【拝啓、徳島より3】 田舎に引っ越してくる際に、少しだけ気がかりだったのは離れて暮らす家族のことでした。特にここ数年はコロナ禍で、帰りたくても帰れない状況に悶々とする日々が続きました。そんな時に始めたのが「お花のサブスク」。花束を送るのってちょっと恥ずかしいけれど、離れているからこそできるコミュニケーションもあるんだと気づくきっかけになりました。
地元の千葉県から徳島県に移住してから何度か聞かれたこの質問。徳島県民にとっても中心地(徳島市内)から“遠く離れた場所”に感じる田舎町だから、なおさらそう思わせたのかもしれません。
ここ数年はコロナ禍だったこともあり、それまで3、4カ月に一度していた帰省もストップ。県外どころか町外に出るのもためらわれる中で、今まで一度もホームシックになったことない私でも、さすがに家族に会いたい気持ちが募りました。
加えて、どうにも昔からマメに連絡ができない性分で、手紙はもちろん電話も用事がない限りしません。家族からは「どこで何をしているのやら・・・」と小言をもらうこともしばしばです。
故郷の家族を思う気持ちは人並み以上にあるのですが、会いたい気持ちを改まって言葉にするのも照れくさいし、今更、筆マメになっても逆に心配されてしまいそうです。
「元気ですか?」「変わりないですか?」「会いたいです」
そんな言葉をLINEや電話でパッと伝えられたらいいのですが、なんだかやっぱり恥ずかしい。すぐに会いに行ける距離でもない。そんな時に見つけたのが、お花のサブスク「bloomee」でした。
ホームページには小ぶりで可愛らしいブーケの写真が並んでいて、見ているだけで明るい気持ちになります。「お花のある生活で、ちょっと変わる、いつもの暮らし」というキャッチコピー(当時)も、社会を覆う閉塞感にふわっと明るい光を差し込んでくれそうでなんだか素敵。
しかも、bloomeeは契約者の自宅とは別の場所を配達先に指定することができます。つまり、徳島在住であっても、千葉の実家にお花を届けることができるのです。それも定期的に!
「花束を送るのって逆にハードルが高いのでは?」と思われるかもしれませんが、そこはサブスクのいいところです。最初の気恥ずかしさを通過してしまえば、あとは自動的にお花を届けてくれます。
筆不精でめんどくさがりの私でも続けられそうだし、何よりもコロナ禍で塞ぎ込んでいるであろう両親を少しでも元気づけたい。こうして、送り先を実家にしてお花のサブスクを始めてみることにしました。
「今回は青いカーネーションでした。青色なんて初めて見た。新鮮だね!」
写真にはブーケと一緒に見慣れた実家のデーブルクロスが写っていたり、時には写真が綺麗に撮れるようにブランケットをバックスクリーン代わりにしていたりと、見ているだけでこちらもなんだかほっこり。そして写真の後にはいつも、簡単な近況を伝えるメッセージが添えられていました。
「明日は久しぶりにスイミングに行ってきます。中級クラスに上がったので練習が大変」
「このところ、あいみょんの『裸の心』を聞いています。いい歌ですね」
今回はどんな花束だったのか、最近どんなことがあったのか、定期的に届く「花便り」を私も心待ちにするようになっていきました。
それまではLINEが来てもスタンプを送るだけで済ませていたのですが、bloomeeを始めてからは、こちらも最近の出来事を添えて返信しています。
「今日は私も川に泳ぎに行きました。手長エビがたくさんいました。素揚げが絶品!」
「お盆の本番に向けて阿波踊りの練習で毎日大忙し。鳴り物さんのお囃子ばかり聞いてます」
最初は少し照れくさい気持ちがあったのも事実ですが、花束を介したやりとりが続いていくとそれもなくなり、以前よりもずっと素直にコミュニケーションが取れるようになりました。結果として連絡の頻度も増えて、期待していたよりもたくさんの効果がありました。
それは単純に両親から届く「花便り」を楽しみにしているから。そしてbloomeeの花束が会話のきっかけになり続けてくれているからです。
近い関係だからこそ言えないことはたくさんありますが、離れているからこそ改めて伝えられる気持ちもある。どんな方法でも、気持ちを伝えることの嬉しさや楽しさを教えてくれたお花のサブスクサービスでした。
ちなみにbloomeeは一時的にサービスをストップすることもできるし、再開したくなったらまたすぐに当月から配達してくれるフレキシブルさもいいところです。いつでもやめられるし、始められる手軽さも魅力だなと、サービスを続ける中で感じます。これからもどんな花の写真が送られてくるのか楽しみです。(フリーライター・甲斐りかこ)
■Profile
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
移住あるある?離れて暮らす家族とのコミュニケーション問題
「遠いところに来て、ご両親は寂しがっているんじゃない?」。地元の千葉県から徳島県に移住してから何度か聞かれたこの質問。徳島県民にとっても中心地(徳島市内)から“遠く離れた場所”に感じる田舎町だから、なおさらそう思わせたのかもしれません。
