TVS REGZAが消費電力を約33%削減した4K液晶テレビのスタンダードモデルを発売

新製品

2023/10/20 19:00

 このところの電気料金値上げで、家電製品では省エネが重視されている。TVS REGZAは高い省エネ性を実現した4K液晶テレビのスタンダードモデルM550Mシリーズ(以下、M550M)とエントリーモデルE350Mシリーズ(以下、E350M)を発売する。

省エネ性に優れたTVS REGZAの
4K液晶テレビ65M550M(左)と65E350M(右)

バックライトと液晶パネルをコントロールして低消費電力を実現

 スタンダードモデルのM550Mのラインアップは43V型の43M550Mから50V型、55V型、65V型、75V型の75M550Mまで5機種。市場想定価格は43M550Mが11万円で、最大画面サイズの75M550Mが24万2000円。発売は10月20日だ。

 エントリーモデルのE350Mは43V型の43E350Mから50V型、55V型、65V型の65E350Mまで4機種をラインアップ。市場想定価格は43E350Mの9万9000円から65E350Mの14万3000円まで。発売は11月10日を予定している。
 
M550Mの各サイズモデル(前列)と
E350Mの各サイズモデル(後列)

 両シリーズとも映し出す映像を解析し、そのシーンに応じてバックライトの制御と液晶パネルの階調補正を同時に行う新技術を採用。暗いシーンではバックライトの輝度を調整するとともに液晶パネル側で明るさを補正するという。

 バックライトの輝度を抑制するだけでは画像が暗くなる。液晶パネルの階調補正を組み合わせることによって画質に影響を与えず、電力も抑制するという仕組みだ。

 65V型の65M550Mは2022年モデルの65M550Lと比べて年間消費電力を約33%削減し、55V型の55E350Mは2020年モデルの55C350Xと比べて消費電力を約24%削減。テレビの統一省エネラベルでの多段階評価では2.7以上を達成している。
 
バックライト制御と階調補正で明るいシーンも
暗いシーンも消費電力を低減しながら高画質を実現

 消費動向調査によると、テレビの平均使用年数は約10.7年。2011年のアナログ停波前はテレビの買い替えが加速していた時期で、当時は大画面だった37V型の液晶テレビ37Z1の消費電力を現在の2026年基準で算出すると、年間消費電力量は207kWh/年。これに対して75V型の75M550Mの年間消費電力量は179kWh/年。当時の37V型よりも新製品の75V型の方が低消費電力になっているのだ。

 また、M550Mの最小画面モデルである43V型の43M550Mの年間消費電力量は107kWh/年。37V型から画面サイズはアップしても年間消費電力量は約半分という。
 
実際の買い替えを想定すると現在使用している
テレビより大幅に消費電力量を低減できる

新エンジン搭載で高画質映像をリアルに再生

 消費電力量の低減は大きな魅力だが、やはりテレビは映像表現が肝心だ。M550MとE350Mでは新世代の高画質エンジン「レグザエンジン ZR」を搭載。放送波やネット動画を問わず、高コントラストで高精細な映像を映し出す。
 
中央の銀色のチップが
新搭載のレグザエンジン ZR

 M550MはクラウドAI高画質テクノロジーを採用。クラウドにある映像調整バンクにアクセスして表示するコンテンツの種類や画質特性に合わせて、そのコンテンツに最適なAI高画質処理を行う。これにより、高精細でリアルな映像を再生する。

 ネット動画の特性に合わせてノイズを抑制し、高画質処理で低いフレームレートのコンテンツもなめらかに再生するネット動画ビューティや地上デジタル放送のノイズを抑制してクリアな映像を再現する地デジAIビューティ、自然な人肌を再現するナチュラルフェイストーンなどの高画質機能も搭載している。
 
コントラストや精細感を
アップさせるネット動画ビューティ

 また、リビングの色温度や明るさを検知する色温度センサーの採用で、室内の明るさや照度に合わせて画質の明るさを自動で調整するおまかせAIピクチャーも搭載。さらにApple Airplay2に対応し、スマートフォンの画面をレグザに投影することもできるようになった。

 音質面では2つのバスレフボックススピーカーを配置して低音から高音までバランスの良い迫力のあるサウンドを再現するレグザパワーオーディオシステムやリモコンのマイクを使って視聴環境に適した音響特性を自動で設定するオーディオキャリブレーション機能も採用している。

 エントリーモデルのE350Mはこれらの機能のいくつかが搭載されておらず、M550Mと比べてパネルの輝度差やバックライトの違いなどがある。
 
スタンダードのM550Mとエントリーの
E350Mでは搭載機能が異なる

 本稿では割愛したが、番組検索や外付けHDDと連携した録画機能、ゲームプレイ時の操作性などの機能もしっかりと抑えられている。映像に対して特に強いこだわりがあるわけではないが、大画面でコンテンツを楽しみたいという向きには検討する価値があるモデルとしてお勧めだ。
ギャラリーページ