パナソニックは炊く量に合った米と水の投入量を自動計量し、スマホからの遠隔操作で炊飯までを全自動で行う「自動計量IH炊飯器 SR-AX1」を7月上旬から発売する。価格はオープンで、市場想定価格は4万6000円前後だ。
SR-AX1の最大の特徴が、炊く量を設定すれば米と水の計量がいらず、炊飯まで全自動で行う点である。最近の洗濯機では洗剤自動投入機能がトレンドとなっているが、イメージとしては同じ。洗濯機の場合はあらかじめタンクに洗剤を入れておくと、自動で衣類の量に合った洗剤量と水が槽内に投入される。この仕組みだ。
分かりやすく解説しよう。本体の米タンクには13合相当の2kgまで米を入れておくことができ、水タンクには2合分相当の600mLの水を入れておける。通常の炊飯器では毎回、炊く米の量を計量カップで量って内釜に入れ、内釜側面の目盛りに合わせて水を入れる作業が必要だが、SR-AX1では、この計量が不要なのだ。
0.5合~2合まで、0.25合単位で炊きたい量を決めると、その炊飯量に合った米と水が自動でおひつに投入。おひつは独自の炊飯プログラムによって加熱されて米を炊き上げる。
操作は本体でも行えるが、同社のスマホアプリ「キッチンポケット」を使えば、外から遠隔操作が可能。予約炊飯の変更や好みのかたさで炊くこともできる。炊きたい分量に相当する米と水がタンクの中にあれば、外出先からでも炊飯予約ができるのですこぶるタイパが良い。
これらの特徴を持つSR-AX1は、炊飯器の新たなスタイルを提案する製品といえるだろう。ただし、注意点もある。毎日の食べ切りスタイルを想定しているため、保温機能は搭載していない。また、米を研ぐ機能はないので使用できる米は無洗米のみだ。
無洗米のメリットは米を研ぐ手間や時間が不要で、節水にもつながる。さらに水質環境への貢献という側面もある。米の研ぎ汁に含まれる肌ぬかには有機物や窒素、りんなどが含まれ、下水処理場では完全に除去できない。これが水質汚染の原因にもなっているのだが、無洗米は米を研がないので原因物質を河川に流さずに済むのだ。
炊飯器は米を美味しく炊くための製品だ。SR-AX1がタイパやスペパに優れた製品であることは間違いない。では、肝心の味はどうなのか。実際に炊きたてを試食すると、特に違和感はなく、普通に美味しいというのが正直な感想だ。炊いた米の見た目もよいし、通常の炊飯器で炊いたのと何ら変わりはない。
一般的に無洗米は米の中まで均一に吸水させることが難しいとされているが、前炊きから蒸らし工程までの炊飯プログラムがしっかり機能しているからだろう。米は均一のかたさが保たれ、もちもちした食感で炊きたての美味しさを味わうことができた。
SR-AX1は従来の炊飯器とは明らかに一線を画している。通常の炊飯器に搭載されている各種の機能を引き算して開発された製品だ。引き算したうえで前述のタイパやスペパを足し算し、美味しさを担保しながらDINKSやシングル層のニーズに合致する製品に仕上がっている。
本体の形状自体が炊飯器とは全く異なるSR-AX1は、前述のとおり7月中旬発売予定。店舗によってモックを展示し、現在予約受け付け中である。店頭でぜひ確認してみよう。(BCN・風間 理男)
「先行体験プログラム」に提供台数の約50倍の応募が集まる
パナソニックでは2022年11月15日~12月25日まで、CLUB Panasonic会員を対象とした「先行体験プログラム」を実施。200台の公募に対して約50倍となる1万件ほどの応募があったという。新製品のSR-AX1は、この反響を受けて一般販売を決めた。SR-AX1の最大の特徴が、炊く量を設定すれば米と水の計量がいらず、炊飯まで全自動で行う点である。最近の洗濯機では洗剤自動投入機能がトレンドとなっているが、イメージとしては同じ。洗濯機の場合はあらかじめタンクに洗剤を入れておくと、自動で衣類の量に合った洗剤量と水が槽内に投入される。この仕組みだ。
分かりやすく解説しよう。本体の米タンクには13合相当の2kgまで米を入れておくことができ、水タンクには2合分相当の600mLの水を入れておける。通常の炊飯器では毎回、炊く米の量を計量カップで量って内釜に入れ、内釜側面の目盛りに合わせて水を入れる作業が必要だが、SR-AX1では、この計量が不要なのだ。
0.5合~2合まで、0.25合単位で炊きたい量を決めると、その炊飯量に合った米と水が自動でおひつに投入。おひつは独自の炊飯プログラムによって加熱されて米を炊き上げる。
操作は本体でも行えるが、同社のスマホアプリ「キッチンポケット」を使えば、外から遠隔操作が可能。予約炊飯の変更や好みのかたさで炊くこともできる。炊きたい分量に相当する米と水がタンクの中にあれば、外出先からでも炊飯予約ができるのですこぶるタイパが良い。
無洗米使用で食べ切りスタイルを提案
自動計量や遠隔操作以外の特徴としては、本体のデザインやサイズも大きなポイント。本体は切れ目がないデザインで、幅176mmとスリム。インテリアともマッチするだけでなく、置く場所も選ばない。これらの特徴を持つSR-AX1は、炊飯器の新たなスタイルを提案する製品といえるだろう。ただし、注意点もある。毎日の食べ切りスタイルを想定しているため、保温機能は搭載していない。また、米を研ぐ機能はないので使用できる米は無洗米のみだ。
無洗米のメリットは米を研ぐ手間や時間が不要で、節水にもつながる。さらに水質環境への貢献という側面もある。米の研ぎ汁に含まれる肌ぬかには有機物や窒素、りんなどが含まれ、下水処理場では完全に除去できない。これが水質汚染の原因にもなっているのだが、無洗米は米を研がないので原因物質を河川に流さずに済むのだ。
炊飯器は米を美味しく炊くための製品だ。SR-AX1がタイパやスペパに優れた製品であることは間違いない。では、肝心の味はどうなのか。実際に炊きたてを試食すると、特に違和感はなく、普通に美味しいというのが正直な感想だ。炊いた米の見た目もよいし、通常の炊飯器で炊いたのと何ら変わりはない。
一般的に無洗米は米の中まで均一に吸水させることが難しいとされているが、前炊きから蒸らし工程までの炊飯プログラムがしっかり機能しているからだろう。米は均一のかたさが保たれ、もちもちした食感で炊きたての美味しさを味わうことができた。
SR-AX1は従来の炊飯器とは明らかに一線を画している。通常の炊飯器に搭載されている各種の機能を引き算して開発された製品だ。引き算したうえで前述のタイパやスペパを足し算し、美味しさを担保しながらDINKSやシングル層のニーズに合致する製品に仕上がっている。
本体の形状自体が炊飯器とは全く異なるSR-AX1は、前述のとおり7月中旬発売予定。店舗によってモックを展示し、現在予約受け付け中である。店頭でぜひ確認してみよう。(BCN・風間 理男)