大人も夢中になる宝石カットの世界 夏休みはKARATZの「原石磨きセット」で理想の宝石をDIY
【木村ヒデノリのTech Magic #126】 ここのところ漫画の影響もあって宝石業界が盛り上がりを見せている。筆者は幼少期から両親にガラス工芸をせがむ変わった少年だったが、「原石磨き」という趣味を見つけてどハマりした。原石磨きとは宝石をカットして好きな形に整えること。これをすることで透明がかったただの石が一気に宝石へと昇華する。複雑な形を作るのには専用の器具が必要になるが、簡単な形なら実はフリーハンドと安価な道具でできるのだ。原石やルース(カット済みだが石留めされていない宝石)を集めるのも楽しいが、自ら理想の形を作れる原石磨きには他にはない魅力がある。夏休みの自由研究として子供と一緒にも楽しめる宝石カットの魅力に迫った。
また最近では原石のコレクションも人気が出てきている。今年6月のBRUTUSで特集が組まれるほどで、同じものが二つとない点が好まれる理由。また、自然にできたものにもかかわらず結晶部分は立方体や六角柱など整った形をしているなど、荒々しさと整合性が共存した形状は時として美術品にも勝る美しさを持つ。
このように宝石を含めた鉱物全体の人気が高まっており、趣味としても地位を確立しつつあるのが現状だ。
おそらくこうしたものが無ければ産出されるほとんどのダイヤモンドは他の石と大差ない価格に落ち着くだろう。これを踏まえると「そもそも石の価値とは」というところに立ち戻ることができる。わかりやすい基準ややはりそれが世界に一つしかない、ということだ。一つしかないものを多くの人が美しい、欲しい、と感じれば必然的に価値が高くなっていく。つまり一つしかない石はどれでも高い価値を持つ可能性があるということだ。価格ではなく自分なりのこだわりや基準で集めるだけで価値が見出せるのが鉱物の魅力なのである。
こうしたありふれた石たちに「自分で価値を吹き込める」のが宝石カットの魅力だ。KARATZ STOREが販売する原石磨きセットには、カットしやすい硬さの原石のほか、全体の形を出すダイヤモンドやすりと、面の精度を高める600番~2000番の耐水ペーパーが各2枚ずつ付属。まずはダイヤモンドやすりで大体の形を出し、少ない番手から各面を整えていくと完成する。初心者向けの石はモースコードが4~5の硬さなのでサクサクと削っていけて楽しい。
最終的に2000番まで使えば艶が出て販売されているものと遜色ない仕上がりになる。筆者はフローライトを使ってカットしてみたが、思った以上に簡単に精度高く仕上げられ、かつ作業中は無心になれるので非常に良い体験だった。
宝石カットは「自分が気に入った原石を見つける」という楽しさと同時に「見過ごされて安く売られていたこの石に俺が命を吹き込んでやる!」という角度の楽しみ方ができる。実際プロでもこれらの半貴石にスポットをあてて価値を高めようという方がいるほどだ。自宅でこうした体験ができる楽しさは想像以上だった。
前述したマスターカッターの狩野氏は自分で鉱山へ理想の石を見つけに行っているそうで、深掘りすればするほど楽しめる側面を持っている。単純なコレクションで満足できなくなっている方は宝石カットの世界にも足を踏み入れて、自分の理想の宝石を販売してみる、というのも良い趣味になるのではないだろうか。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
原石のコレクションなども注目される宝石
以前から細々と楽しまれていた宝石のルースコレクション。ルースというのはカットされただけでアクセサリーなどの形態になっていない宝石のことで、筆者も安いものからいくつか持っている。ガラスや樹脂でも同じようなものはあるが、天然石のルースの場合、全く同じものが二つとないのが良い。天然石は触った時の温度や重さも独特で、人工物にない魅力がある。また最近では原石のコレクションも人気が出てきている。今年6月のBRUTUSで特集が組まれるほどで、同じものが二つとない点が好まれる理由。また、自然にできたものにもかかわらず結晶部分は立方体や六角柱など整った形をしているなど、荒々しさと整合性が共存した形状は時として美術品にも勝る美しさを持つ。
