椿本チエインは、「誰もが気軽に乗れる多目的電動自転車」をコンセプトとする電動アシスト3輪自転車「多目的e-Cargo」の開発に着手し、そのプロトタイプ（試作車）を5月12・13日に開催される「Bicycle E-Mobility City-Expo 2023」に出展する。

モビリティ分野の新商品

　同社グループは、長期ビジョン2030で、Linked Automationテクノロジー（高機能化と高度オートメーション化された技術領域）により、「人にやさしい社会の実現」「安心・安全な生活基盤の構築」「地球にやさしい社会の創造」の3つの社会課題の解決に貢献するモノづくり企業を目指している。これら課題解決に向けて、従来のBtoBの事業領域にこだわることなく、新商品、新事業の開発に注力している。今回の「多目的e-Cargo」は、その活動の一環であり、モビリティ事業の次世代柱商品の1つとして位置付けている。

　「多目的e-Cargo」は、「安心・安全」を実現する同社オリジナルの安全機構（開発中）を搭載した電動3輪自転車。ユーザーの所有満足度を高める、用途に応じたパーソナライゼーション（用途が広がる多彩なオプションパーツも準備中）が可能で、自転車用高耐久チェーンの開発も進めている。また、折りたたみ電動バイク「タタメルバイク」を中心に、様々なアイデアを具現化するスタートアップ企業のICOMAの協力の下、乗り心地のよいスタイリッシュなデザインを採用している。

　椿本チエインでは、半世紀以上にわたり、世界の自動車メーカーに自動車エンジン用タイミングチェーンシステムを納入してきた。この分野で培った、（1）自動車エンジンの安全に貢献する品質と技術力、（2）安定供給のための量産システム、（3）機械部品（チェーンやカムクラッチ他）で培ったコア技術など、同社の強みをフル活用することにより、他社にはない「安心・安全」と「パーソナライズ」を実現する。

　今後は、24年度の市場投入を目指し、展示会などでの意見も参考に改良を加え、商品開発を加速していく。