「都内の公園で電動キックボードは走っていいのか?」

レビュー

2024/02/05 17:00

 公道を走っても良いとされる電動キックボード。レンタルタイプのLUUPなどは都内の公園を走って良いのでしょうか?なかなかわかりづらいので、各所轄に確認してまとめてみました。

街中でよく見かけるようになった
レンタル電動キックボード「LUUP」(筆者撮影)

「公園」の管轄は多岐にわたるので、管轄によってルールが違う

 例えば、上野公園などは「都立公園」なので都の管轄。若洲公園などは「江東区」の管轄です。江戸川・荒川のサイクリングロードは、各県にまたがっていて、都内の部分は荒川下流河川事務局などが管理、海上公園などは東京都港湾局が管理していたりします。
 

公園でのルールはその所轄に関わる「条例」で決まる。条例がない場合、現場での裁量・判断でルールを運用

 特定小型原動機付自転車の法整備からまだ間もないため(2024年1月執筆時点)、公園での条例は定まっていない所轄も多いらしく、現状は公園単位や、公園を管理する所轄でのルール運用となっているとのことです。
 
特定なのか特例特定なのか、切り替えられるのかなどを
把握することが重要だ(出典:警視庁)

都立公園は「6km」限定で乗り入れ可。海上公園は6kmしか出ない(切り替え式も不可)特例特定小型のみ可。区立公園・サイクリングロードはNG。

表 数カ所の公園の状況を確認してみた(筆者作成)

 表に示したように、管理している組織により可・不可は異なります。基本的に「可」となっていても「容認」に近いニュアンスがあるケースも少なくありません。

 例えば都立公園は基本的にそもそも自転車も禁止というのがルール。公園は歩行で使う人が最優先ということを忘れてはなりません。
 

公園側の対応も間に合っていない状況

 例えば江東区の豊洲ぐるりパークは、特定も特例特定タイプも乗り入れ不可ですが、24年1月時点のホームページでは…21年の乗り入れ禁止のお知らせ以降、キックボード関連のことは書かれていません…そのため、23年の法改正後はどうなったのかが判りづらい状況です。
 
豊洲ぐるりパークのホームページ。
23年の法改正後のお知らせは掲載されていない

 また東京都港湾局の公園を紹介する「海上公園なび」(https://www.tptc.co.jp/park/01_04/news/detail/1485)では、次のように記されています。
 
「海上公園なび」のホームページ

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電動キックボード(特例特定小型原動機付自転車)ご利用のお知らせ

令和5年7月1日より、公園内での電動キックボード(※特例特定小型原動機付自転車)のご利用ついては次のとおりとなります。

※ 特定小型原動機付自転車とは、次の基準を全て満たすものをいいます。

・最高速度表示灯を緑点滅させること
・時速6キロメートルを超える速度を出すことができないこと等
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 しかも“特例”特定小型原動機付自転車のご利用のお知らせとなっていますが、※部分で「特例」が抜け、特定の説明なっています。

 またシンボルプロムナード公園の乗り入れの解説でも次のように記されています。

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シンボルプロムナード公園 乗入可

※ ウエストパークブリッジ、テレポートブリッジ及びコロシアムブリッジは、降車後に押して通行する場合のみ持ち込み可。

 なお、シンボルプロムナード公園からお台場海浜公園に電動キックボード(特定小型原動機付自転車)で行く場合には、公道を通行する必要があります。
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 と、電動キックボート(特定小型原動機付自転車)と、特例が外れています…

 20km出るタイプのものは入っていいのか?悪いのか?を、ここから読み解くのは非常に難しい状態です。

 港湾局に確認したところ「特例特定」のみで、切り替えができても「特定」タイプのものは乗り入れ不可ということでした。

 上記の通り、まだ公園側も、告知を含めて整備されていない状態のため、乗り入れ可となっている公園でも、他の利用者から苦情やクレームが来る可能性もあります。

 乗り入れざる理由がない限り、現状、公園に乗り入れるメリットは大きくなさそうです。

 時速6kmといえば、成人男性が歩くより若干遅い速度です。公園に入らず、公園の横の公道を利用するのが現状では得策のようです。(ITジャーナリスト・レイ坂本)

■Profile
レイ坂本
ITジャーナリスト。晋遊舎MONOQLO『クチコミ信者の銭失い』、週刊アスキー『ウイルスなんて死んじゃえばいいのに』、ラジオライフ『技適トラベラー』などのコラムを連載。
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