このように宝石を含めた鉱物全体の人気が高まっており、趣味としても地位を確立しつつあるのが現状だ。
ダイヤモンドだけが価値の高い石じゃない、一期一会の石の魅力
価値のある宝石と聞いて最初に思いつくのはダイヤモンドだと思うが、実はダイヤモンドが全てにおいて他の石に優っているわけではない。珍しい色や大きさのものを除き、ダイヤモンドが他の石より優っているのは「他の何よりも硬く傷つかない」という点においてのみなのである。我々は高い価格がつけられ流通しているダイヤモンドを価値のあるものと捉えがちだが、実際は生産調整やブランディングによる面が大きいのだ。おそらくこうしたものが無ければ産出されるほとんどのダイヤモンドは他の石と大差ない価格に落ち着くだろう。これを踏まえると「そもそも石の価値とは」というところに立ち戻ることができる。わかりやすい基準ややはりそれが世界に一つしかない、ということだ。一つしかないものを多くの人が美しい、欲しい、と感じれば必然的に価値が高くなっていく。つまり一つしかない石はどれでも高い価値を持つ可能性があるということだ。価格ではなく自分なりのこだわりや基準で集めるだけで価値が見出せるのが鉱物の魅力なのである。
驚くほど簡単に始められる宝石カット、ワンランク上を目指すのもアリ
このように出会いを楽しめる鉱物だが、出会った石に自分なりの価値を加えられるのが宝石カットだ。アクアマリンやアメジストのように希少価値が低い天然石はカット済みの石も簡単に手に入るが、大量生産されるために角がシャープではないなど形としてイマイチ物足りないものも多い。こうしたありふれた石たちに「自分で価値を吹き込める」のが宝石カットの魅力だ。KARATZ STOREが販売する原石磨きセットには、カットしやすい硬さの原石のほか、全体の形を出すダイヤモンドやすりと、面の精度を高める600番~2000番の耐水ペーパーが各2枚ずつ付属。まずはダイヤモンドやすりで大体の形を出し、少ない番手から各面を整えていくと完成する。初心者向けの石はモースコードが4~5の硬さなのでサクサクと削っていけて楽しい。
最終的に2000番まで使えば艶が出て販売されているものと遜色ない仕上がりになる。筆者はフローライトを使ってカットしてみたが、思った以上に簡単に精度高く仕上げられ、かつ作業中は無心になれるので非常に良い体験だった。
宝石カットは「自分が気に入った原石を見つける」という楽しさと同時に「見過ごされて安く売られていたこの石に俺が命を吹き込んでやる!」という角度の楽しみ方ができる。実際プロでもこれらの半貴石にスポットをあてて価値を高めようという方がいるほどだ。自宅でこうした体験ができる楽しさは想像以上だった。
最後は鉱山へ!? 深掘りしても飽きない趣味として宝石
ただ集めるだけでなく「自分で価値をつけられる」のが宝石カットの魅力だ。KARATZの原石磨きセットはこれまで知られていなかった宝石カットをグッと身近にしてくれる。一度挑戦すると「次はこの石で」とどんどんのめり込んでしまうし、同じ種類の石でも千差万別なので何度も楽しめるのがこのキットの良いところだ。何度がカットしてみるとさらに複雑な形にチャレンジしたくなるので、趣味としても良いなと感じた。前述したマスターカッターの狩野氏は自分で鉱山へ理想の石を見つけに行っているそうで、深掘りすればするほど楽しめる側面を持っている。単純なコレクションで満足できなくなっている方は宝石カットの世界にも足を踏み入れて、自分の理想の宝石を販売してみる、というのも良い趣味になるのではないだろうか。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)