いつのまにかスマート化していたJANOMEの刺繍ミシン「IJ521」は男性のモノづくり欲を満たすコスパ最強マシンだった
靴下にワンポイントが入れられる、応用次第でハンカチやYシャツにも
上記の粘着性接着芯を使えばハンドタオルなど刺繍位置的に刺繍枠にはめられないものへも刺繍できる。さらにもう一工夫すると、子供の好きな柄を靴下にも入れてあげられるので喜ぶこと間違いなしだ。2 Sock Easyという治具を使うと筒状になっていて本来IJ521では刺繍できない靴下へも刺繍ができるようになる。Amazon USで売られているが、簡単な器具なので器用な人は自作もできるだろう。この器具に靴下をはめ、粘着シートに貼ることでワンポイントを入れることができる。筆者の娘は最近ひまわりにハマっているので刺繍してあげたところとても喜んでいた。布地のデザインを吟味してハロウィンバージョンなどお気に入りの1足を親子で作るのもアリだろう。このように粘着タイプの接着芯を使って布地を固定すれば通常刺繍できないハンカチの四隅やYシャツの袖にも刺繍ができるので慣れてきたらぜひチャレンジしてほしい。
最初の1台には十分すぎる機能性、とはいえ上位モデルも狙いたい
入門者にとっては十分すぎる機能を備え、かつ安価なIJ521。ほとんどの方はこれで満足するかもしれないが、凝り性の男性はアウトドアグッズや衣類の自作などさらに幅広いものを作りたくなってくるのではないだろうか。実際IJ521はコスパを高めた分、刺繍枠の剛性や運針の精度は犠牲になってしまっているので、さらにこだわるなら上位モデルがおすすめだ。筆者がコスパが良いと感じたのは同じJANOMEの「Hyper Craft 930」で、こちらは実用縫いもでき、刺繍もできるモデル。フリーアームを使えるので既製品のアレンジにはうってつけだ。刺繍のデザインをオリジナルで作ろうと思ったらArtistic Digitizerというソフトウェアがある。このソフトはMacにも対応する数少ない刺繍ソフトで、イラストレーターなどのベクターデータから刺繍データに変換する機能がある。価格は18万7000円と決して安くはないが、自分でデザインしたロゴを刺繍して販売するなど、さまざまな用途に使うなら購入しても良いだろう。JANOMEでは不定期で1か月試せるキャンペーンを実施しているそうなので気になる方はチェックしてみてほしい。
このようにハマると男性にこそ面白い刺繍の世界。IJ521を入門機と考えれば随分手軽に踏み込むことができる趣味だ。一旦揃えてしまえばランニングコストも安い上に、とにかく子供の反応が良いのでぜひ親子のふれあいとしても試してみてほしい。
高いモデルを知っている方からすれば当然いくつか不満な点も出てくるIJ521。しかしこれが初めて購入する刺繍ミシンという方であれば、この価格でここまでできる仕様に感動するのではないだろうか。久しぶりに楽しいと思える趣味が見つかったので、これから何回かにわたって刺繍やミシンに関するレビューをしていこうと思う。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Tech Director、スマートホームブランドbentoを展開。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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