2023年はどんなガジェットがトレンド? BEST HOUSETECH OF THE YEAR 2022

レビュー

2023/01/10 12:30

【木村ヒデノリのTech Magic #151】 2023年がスタートした。昨年も多くのガジェットを実際に使ってレビューしてきたが、その中でも「これはライフスタイルを大幅に向上させてくれる!」という製品を厳選して紹介したい。23年に導入するものの参考になれば幸いだ。

2022年に生活を大幅に向上してくれた製品をランキング形式で紹介

21年のランキングと変更した点

 21年のランキングは画像の通り。どれも優秀だったが現実的に生活を変えてくれた目線でランキングしているので1位はゴミ箱とやや地味な結果に。ただこのTOWNEWは今年もバリバリ活躍してくれていて非常に気に入っている。
 
21年の第5位:スマートライトシステム
「Hue Sync Box」
 
21年の第4位:バーチャル窓
「Atmoph Window 2」
 
21年の第3位:スマートティーポット
「teplo」
 
21年の第2位:スマート水耕栽培システム
「Botanium」
 
21年の第1位:スマートゴミ箱
「TOWNEW」

 前回のランキングとの変更点は各機器の評価基準。先進性と継続性の2点で評価していたが今回はよりわかりやすく先進性→生活の変化度、継続性→毎日使う率と名称を変更。加えて「コスパの良さ」という項目を追加した。価格が高くても買う意義がどれくらいあるかの目安にしてほしい。

第5位 Ring Video Doorbell 4

2万3980円
生活の変化度:★★★☆☆ 毎日使う率:★★★★★  コスパの良さ:★★☆☆☆

 筆者はこれまでパナソニックの外でもドアホンを使っていたが、アプリの出来が悪く外ではほぼ使えていなかった。Googleのネストドアベルも悪くなかったが、スマートスピーカー無しだと宅内で呼び鈴が鳴らないのが不便。その点、リングビデオドアベル4は宅内用の呼び鈴オプションがあって実用的。外でもスムーズに応答ができるので、宅配の受け取り漏れがほぼゼロになった。やや高めな点だけがネックで星2つ。

第4位 SwitchBotロック&キーパッドタッチ

1万9460円(ロック、キーパッド、ハブミニのセット)
生活の変化度:★★★☆☆ 毎日使う率:★★★★★  コスパの良さ:★★★☆☆

 玄関関係の製品が立て続けにランクイン。やはり玄関周りは毎日使うので便利になった実感がしやすい。これまではQrioを使っていた筆者だが、玄関前に立つと自動で開いてくれる機能やタッチパッドなどがどうもうまく動かない。タッチパッドは物理キーではないのでミスタッチやタッチできないという不具合が頻発した。

 その点、SwitchBotは超優秀。特に指紋での開け閉めが快適すぎる。今まで念のためと鍵を持ち歩いていたがそれがなくなった。タッチからロックが開くまでの時間も1秒弱と高速。昨年7月から半年くらい使っているがまだバッテリー交換もなし。価格は単体で見ると安くないが、他社製品と比較すると半額程度と安い。23年スマートロックを導入するならこれで決まりだ。キーパッドはマストで併せ買いしよう。

第3位 JANOME Artistic Digitizer & BROTHER イノヴィスNX2800DW

JANOME Artistic Digitizer:18万7000円
 
ブラザー イノヴィスNX2800DW:45万9800円
生活の変化度:★★★★★ 毎日使う率:★★☆☆☆  コスパの良さ:★★☆☆☆

 男性で洋裁ができると子供が喜ぶし、奥さんにも頼りにされて自己肯定感も爆上がり。2023年ぜひ試してほしい。まずは刺繍ができる環境を整えるのがおすすめ。西松屋やGUで買ってきたシンプル服に子供が好きなワンポイントを刺繍で入れてあげよう。簡単にオリジナル服が作れる。