ここ数年はコロナ禍だったこともあり、それまで3、4カ月に一度していた帰省もストップ。県外どころか町外に出るのもためらわれる中で、今まで一度もホームシックになったことない私でも、さすがに家族に会いたい気持ちが募りました。
加えて、どうにも昔からマメに連絡ができない性分で、手紙はもちろん電話も用事がない限りしません。家族からは「どこで何をしているのやら・・・」と小言をもらうこともしばしばです。
故郷の家族を思う気持ちは人並み以上にあるのですが、会いたい気持ちを改まって言葉にするのも照れくさいし、今更、筆マメになっても逆に心配されてしまいそうです。
「元気ですか?」「変わりないですか?」「会いたいです」
そんな言葉をLINEや電話でパッと伝えられたらいいのですが、なんだかやっぱり恥ずかしい。すぐに会いに行ける距離でもない。そんな時に見つけたのが、お花のサブスク「bloomee」でした。
定期的に花束が届くサブスクサービス「bloomee」
bloomeeは、季節のお花を使ったブーケがポストに届く「お花の定期便」です。プランは3パターンあり、私が契約したレギュラープランは定額880円/回(税込・送料別)とコスパも最高にいいです。配達先に近いお花屋さんから届くので、お花の品質も問題なしです。ホームページには小ぶりで可愛らしいブーケの写真が並んでいて、見ているだけで明るい気持ちになります。「お花のある生活で、ちょっと変わる、いつもの暮らし」というキャッチコピー(当時)も、社会を覆う閉塞感にふわっと明るい光を差し込んでくれそうでなんだか素敵。
しかも、bloomeeは契約者の自宅とは別の場所を配達先に指定することができます。つまり、徳島在住であっても、千葉の実家にお花を届けることができるのです。それも定期的に!
「花束を送るのって逆にハードルが高いのでは?」と思われるかもしれませんが、そこはサブスクのいいところです。最初の気恥ずかしさを通過してしまえば、あとは自動的にお花を届けてくれます。
筆不精でめんどくさがりの私でも続けられそうだし、何よりもコロナ禍で塞ぎ込んでいるであろう両親を少しでも元気づけたい。こうして、送り先を実家にしてお花のサブスクを始めてみることにしました。
花束から始まる両親との近況報告
最初の配達があってからすぐに、両親からは定期的に花束の写真が送られてくるようになりました。「羽付きの羽根みたいなのがデンファレ。赤い実はヒベリカム。ドラセナは観葉植物で『幸福の木』という意味だそうです。挿し木にしてみます。ありがとう」「今回は青いカーネーションでした。青色なんて初めて見た。新鮮だね!」
写真にはブーケと一緒に見慣れた実家のデーブルクロスが写っていたり、時には写真が綺麗に撮れるようにブランケットをバックスクリーン代わりにしていたりと、見ているだけでこちらもなんだかほっこり。そして写真の後にはいつも、簡単な近況を伝えるメッセージが添えられていました。
「明日は久しぶりにスイミングに行ってきます。中級クラスに上がったので練習が大変」
「このところ、あいみょんの『裸の心』を聞いています。いい歌ですね」
今回はどんな花束だったのか、最近どんなことがあったのか、定期的に届く「花便り」を私も心待ちにするようになっていきました。
それまではLINEが来てもスタンプを送るだけで済ませていたのですが、bloomeeを始めてからは、こちらも最近の出来事を添えて返信しています。
「今日は私も川に泳ぎに行きました。手長エビがたくさんいました。素揚げが絶品!」
「お盆の本番に向けて阿波踊りの練習で毎日大忙し。鳴り物さんのお囃子ばかり聞いてます」
最初は少し照れくさい気持ちがあったのも事実ですが、花束を介したやりとりが続いていくとそれもなくなり、以前よりもずっと素直にコミュニケーションが取れるようになりました。結果として連絡の頻度も増えて、期待していたよりもたくさんの効果がありました。
距離があるからこそ、できることがある
お花のサブスクをはじめてから2年あまり。気軽に出かけられる日常が戻り、実家への帰省も以前同様にできるようになりましたが、サービスは引き続き継続しています。それは単純に両親から届く「花便り」を楽しみにしているから。そしてbloomeeの花束が会話のきっかけになり続けてくれているからです。
近い関係だからこそ言えないことはたくさんありますが、離れているからこそ改めて伝えられる気持ちもある。どんな方法でも、気持ちを伝えることの嬉しさや楽しさを教えてくれたお花のサブスクサービスでした。
ちなみにbloomeeは一時的にサービスをストップすることもできるし、再開したくなったらまたすぐに当月から配達してくれるフレキシブルさもいいところです。いつでもやめられるし、始められる手軽さも魅力だなと、サービスを続ける中で感じます。これからもどんな花の写真が送られてくるのか楽しみです。(フリーライター・甲斐りかこ)
■Profile
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。