NTTソノリティは11月9日に、NTTが開発した「パーソナライズドサウンドゾーン（PSZ）」技術などを用いたデバイスやサービスを提供するコンシューマー音響ブランド「nwm（ヌーム）」から、初の製品としてPSZ技術を搭載したパーソナルイヤースピーカー「nwm MWE001」と「nwm MBE001」を発表した。


　PSZ技術は、“聴きたい音”のみを届けて“聴かれたくない音、聴きたくない音”を届けないようにする、究極のプライベート音響空間（パーソナライズドサウンドゾーン）の構築を目指す技術で、NTTコンピュータ＆データサイエンス研究所が開発した。
 
　ある音波（正相）に対して逆相の音波を当てることで音波同士が打ち消し合い、音が聞こえなくなる作用に着目し、特殊なハードウェア設計によって特定のエリアに限定した音を再生し、耳元に小さなカプセルのような音の空間を作り出すことで、耳を塞がなくても周囲への音漏れを最小限に防げる。

　従来の音響デバイスのスピーカーは、音をより遠くに届けることを目的としているため、スピーカーユニットを収納するエンクロージャーの中に逆相の音波も閉じ込め、正相との干渉を防いでいるが、PSZ技術は本来閉じ込められていた逆相の音波を積極的に活用している。
 
　nwm MWE001/nwm MBE001は、既存の音響デバイスのような没入感の追求から脱却し、ユーザーが今まさに存在するリアルな環境との価値に着目して、“周囲ともつながる”ことを重視したオープンイヤー型イヤホン。

　PSZ技術に加えて、NTTソノリティの音響設計技術と、数百回以上に及ぶハードウェア改良によって高音質を実現し、音漏れを抑えつつ音声コミュニケーションや音楽鑑賞も楽しめる音響デバイスとなっている。

　nwm MWE001は有線モデルで、11月9日にオンライン販売を開始した。価格は8250円。nwm MBE001はワイヤレスモデルで、今冬に「GREEN FUNDING」と「Indiegogo」にて日米でクラウドファンディングを開始、来春に一般発売する。バッテリ駆動時間は最大6時間で、価格はオープン。

　そのほか、ヘッドホンモデルの製品化も検討中で、nwm MWE001とnwm MBE001の海外での販売は、4月に業務提携を行った伊藤忠商事とともに、順次展開していく予定となっている。