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異次元の装着感! 新「コンチャフィット形状」を採用したテクニクスの「完全ワイヤレスイヤホン」

 パナソニックは5月29日、完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「テクニクス EAH-AZ80」と、クリアな音質でエンタメと通話が楽しめる「テクニクス EAH-AZ60M2」を発表した。発売日は6月15日。価格はオープンで、実売想定価格はEAH-AZ80が3万6600円前後、EAH-AZ60M2が2万7700円前後。

「テクニクス EAH-AZ80」
(シルバー)

安定の装着感を実現する「コンチャフィット」形状

 上位モデルのEAH-AZ80は、音質もさることながら、新感覚の安定した装着感を実現する新「コンチャフィット」形状に注目したい。耳穴の周囲にあるくぼみ(コンチャ、耳甲介)にフィットするよう、イヤホンを少し膨らんだ形状にしているのだ。

 通常のイヤピースによる保持に加え、このコンチャフィット形状により、長時間の装着でも耳への負担を少なくし、快適な装着感が得られる。300個以上の形状試作や装着試験を繰り返してたどり着いた、こだわりの装着感なのだ。実際に試してみた際も、EAH-AZ80がコンチャにスッと入っていき、ぐらつかずに安定した装着感が分かるほどだった。
 
新感覚の装着感を実現する「コンチャフィット」形状

コンチャフィット形状を使って音質を向上

 新しいコンチャフィット形状による膨らみは、音質の改善にも生かしている。まずは、ドライバー直径10mmのアルミ振動板を採用。これは、テクニクスの有線イヤホンの最上位モデル「TZ700」にも搭載している、剛性の高いアルミ振動板である。
 
「ドライバー直径10mmアルミ振動板」を採用

 通常使われている樹脂製の振動板ではたわみによる音のずれが生じるが、剛性の高いアルミは力強く、正確な音を楽しめる。幅広い周波数帯域で色付けのない、きめ細かな再生と広い音場感を実現する。

 テクニクスの完全ワイヤレスイヤホンの音作りでは、音に色付けをせず、できるだけアーティストの表現を素直に再現することにこだわっている。広帯域の再生能力を引き出すために、デジタル処理だけに頼らず、アナログ・機構構造なども含めた開発を実践している。まさにアルミ振動板は、テクニクスが求める音作りを再現するためのキーデバイスなのだ。

 アナログや機構構造では、ドライバーの後端に専用の音響空間を設け、ドライバーの空気の流れを制御する「アコースティックコントロールチャンバー」を搭載。低音域やボーカル帯域の帯域バランスを整える。また、ドライバー前方の空間を調整することで、5kHz以上の高音域の周波数特性の乱れを抑える「ハーモナイザー」を搭載。これらをコンチャフィット形状の膨らみに収めている。
 
「アコースティックコントロールチャンバー」と
「ハーモナイザー」

 ノイズキャンセリングでは、独自音声処理技術「JustMyVoice」を採用。風の音や、カフェなどでの周囲の話し声をカットし、話し手の声だけがクリアに聞こえる。テレワークが一般的になった現在のビジネスシーンでは欠かせない機能といえる。実際、風速5mのデモ空間で話した声も、聞きとれるほどだった。

「3台マルチポイント接続」は会社用スマホを持つ時代の新常識

 さらに、業界初の「3台マルチポイント接続」に対応。最近のビジネスシーンでは、ノートPCと会社用スマホ、個人用スマホの3台同時利用が当たり前となっている。会社用スマホは通話用だけでなく、ノートPCとのセキュリティで個人認証する際に欠かせないデバイスになっているからだ。
 
便利な「3台マルチポイント接続」

 「3台マルチポイント接続」なら、ノートPCでオンライン会議中、かかってきたスマホに着信があった際、着信に応答するだけで自動でBluetoothが切り替わる。もちろん、タブレットやノートPCからスマホに切り替える際も、スマホの設定画面を開くような煩雑な操作は不要だ。
 

 なおEAH-AZ60M2の本体デザインは21年10月発売のEAH-AZ60を踏襲しているので、装着する際の形状は「しずく型」となる。また、ドライバーは8mmのバイオセルロース振動板となる。それ以外のスペックは、EAH-AZ80と同じだ。

 店頭などで装着を試す機会があれば、ぜひ「コンチャフィット形状」による新しい装着感を体感してもらいたい。そういう意味では、今回見送られたEAH-AZ60M2における採用への要望は高まるだろう。(BCN・細田 立圭志)
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