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ケースに第三のチップを搭載した新発想の完全ワイヤレスイヤホン! 「CYBERBLADE」が超低遅延&非圧縮音源で革命を起こす

レビュー

2022/12/27 12:00

【木村ヒデノリのTech Magic #148】 完全ワイヤレスイヤホンはAirPods Proで決まりだと思っている読者もこれは必見だ。筆者も正直AirPods以外は横並びだと思っていたワイヤレスイヤホンに革命を起こす製品が登場した。ケースに第三のチップを搭載することで独自通信を行い、高音質はそのままに遅延の限界を突破。ドックを介して接続中はケースがボリュームコントロールの役割も果たしてくれる。これならワイヤレスイヤホンに高額を投じるのもアリかもしれない。

イルミネーションも気分を高揚させてくれる完全ワイヤレスイヤホン
「CYBERBLADE」
 
ドックの足はアクリルになっていてデザイン性が高い
 
使用中はモードごとにイルミネーションが変化
 
カラーは全部で3種類
 
高速充電やケースを利用した長時間使用も
 
イヤーピースはメモリーフォームとシリコンの両方が付属

進化が鈍化していた業界に革命を起こす製品

 どんなに進化してもBluetoothを使っている時点で音質や速度が頭打ちになってしまう完全ワイヤレスイヤホン。以前レビューしたShure以降、どれも大差ないと注目していなかった。
 
以前レビューしたShure「RMCE-TW1」

 CYBERBLADEも最初はあまり乗り気ではなかったが、特徴を読みこむうちに俄然興味が湧いてきた。というのもCYBERBLADEは完全ワイヤレスにも関わらず、高音質と低遅延を両立した革命機だったのだ。
 
10mm口径のドライバーで低音もしっかりと再生

 通常、ワイヤレスでは音質と遅延はトレードオフだ。このためゲームなど遅延が影響する場合は高圧縮低遅延にし、音楽など音質が重視される時は低圧縮にする代わりに遅延させているのが現状。しかしCYBERBLADEでは原音を圧縮せずに36msという低遅延を実現しているというから驚きだ。
 

 36msがどのくらい速いかは上の表でわかる。現状Bluetooth方式で一番速いのがaptX LLの40msだが、それよりも速い。しかもaptX LLの場合、圧縮率が高いので音質は犠牲になってしまう。これと比較すると原音に近い音を36msで通信できるCYBERBLADEがいかに凄いかわかるだろう。高音質と低遅延を両立した完全ワイヤレスイヤホンは珍しい。これまで停滞していた業界に新たな風を吹き込んでくれる製品だ。
 
最近のワイヤレスイヤホンはノイキャンなど音質以外の部分で勝負している印象

第三のチップが幅広いデバイスで超低遅延を実現

 さらに素晴らしいのはこのポテンシャルを幅広い機器で使えることだ。通常Bluetoothなど特定の通信方式に対応していなければ改善できなかった速度や音質。CYBERBLADEはケースにチップを組み込み、中継機として利用することでこれを解消した。
 
ケースにチップを内蔵して中継機に

 PS5やNintendo Switchなどほとんどのゲーム機やMac、WindowsなどのPCとUSB-Cでドックを接続。すると原音ほとんどそのままがドックに入力され、独自の方式でイヤホンへと送られる。
 
PS4/PS5/PC/Mac/Xbox/Sitch/iPadなどBluetoothの有無に関係なく使える

 こうすることで接続する機器に依存せずに高音質低遅延を体験できる。さらにこの方式(ASE接続)で接続中はケース蓋を回転させることで音量のコントロールも可能。普段充電のために置いておくだけだったケースにデスクトップ上での役割を割り当て、見た目もスタイリッシュに仕上げているのがAngry Miaoの真骨頂だ。

デザインだけで惚れ込むファンも多い

 デバイスのデザインも他のワイヤレスイヤホンとは一線を画している。Angry Miaoの製品はそのデザインだけで世界にファンを作る完成度だ。
 
SFゲーム「Horizon Zero Dawn」のアイテムを彷彿させる佇まい

 例えば、キーボード一つとっても斬新で他にはないデザイン、機能性が融合していて欲しいという気持ちを掻き立てられる。海外にファンが多いのも納得だ。
 
LED付きのCYBER BOARDなど他製品も一見してわかる革新的なフォルム

 CYBERBLADEも例に漏れず、LEDの表情からフォルムまでイヤホンとは思えないデザイン性の高さとなっている。また前述したように、ドックとケースに充電以外の役割を持たせた点も大きい。
 
デスク上ではボリュームノブとして活躍、非常に使いやすい

 外出時は通常のワイヤレスイヤホンと充電ケースとして活躍するが、帰宅してドックに置けばそれはデザイン性の高い音量ノブとなる。デスクの雰囲気を損なわずに使い勝手の良いハードウェアとして機能するイヤホンは他にないだろう。

ユーザビリティも秀逸、悩ましいのは価格か

 使い勝手もすこぶる良い。ケースを介した接続ではペアリングの必要もない。ドックに置いている状態でケースをダブルクリックするとBluetoothに切り替わりすぐにスマホで聴取ができる。
 
押す動作でブースターやLEDの切り替えも可能

 ノイズキャンセリングの利き方はイヤーピースにもかなり影響されるが、メモリーフォームタイプでしっかりと合わせれば十分な印象だ。
 
しっかりフィットさせればノイキャンも優秀

 映画やゲームはもちろんだが、音楽も音源によってかなり解像度高く聞こえる。オフィスで作業中に利用するような場合、周りの声も聞こえるような状態で聴くと思うが、ノイキャンなし、小さめの音量でもASE接続ならかなり満足できる音質で聞こえる。しかも驚くほど軽い。これは耳を覆うタイプのヘッドフォンでは実現できない体験ではないだろうか。
 
かなり軽量なのに充電も長持ちするのがうれしい

 機能性は申し分ないが、一般販売価格5万2000円と聞くと少し躊躇してしまう。デスクでも外でも統一して使うというユーザー、もしくは自宅がPCでAirPods的な使い方がしたかったという方なら買い替えで導入するのは良いだろう。またMacユーザーでも音質の向上や音量ノブとしてケースを使うユーザビリティにはメリットがある。
 
筆者はデスクに置いて使うこの感じが凄く気に入っている、
AirPodsは充電時がイマイチ…

 最新の情報だが、12月23日から二子玉川の蔦屋家電、12月25日から新宿b8ta Tokyoにて製品を体験できるそうだ。気になった方は試聴して違いを体感するのが早いし確実だと思う。製品はMakuakeで販売中なので1月30日まではお得な価格で購入できる。
 
体験してから買えば間違いない

 この技術による音質の違いは凄いので、購入しなくともぜひ体験してみて欲しい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
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