【木村ヒデノリのThe HOUSE #2】スマート冷蔵庫はかなり便利だ。これは間違いない。ただ使いこなせている人はほとんどいないだろう。カメラで冷蔵庫内を見る機能を活用するにはそれなりのコツがいる。このテクニックは普通の冷蔵庫でも中身が一目瞭然になるので参考にしてほしい。今後筆者が手がけるリノベーションでは基本的にスマート冷蔵庫を採用していくつもりだ。
そもそも冷蔵庫はここ十数年ほとんど進化していない。AQUAや海外メーカー(カゲナウやミーレなどビルトイン式の冷蔵庫)を選ぶのなら別だが、正直、各社横並びなのでポイントになるのはそれ以外の機能性だ。
そうそう買い替えるものではない割に、毎日使うのが冷蔵庫。それを考えると、新築や引っ越しなど買い替えタイミングでは慎重に選ぶのが良いだろう。現在スマート機能が付いていて、冷蔵庫単体としての機能性も申し分ないのは日立の製品一択となっている。617Lモデルは横幅が685mmとスリムなので集合住宅でもおすすめできる。
・コンビニのように「前陳」で並べる
・必ず空いているスペースを作る
・使う頻度が少ないものは1カ所に
この3つを守ればカメラ機能を120%活用できるので、外出先から完璧に在庫を管理可能できておすすめだ。さらにこのテクニックを身につければ、普通の冷蔵庫でも外出前にスマホで写真を撮るだけで外出先での在庫管理が可能になる。
1番目のコンビニのように並べるところから解説しよう。「前陳」とは「前進立体陳列」を略したもので、商品と在庫を縦に陳列する方式だ。手前のものを使ったら、新しい在庫を置くから引っ張り出して置いておく。こうすることで何が入っているか、在庫はあるのかが一目瞭然になる。
こうすると冷蔵庫の奥行きを効率よく使うことができるし、縦に同じものが並ぶので見えない場所に忘れ去られた食材がある、といった現象を防げる。透明なケースやトレイを使うと丸ごと取り出して在庫の補充や移動ができるのであわせて購入しておきたい。
今回のケースでは棚板が移動できる場所をこのスペースに割り当てた。こうすることで、スイカなど大物を入れたい場合も棚板を外して下に移動することで対応でき便利だ。
そして今回、日立の冷蔵庫としての優秀さがここで役立つ。R-HXCC62Tなどカメラ付きのシリーズは日立がこれまで積み重ねてきた技術をそのまま受け継いだスマート冷蔵庫なので「まるごとチルド」などの便利機能がスマート機能とともに活用できる。
「まるごとチルド」機能は庫内を丸ごと温度2℃、湿度80%に保ってくれるのでなんとサランラップをしなくて良い。「新鮮スリープ野菜室」に至っては葉物野菜を「いつ買ったっけ?」というくらい保管しておいても新鮮なまま保ってくれる驚異的な機能だ。
こうした機能性の部分は海外製冷蔵庫にはないものなので、活用することで唯一無二の恩恵が得られるだろう。
こういうものは回転トレイにまとめて置いておくと完璧に管理できるのでおすすめだ。奥のものも回すことで手前に持ってこられるので格段に取り出しやすくなる。トレイの奥のスペースは、在庫スペースとして活用すると良い。少なくなってきた調味料の在庫を買ってきておいて奥に保管する、といった使い方だ。
日立のスマート冷蔵庫なら開けた直近の状態を扉も含めて撮影しておいてくれるので飲み物や卵、ドレッシングの在庫管理もできて便利だ。
また、扉の開閉を家族と共有できるのもスマート機能の便利なところ。例えば実家の冷蔵庫をこれに入れ替えておけば毎日の見守り用途としても活用できる。冷蔵庫の機能性としても優れていて、こうした付加機能があるのだからスマート冷蔵庫を選んでおいて損はないだろう。
また、撮影された冷蔵庫内の画像表示が遅い。他社アプリでは一旦クラウドに上がった画像でも即座に表示できているのもあるので、キャッシュをあらかかじめローカルにダウンロードさせるなどすばやく表示できるような改良はぜひ進めてほしい。
ソフト面ではまだグローバルスタンダードに及ばないところはあるが、逆に冷蔵庫としての機能性は海外製にはない特徴がある。ここは素晴らしい。そして日立にはグローバルな製品を開発する部署があり、こちらの冷蔵庫も秀逸。こうした海外的な良さと日本的な機能性が今後合わさって唯一無二の製品が誕生することを期待したい。
ファミリーだと冷蔵庫1つでスペースが足りないこともあると思うので、次回はセカンド冷蔵庫の活用法やメイン冷蔵庫との使い分け方を紹介していこうと思う。
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
新築や引っ越し時はスマート冷蔵庫に
スマート冷蔵庫にはまだまだ進化してほしい点がたくさんある。カメラの画角や画質、数などは向上の余地があるし、棚に重量センサーもつけてほしい。ただ普通の冷蔵庫よりは「かなり良い」というのが使ってみるとわかる。そもそも冷蔵庫はここ十数年ほとんど進化していない。AQUAや海外メーカー(カゲナウやミーレなどビルトイン式の冷蔵庫)を選ぶのなら別だが、正直、各社横並びなのでポイントになるのはそれ以外の機能性だ。
そうそう買い替えるものではない割に、毎日使うのが冷蔵庫。それを考えると、新築や引っ越しなど買い替えタイミングでは慎重に選ぶのが良いだろう。現在スマート機能が付いていて、冷蔵庫単体としての機能性も申し分ないのは日立の製品一択となっている。617Lモデルは横幅が685mmとスリムなので集合住宅でもおすすめできる。
