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アイ・オー・データ機器「LCD-GCU271HXAB」レビュー、PS5の性能を最大限に引き出せる4K/160Hz対応高性能ゲーミングモニター

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation 5」(以下PS5)は、前世代となるPS4の約5倍のGPU性能を誇る、高性能ゲーム機だ。PS4では、4K解像度での出力には対応していなかったが(PS4 Proは4K/60Hz対応)、PS5では、現時点のコンシューマーゲーム機では最高レベルの4K/120Hz出力に対応していることが魅力といえる。本稿では、PS5の高い性能をフルに引き出せる、アイ・オー・データ機器のゲーミングモニター「LCD-GCU271HXAB」を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

PS5の性能をフルに引き出せる
アイ・オー・データ機器のゲーミングモニター
「LCD-GCU271HXAB」

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントの最新ゲーム機「PS5」は、Xbox Series Xと並んで、コンシューマーゲーム機としては現時点最高レベルの性能を誇る製品。前機種のPS4では、フルHD/60Hz出力しか対応していなかったが、PS5では解像度がフルHDの縦横2倍となる4Kに対応し、リフレッシュレートも120Hzに対応する。

 ざっくりいうと、画質は4倍に向上し、映像の滑らかさは2倍になったということ。もちろん、PS5の4K/120Hz出力でゲームを楽しむには、映像を表示するモニターやテレビも4K/120Hzに対応している必要がある。大型テレビやパソコン用のモニターも、4Kに対応した製品が増えてきているものの、リフレッシュレート120Hz以上に対応した製品はまだそれほど多くはない。せっかくPS5でゲームをするのなら、その性能を最大限に引き出せる、4K/120Hz以上に対応したモニターかテレビに接続したい。

 アイ・オー・データ機器のLCD-GCU271HXABは、4K/160Hzに対応した27型ゲーミングモニター。同社は、PC周辺機器メーカーとして長い歴史を持ち、近ごろは「GigaCrysta」というゲーミングモニターブランドにも力を入れている。LCD-GCU271HXABは「GigaCrysta」ブランドの製品で、PS5の4K/120Hz表示が可能なだけでなく、HDMI VRRやDisplayHDR 400にも対応。PS5の性能をフルに発揮することができる。まずは、外観から見ていこう。

スタイリッシュなフレームレスパネルを採用、ゲーミングスタンドも便利

 画面には、パネルとフレームの段差がないフラットなフレームレスパネルを採用し、外観もスタイリッシュ。ベゼル幅はわずか3mmしかないので、27型としては横幅も613mmとコンパクトだ。
 
フレームレスパネル採用で、すっきりした外観を実現

 ゲーミングモニターを使ううえで重要になるのが、スタンドの機能だろう。ゲームに熱中すると、長時間モニターを見つめることになる。モニターの高さや角度が適切に調整されていないと、目や肩などに余計な負担がかかってしまう。LCD-GCU271HXABには、高さや角度などを調整しやすいゲーミングスタンドが付いているので、プレイヤーの負担を減らすことができる。

 ゲーミングスタンドで調整できるのは、「高さ」「チルト」「スイベル」「ピボット」の4項目。高さは、上下110mmのアップダウンが可能で、チルト(角度)は、上20度、下3度まで調整可能、スイベル(左右への首振り)は、左右それぞれ65度(合計130度)回転させることができる。さらに、液晶パネルを左右に90度回転させて、縦画面にして使うピボット機能にも対応している。
 
モニターの高さを一番高くした状態
 
モニターの高さを一番低くした状態

 スタンドに目盛りがついているのも便利だ。自分にちょうどいい高さは目盛りの上から何番目と覚えておけば、モニターを別の場所に移動させたり、他の人が使ったりして高さが変わってしまった場合でも、すぐに元の高さに戻すことができる。スタンドの調整機能については申し分ない。モニターを移動させるときに便利なハンドルもついているので、安全に持ち運べる点もポイントが高い。
 
高さを合わせる目印となる目盛りが用意されている

 また、ゲーミングモニターらしく、イルミネーション機能も搭載されている。本体背面の「GigaCrysta」ロゴと背面左右のバーにフルカラーLEDが内蔵されており、さまざまなパターンで美しく点灯する。色や明るさ、点灯パターンなどは自由にカスタマイズでき、オフにすることも可能。発光するのは背面なので、プレイヤーから基本的に見えず、プレーの邪魔になることもない。他方、eスポーツ大会などでは観客はモニターの背面を見ることが多いので、光るロゴが効果的な演出となる。
 
