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ハイセンスが4K液晶テレビのエントリーモデルを発売、コスパに優れ17社の動画配信サービスに対応

新製品

2023/10/13 17:30

 ハイセンスは4K液晶テレビA6Kシリーズ(以下、A6K)を発売する。A6Kは4K液晶テレビのエントリーモデルという位置づけで、新開発の高画質エンジンを採用してネット動画対応機能や便利機能も搭載している。

A6Kはエントリーモデルながら新エンジンを搭載

4Kチューナーを2基搭載し、各種機能も拡充

 ハイセンスの新製品A6Kはスマホや2Kテレビでネット動画を視聴している層に向け、4Kの高画質かつ大画面で動画コンテンツを楽しめる仕様となっている。いわゆるエントリーモデルだが、4Kチューナーを2基搭載し、実際に内覧会で見たその画質や画像処理の各機能はエントリーモデルとは思えないほど充実していた。

 ラインアップは75V型、65V型、55V型、50V型、43V型の5機種。オープン価格だが、市場想定売価は75V型の75A6Kが17万円前後で、65V型の65A6Kが12万円前後、55V型の55A6Kが9万円前後、50V型の50A6Kが8万円前後、43V型の43A6Kが7万円前後。10月下旬の発売予定だ。

 シリーズのラインアップと発売時の市場想定価格は販売終了となる現行のA6Hシリーズ(以下、A6H)と同じだが、4Kチューナーが1基増えて新エンジンと新機能の追加や機能向上などでA6Hからグレードはアップ。部品や部材の価格上昇という状況下での価格据え置きは実質値下げの感すらある。
 
テレビ台にフィットするように
A6Kシリーズは脚の形状もA6Hから変更

ネット動画をより高画質で視聴するための機能を充実

 A6Kの特徴の一つが動画配信サービス対応の強化。A6Hでは13社に対応していたが、DAZNやTVer、FODなどが新たに追加されて17社対応となった。
 
利用者が増加している動画配信サービス17社に対応

 リモコンのダイレクトボタンもA6Hは6社対応だったが、A6Kでは10社対応になった。さらに電源オフの状態でダイレクトボタンを押すと、テレビの電源がオンになって選択した動画配信サービスの画面が立ち上がる仕様に変わった。また、リモコンはBluetooth対応で電源のオン以外の操作時はリモコンをテレビに向ける必要がない。
 
起動から動画配信サービス画面表示まで
ダイレクトボタン一つでOK

 画面に表示される映像の良し悪しを左右するのがエンジンだ。ハイセンスでは従来からTVS REGZAと共同開発したエンジンを採用しており、A6Kでも共同開発による新しい高画質エンジンのHI-VIEWエンジンLiteを搭載した。

 特にネット動画ではAIネット映像高画質処理機能で動画コンテンツを分析し、色濃度や輝度、ダイナミックガンマを補正して超解像処理も同時に行う。さまざまなクオリティの動画コンテンツを高コントラストで自然な色彩で再現するという。

 実機による体験の機会があったので視聴したところ、ネット動画特有のバンディングノイズがしっかり抑制され、静止状態でもノイズが消えていることが確認できた。A6HでもAIネット映像高画質処理機能は搭載されているが、新エンジンによってA6Kの画質処理能力はさらに高まったという印象を受けた。
 
HI-VIEWエンジンLiteで
ネット動画の画質を調整

 最近の動画配信サービスはコンテンツの高画質化が進んでいる。この流れに呼応するため、A6Hでも対応しているHDR10と地上波のHLGに加え、A6KではDolby Vision対応も追加されている。

 また、従来からの機能で、フレーム補間により映像をなめらかに調整するクリアモーションや輝度調整で立体感のある映像を映し出すテクスチャー復元、室内の明るさに応じた輝度に調整する環境光センサーなどの高画質処理機能も継続搭載。さらに手ブレ補正のように映像の揺れを抑えるフレームジャダー低減も新機能として追加されている。

 視聴体験でテクスチャー復元オンとオフを比較すると色の彩度や明度がオンとオフでは変わり、映し出される映像に立体感が加わった。また、フレームジャダー低減も映像全体の揺れが抑制され、臨場感はそのままで被写体の輪郭がクッキリとした映像になった。これらの映像を視聴していると、A6Kがエントリーモデルであることを忘れるほどだった。
 
テクスチャー復元(左)とフレームジャダー低減(右)
で映像がよりリアルに

高画質に合わせて各種の高音質化機能も搭載

 高画質映像をより楽しむには音も高音質の方がよい。従来から採用している音響補正技術メーカーのEilexの独自技術をA6Kでも採用。シーンによって変わる音量を調整する機能や人の声を強調する機能、データ送信時の圧縮で失われた弱い周波数信号を修復して補正する機能などを搭載し、高画質に合った高音質も実現している。

 また、音声がテレビ正面から聞こえる音像補正のダイレクトサウンドや重低音を際立たせるようなチューニングも施されている。

 これらの新機能や機能のアップデートで、A6Kはネット動画にアクセスしやすく、ネット動画はもちろん放送波も高画質映像がより楽しめるようになっている。

他の機器との連携強化でHDMI2.1端子を二つ搭載

 A6Kはさまざまな外部デバイスと連携し、快適で便利な使い方ができる機能も搭載。例えばスマホで撮影した画像や動画、ビデオ通話などをA6Kの大画面で楽しめるスクリーンシェアは、iOSとAndroidの両OSに対応している。Bluetooth内蔵でワイヤレスイヤホンと接続して音声を聞くこともでき、スマートスピーカーとの連携で音声操作も可能だ。
 
スマホの画面をテレビに映すと
大画面ならではの楽しさが増える

 HDMI対応ではHDMI2.1の端子を二つ搭載し、さらにHDMI2.0が75A6Kと65A6Kは二つ、それ以外は一つ搭載。複数の端子を設けることで多くのデバイスと接続・連携ができ、より便利になった。

 ゲーム機を接続してプレイする際はゲームモードを選択すると、ボタン操作から表示までのレスポンスが速い低遅延モードでプレイできる。さらにHDMI2.1の端子にゲーム機を接続するとHDMI2.1の拡張機能のALLMが働き、手動でモードを切り替えることなく自動で低遅延モードになる。
 
低遅延モードはシューティングや格闘などの
俊敏性が要求されるゲームで効果を発揮する

 A6Hから機能が大きくバージョンアップされたA6Kは前述のとおり、コスパに優れたエントリーモデル。このコスパの良さを実現できたのは、ハイセンスがグローバル展開をしているからだ。2022年のテレビ出荷台数でハイセンスは世界2位、2023年の1~6月でもこのポジションは変わっていないという。

 製品に組み込む部品や部材をグローバルで共通化ができれば、これらの調達コストは大きく低減できる。それはすなわち低価格を実現できるということだ。

 コスパに優れた価格というと、品質に疑問を持つ向きもいるかもしれない。だが、ハイセンスの製品がコスパを実現しているのは、これらの背景があるからだ。世界2位のハイセンスが発売する4K液晶テレビのエントリーモデルを、店頭に行ってぜひ自分の目で確認してみよう。
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