると、NVIDIAまたはIntelのGPUに内蔵されているハードウェア機能による補正が行われる。
対応しているのは、「NVIDIA RTX 2000シリーズ+最新ドライバー」「Intel Arcシリーズ、Iris Xe Max(96EU)第12世代CPU搭載以上(解像度1080p~4K)」「第10世代CPU搭載のIntel Iris Plus(64EU)、第11世代CPU搭載のIris Xe Max(80EU)以上(解像度720p~1080p)」「Intel Iris Plus(32EU)第10世代CPU 搭載以上(解像度480~1080p)」のGPUとなる。
さらに、PowerDVD 23では既存のいくつかの機能についても強化が実施された。例えば、品質向上技術「TrueTheater」では、HDR非対応映像をHDR映像に変換する「TrueTheater HDR」におけるEDIDパラメーター処理を高機能化することによって、接続されたディスプレイについての自動認識の能力をアップ。対応データフォーマットにはAPNG(アニメーションPNG)とWebPが追加されている。
PowerDVD 23のエディション構成は、Ultra(ハイエンド)、Pro(ミッドレンジ)、Standard(エントリー)の3段階。1月25日に提供が始まったダウンロード版のほか、2月16日にバッケージ版の販売も始まる予定だ。なお、AIボーカル除去機能とGPU超解像テクノロジーVSRはUltraとPro、TrueTheater HDRはUltraで使える機能である。このほか、Ultraと同程度の機能をサブスクリプション型サービスにしたPowerDVD 365(サイバーリンク公式サイト直販のみ)の提供も1月25日に始まっている。
サイバーリンクは、PowerDVDのバージョンアップを着実に実施してきた。その一つの柱が、新たなデータフォーマットやメディアへの対応。もう一つの柱として、今後は、最新のAI技術を活用した機能追加・機能拡張にも積極的に取り組んでいこうと同社は考えている。ストリーミングで配信されるコンテンツが多くなった現在でも、DVDやブルーレイなどのディスク系メディアには独自の強みと存在意義がある。それらをより高い品質で再生して楽しむためのソフトとして、PowerDVDにはこれからも高い期待が寄せられることだろう。
最新AIでボーカルだけを除去、自分で歌も付けられる
サイバーリンクの「PowerDVD」は当初、DVD用の再生ソフトとして登場した。その後、ブルーレイ(Blu-ray Disc)の再生に対応したほか、取り扱えるデータフォーマットと解像度を次々と追加。2024年1月22日に発表されたBCN AWARD 2024では、同社がビデオ関連ソフト部門で首位を獲得。BCN AWARD 2016以来、9年連続でトップを獲得している。その最新版となるPowerDVD 23には、注目すべき二つの機能が追加された。
第1の新機能は、「AIボーカル除去」だ。「カラオケ機能」とも呼ばれるもので、例えばボーカル入りの楽曲コンテンツから歌の部分だけを消して再生できるようにしてくれる。そのときに、PCに内蔵または外付けのマイクで自分が歌ったボーカルをミックスすれば、お気に入りの楽曲コンテンツをカラオケとして利用できるわけだ。マイクから入力されたボーカルに対してはメロディーとの同期調整ができ、ミックスされたものをPC内に録音ですることも可能だ。
ボーカルをどのように消すかは、PCの画面上に表示されたコントロール用のパネルで詳細に指定できる。ボーカルの音量は、一番右にある「ガイド音量」の「▲/▼」ボタンをクリックすれば「ミュート」(無音)と「オリジナル」の間で段階的に調節することが可能。一番左にある「音楽音量」を操作すれば、旋律の音量を同じようにミュートとオリジナルの間で変えられる。中央にある「音楽キー」は旋律のキー(高さ)を変えるためのコントロールだ。
AIボーカル除去機能を開発するにあたって、サイバーリンクは昨年9月14日に発表された動画編集ソフト「AudioDirector 2024」に搭載されたAIと同種の技術を使うことにした。あらかじめさまざまな種類のボーカルをAIエンジンに学習させておき、人間の歌声だけをうまく取り去れるようにしているのである。過去によくあった「ステレオの左右のチャンネルの間にある音をボーカルとみなして除去する」といった安直な方法ではないので、歌い手の性別、年齢、楽曲の種類などにかかわらず、除去は正確で違和感がない。
オリジナルより高い映像解像度をGPUのハードウェア機能で実現
第2の新機能は、GPUを活用した「GPU超解像テクノロジーVSR」。この「超解像」(Video Super Resolution)とは、コンテンツの元々の解像度を超える動画をPCの画面に表示することだ。具体的には、コントロール用のパネルに設けられた「ビデオエンハンスメント」内で「GPUビデオ解像度」を選択すると、NVIDIAまたはIntelのGPUに内蔵されているハードウェア機能による補正が行われる。
対応しているのは、「NVIDIA RTX 2000シリーズ+最新ドライバー」「Intel Arcシリーズ、Iris Xe Max(96EU)第12世代CPU搭載以上(解像度1080p~4K)」「第10世代CPU搭載のIntel Iris Plus(64EU)、第11世代CPU搭載のIris Xe Max(80EU)以上(解像度720p~1080p)」「Intel Iris Plus(32EU)第10世代CPU 搭載以上(解像度480~1080p)」のGPUとなる。
さらに、PowerDVD 23では既存のいくつかの機能についても強化が実施された。例えば、品質向上技術「TrueTheater」では、HDR非対応映像をHDR映像に変換する「TrueTheater HDR」におけるEDIDパラメーター処理を高機能化することによって、接続されたディスプレイについての自動認識の能力をアップ。対応データフォーマットにはAPNG(アニメーションPNG)とWebPが追加されている。
PowerDVD 23のエディション構成は、Ultra(ハイエンド)、Pro(ミッドレンジ)、Standard(エントリー)の3段階。1月25日に提供が始まったダウンロード版のほか、2月16日にバッケージ版の販売も始まる予定だ。なお、AIボーカル除去機能とGPU超解像テクノロジーVSRはUltraとPro、TrueTheater HDRはUltraで使える機能である。このほか、Ultraと同程度の機能をサブスクリプション型サービスにしたPowerDVD 365(サイバーリンク公式サイト直販のみ)の提供も1月25日に始まっている。
サイバーリンクは、PowerDVDのバージョンアップを着実に実施してきた。その一つの柱が、新たなデータフォーマットやメディアへの対応。もう一つの柱として、今後は、最新のAI技術を活用した機能追加・機能拡張にも積極的に取り組んでいこうと同社は考えている。ストリーミングで配信されるコンテンツが多くなった現在でも、DVDやブルーレイなどのディスク系メディアには独自の強みと存在意義がある。それらをより高い品質で再生して楽しむためのソフトとして、PowerDVDにはこれからも高い期待が寄せられることだろう。