背面の「GigaCrysta」ロゴと
左右のバーがレインボーカラーで光る

USB Type-Cを含む4系統入力に対応、ステレオスピーカーも搭載

 LCD-GCU271HXABは、入力端子が充実していることも魅力の一つ。HDMI×2とDisplayPort×1に加えて、USB Type-C×1の合計4系統の入力端子が用意されているので、PS5とSwitchとパソコンとタブレットの4台の機器を同時に繋ぐことができる。なお、HDMI端子のうち1つは最大4K/160Hz対応、もう1つは最大4K/120Hz対応。また、画面を2つに分割して2つの機器の映像を同時に表示するPbyP機能にも対応している(分割表示時はHDRが無効になる)。

 USBハブ機能も内蔵しており、USB Type-Aポートが2基用意。パソコン本体とモニターをUSB Type-Cで繋げば、モニターにマウスやキーボードを繋ぐことができる。出力2W+2Wのステレオスピーカーも搭載しており、ゲームのサウンドなどがそのまま楽しめる。
また、USBハブのうち1基は5V/1.0Aの電源供給に対応。Chromecastなどのストリーミングデバイスの給電用としても便利だ。

 特徴的なのは、PS5などのゲーム機のサウンドとスマートフォンのボイスチャットの音声を、外部機器を介することなく内部でミックスし音声出力する「GC Mixer」機能。ボイスチャットをしながらゲームをプレーしたいという人にはありがたい。LCD-GCU271HXABのヘッドセット端子は4極でマイクをサポートしているので、ヘッドセット端子にヘッドセットを接続することで、スマートにボイスチャットが可能となる。
 
HDMI×2、DisplayPort、USB Type-Cの
合計4系統の入力端子が用意されている。
右側の2つのUSB Type-Aポートにマウスやキーボードを接続できる

便利な赤外線リモコンが付属

 LCD-GCU271HXABには、電源ケーブルとHDMIケーブル、DisplayPortケーブル、USB Type-Cケーブル、リモコンが付属している。すべての端子に対応したケーブルが付属しているのはありがたい。リモコンには、入力切替や画面モード切替など、40個以上のボタンが用意されており、いちいちモニターの下のボタンを押してOSDメニューを呼び出さなくても、素早く操作できるので便利だ。また、このリモコンでLCD-GCU271HXABに接続したBDレコーダーやゲーム機、Chromecastをはじめとするストリーミングデバイスなどのメニューも一部操作することができる。
 
付属の赤外線リモコン。
下側のボタンは接続したBDレコーダーなどの操作に利用する

VRRやDisplayHDR 400に対応するなどゲーミングモニターとしての性能も高い

 LCD-GCU271HXABは、ゲーミングモニターとしての基本性能も高い。解像度は3840×2160ドット(4K)で、10bit入力に対応。最大10億7374万色表示が可能だ。パネルとしてAVHAパネルを採用し、上下左右178度という広い視野角を実現。応答速度を高めるオーバードライブ機能を搭載しており、オーバードライブレベル3設定時の応答速度は最小1ms[GTG]と高速だ。

 オーバードライブには、新たに極限まで応答速度を短縮するバーストモードを追加。応答速度を追求するFPSプレイヤーにもおすすめだ。最大輝度は350cd/m2で、最大リフレッシュレートは160Hzと高速。4K/120Hz対応のPS5だけでなく、より高いフレームレートでの描画が可能な高性能ゲーミングPCの性能も十分に引き出すことができる。

 ゲームや動画をより見やすく、迫力のある映像で楽しむための機能も充実している。最近人気のダークファンタジー系やホラー系のゲームでは、暗めのシーンが多く、影に隠れた敵やアイテムなどがよく見えないことがある。そういったシーンでLCD-GCU271HXABに搭載されている「Night Clear Vision」を利用すれば、暗がりに隠れた敵もより鮮明に映し出す。映像にメリハリをつけつつ、鮮やかに表現する「エンハンストカラー」機能や低解像度の映像の解像感を向上させる「超解像技術」も作品の魅力をさらに引き出してくれる。