 刺繍データを作るソフトはJANOME Artistic Digitizerがベスト。フリーソフトだと使いづらいし、他社製はほぼWindowsオンリー。その点、Artistic DigitizerはMacに対応。慣れてきたら複雑な模様も作れる自由度があっていい。上級用ソフトだとWilcom製があるが数十万円と超高額。上級相当の機能でこの価格はかなりお買い得だと思う。

 いろいろ使ってみて刺繍機能付きミシンはブラザーのイノヴィスNX2800DWが使いやすかった。他社製と比べて刺繍時にかかる手間が少ないのに加え、機能を登録できるフットスイッチなどオプションも充実。刺繍と実用縫い兼用で使えるので作りたいもの全て作れて死角なし。刺繍面積が非常に広いのも魅力だ。家庭用とは思えないパワフルさでジーンズ生地など余裕。キャンプ用品などを作るのにも良いだろう。

 筆者は洋裁をきっかけにコスプレ作りにもハマっている。子供用のコスプレはなかなか売っていないので作れると便利。家族でイベントに参加するのも楽しい。JANOMEのソフトとブラザーのミシンの組み合わせが今の所ベストだ。

第2位 Narwal Freo

18万9800円
生活の変化度:★★★★★ 毎日使う率:★★★★★  コスパの良さ:★★★☆☆

 部屋掃除ロボットの決定版が来た! ルンバで綺麗にならなくなっていた木村家に革命を起こしてくれたのがこれ。床は常にピカピカで真の意味で掃除機がけを自動化できた一品。回転モップは自動洗浄され、洗浄水に洗剤も自動投入してくれる。こするトルクも変えられるのでタイル床でも汚れが良く落ちる。

 障害物検知や落下防止、マッピングなどの機能はエコバックス製の方が優れているが、一番凄いと思ったのが静音性。本当に吸ってる?となるくらい静か。早朝や子供が寝たタイミングでもなんの問題もなく使える。そしてゴミもすごく取れる。なんでルンバはあんなに大音量だったんだろう…。これでゴミをタワーへ貯めてくれる機能があったら完璧だった。静かさを求めないなら全部自動化できるエコバックスの「DEEBOT X1 OMNI」がおすすめ。静かさは他のロボットにない要素だったので2位とした。23年はどんなロボット掃除機が出てくるのか今から楽しみだ。

第1位 Hyundai IONIQ5

479万円~589万円
生活の変化度:★★★★★ 毎日使う率:★★★★☆  コスパの良さ:★★★★★

 映えある第1位はなんとBEV(完全電気自動車)だ。電気だけで走ると聞くとまだ早いように思うかもしれないが、自宅に充電ポートがあるならなんの問題もない。外出先で充電するのも30分で70%くらいはチャージできるので周りで言われているほど不便ではなかった。おそらく不便に感じるのは国内で手に入るほとんどのBEVの電池容量が少ないからだろう。その点、IONIQ5は1充電で500km程度走れるなど大容量。東京から愛知までも充電なしで走行できた。

 そして特筆すべきはそのコスパの良さ。室内空間は天井がガラスなのも相まって相当広く感じる。特に後部座席の広さは国産SUVでは感じることのできない解放感がある。シートは無重力的な倒し方ができるし、オットマン付きで長距離でも体への負担が少ない。運転サポート機能も優秀で、車線も自動で変更してくれる。車重が重いので高速走行でも滑らかで安心感のある走りになっている。

 後部座席はフルフラットにできるのでエアコンをつけたまま車中泊するなどEVカーならではの楽しみ方が可能。さらに充電口からは100V電源が取り出せるので電源がない場所でのキャンプや災害時にも大活躍だ。

 ここまでの機能性とラグジュアリーさは正直TeslaのModel Xより上なのでは?と思ってしまうほどだが、価格まで安いときている。なんと479万円から購入できるのだ。このコスパの高さは驚愕で他社はしばらく追いつけないだろう。マイカーを持つならこれしかない!と思わせてくれる車だった。

 2022年はスマートホームやバッテリー系製品の進化が目覚ましかったように思う。2023年はガジェットやテック製品に限らず玩具や撮影用品なども多く取り上げるのでぜひ楽しみにしていてほしい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)

■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
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