冷蔵庫の中身は「陳列」すべし
スマート冷蔵庫活用の肝は空間の使い方だ。整理整頓というよりは陳列と言ったほうが良いだろう。ポイントは下記の3つ。・コンビニのように「前陳」で並べる
・必ず空いているスペースを作る
・使う頻度が少ないものは1カ所に
この3つを守ればカメラ機能を120%活用できるので、外出先から完璧に在庫を管理可能できておすすめだ。さらにこのテクニックを身につければ、普通の冷蔵庫でも外出前にスマホで写真を撮るだけで外出先での在庫管理が可能になる。
1番目のコンビニのように並べるところから解説しよう。「前陳」とは「前進立体陳列」を略したもので、商品と在庫を縦に陳列する方式だ。手前のものを使ったら、新しい在庫を置くから引っ張り出して置いておく。こうすることで何が入っているか、在庫はあるのかが一目瞭然になる。
こうすると冷蔵庫の奥行きを効率よく使うことができるし、縦に同じものが並ぶので見えない場所に忘れ去られた食材がある、といった現象を防げる。透明なケースやトレイを使うと丸ごと取り出して在庫の補充や移動ができるのであわせて購入しておきたい。
大きめの冷蔵庫を買って必ず空きスペースを作る
大きめの冷蔵庫を買っておくのもポイントだ。冷蔵庫には必ず在庫を入れない空きスペースがほしい。ここには鍋や皿に入った料理が並ぶことになる。今回のケースでは棚板が移動できる場所をこのスペースに割り当てた。こうすることで、スイカなど大物を入れたい場合も棚板を外して下に移動することで対応でき便利だ。
そして今回、日立の冷蔵庫としての優秀さがここで役立つ。R-HXCC62Tなどカメラ付きのシリーズは日立がこれまで積み重ねてきた技術をそのまま受け継いだスマート冷蔵庫なので「まるごとチルド」などの便利機能がスマート機能とともに活用できる。
「まるごとチルド」機能は庫内を丸ごと温度2℃、湿度80%に保ってくれるのでなんとサランラップをしなくて良い。「新鮮スリープ野菜室」に至っては葉物野菜を「いつ買ったっけ?」というくらい保管しておいても新鮮なまま保ってくれる驚異的な機能だ。
こうした機能性の部分は海外製冷蔵庫にはないものなので、活用することで唯一無二の恩恵が得られるだろう。
回転什器と場所決めで「忘れられた調味料」を作らない
最後のポイントは「あまり使わないものを1つの場所に入れる」ということだ。甜麺醤や豆板醤などたまにしか使わない調味料は意外とある。かといって無いと困るのがこういった商品。適当に冷蔵庫の中に入れてしまうと奥に入り込んでしまって、無いと思って買ってきたら奥に入っていた、なんてことが起こりがちになる。こういうものは回転トレイにまとめて置いておくと完璧に管理できるのでおすすめだ。奥のものも回すことで手前に持ってこられるので格段に取り出しやすくなる。トレイの奥のスペースは、在庫スペースとして活用すると良い。少なくなってきた調味料の在庫を買ってきておいて奥に保管する、といった使い方だ。
扉が撮影できるのもこの機種だけ
扉の在庫管理ができるのもこの製品の特筆すべき点だ。他の製品は扉にカメラがついているので、庫内は見られても扉は映らない仕様になっている。日立のスマート冷蔵庫なら開けた直近の状態を扉も含めて撮影しておいてくれるので飲み物や卵、ドレッシングの在庫管理もできて便利だ。
また、扉の開閉を家族と共有できるのもスマート機能の便利なところ。例えば実家の冷蔵庫をこれに入れ替えておけば毎日の見守り用途としても活用できる。冷蔵庫の機能性としても優れていて、こうした付加機能があるのだからスマート冷蔵庫を選んでおいて損はないだろう。
ソフトウェアの進化や一体化は今後期待したい
日本の家電製品全般に弱いのがアプリの機能性だ。ここは外国企業に大きく遅れをとっている。例えば日立の冷蔵庫も専用アプリになっていて、洗濯機などと互換性はない。ユーザーからすると、1つのアプリでそのメーカー全ての製品が使えるようになってほしいところだ。また、撮影された冷蔵庫内の画像表示が遅い。他社アプリでは一旦クラウドに上がった画像でも即座に表示できているのもあるので、キャッシュをあらかかじめローカルにダウンロードさせるなどすばやく表示できるような改良はぜひ進めてほしい。
ソフト面ではまだグローバルスタンダードに及ばないところはあるが、逆に冷蔵庫としての機能性は海外製にはない特徴がある。ここは素晴らしい。そして日立にはグローバルな製品を開発する部署があり、こちらの冷蔵庫も秀逸。こうした海外的な良さと日本的な機能性が今後合わさって唯一無二の製品が誕生することを期待したい。
リフォーム、リノベ時には検討したいスマート冷蔵庫
買い替えないのに毎日使うのが冷蔵庫だ。機能性で見ると1人暮らし用とファミリー用では雲泥の差があって、手間もだいぶ変わってくる。毎日使うものだからこそ、そのあたりを考えて1人暮らしでもファミリー用の導入を検討したい。購入して5年以上経っている方も検討の余地があるだろう。ファミリーだと冷蔵庫1つでスペースが足りないこともあると思うので、次回はセカンド冷蔵庫の活用法やメイン冷蔵庫との使い分け方を紹介していこうと思う。
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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