 さらに、GPUがレンダリングするフレームレートに合わせてリフレッシュレートを可変させることで、画面のカクツキや乱れを防ぐVRR(可変リフレッシュレート)にも対応。PS5は、当初VRRをサポートしていなかったが、2022年4月のシステムアップデートでVRRをサポートした。

 あわせて、LCD-GCU271HXABは通常よりもダイナミックレンジが広いHDR信号にも対応し、HDRの業界基準であるDisplayHDR 400を取得。HDR対応ゲームや映像を白飛びや黒つぶれのないダイナミックな表現が可能だ。PS4やPS5はHDR出力に対応していることがウリの一つだが、VRRとHDRに対応したLCD-GCU271HXABなら、PS5やPS4のゲームを最高の画質で楽しむことができる。

OSDメニューの設定もしやすい

 こうした機能の設定は、OSDメニューによって行う。OSDメニューの操作は本体右下にある四つのボタンか、付属のリモコンによって行う。OSDメニューは設定項目が充実しているだけでなく、それぞれの設定項目の説明が表示されるので、初心者にも分かりやすくなっている。リモコンを使えばより直感的な操作が可能。OSDメニューのトップページに表示されているコードからスマホなどを使って、取扱説明書やQ&Aを見ることができるのも便利だ。
 
OSDメニューの設定は本体右下にある
4つのボタンで行う(一番右は電源ボタン)
 
OSDメニューのメインメニュー
 
こちらはオーバードライブに関する設定。
左に説明が表示されるので親切

実際にPS5を接続して4K/120Hz環境を体験してみた

 重ねてにはなるが、LCD-GCU271HXABは、PS5の性能を最大限に引き出せるモニターということで、実際にPS5を接続して、4K/120Hz環境でゲームをプレーしてみた。なお、PS5なら全てのゲームが4K/120Hzに対応しているというわけではない。ゲーム側での対応も必要となる。ここでは、4K/120Hz対応のゲームとして、幅広い世代に人気の「フォートナイト」を試してみた。

 「フォートナイト」では、グラフィック設定で「120FPSモード」をオンにすることで、120fpsでの出力が可能になる。「フォートナイト」のリアルタイムで現在のフレームレートを表示する機能をオンにしたところ、確かに120fpsで描画されていることを確認できた。また、LCD-GCU271HXAB側にも入力信号の解像度やリフレッシュレートを表示する機能があり、そちらでも4K/120Hz出力になっていることがわかる。
 
「フォートナイト」のグラフィック設定で
「120FPSモード」をオンにする
 
「フォートナイト」ではフレームレートを表示する機能がある。
ちゃんと120fpsで描画されていることがわかる
 
モニター側にも解像度やリフレッシュレートを表示する機能があるが、
ちゃんと120Hzと表示されている

 カラーフォーマットは4K 120Hz出力時にYUV 4:2:2で表示可能。YUV4:2:0に圧縮されないためPS5のパフォーマンスを最大限発揮できる。

 実際に、60fpsと120fpsを切り替えて「フォートナイト」をプレーしてみたが、120fpsと60fpsの違いははっきりと感じることができる。60fpsでも十分快適にプレーはできるが、120fpsのほうが高速に視点を変えても滑らかに画面がついてきて、さらに快適。敵へのエイミングも120fpsのほうが精度よく高速で、腕がワンランク上がった気になった。HDRに対応しているため、鮮やかでメリハリのある画面で快適にゲームをプレーすることができた。
 
4K/120Hzで「フォートナイト」をプレー中。
動きが滑らかでとても快適だ
 
PS5とはサイズ感もマッチする

PS5ユーザーには特におすすめだが、ゲーミングPCとの相性もバッチリ

 LCD-GCU271HXABを実際に使ってみると、4K/160Hz対応の高性能ゲーミングモニターで、PS5の高い性能をフルに発揮させることができたと感じる。さらに、一度に4台の機器を接続できるので、PS5だけでなく、ゲーミングPCやBDレコーダーなどを繋ぎたいという人にもおすすめだ。発色やコントラスト、応答速度などの基本性能も優れている。フルHD対応ゲーミングモニターなどからの買い換えにも適していると言えるだろう。一度120fpsに慣れてしまうと、もはや60fpsには戻れない。PS5を持っていて、まだ120fps環境を体験していないという場合は、検討の価値がある。