いつのまにかスマート化していたJANOMEの刺繍ミシン「IJ521」は男性のモノづくり欲を満たすコスパ最強マシンだった
【木村ヒデノリのTech Magic #123】 さまざまなものがIoT化している昨今だが、「刺繍」までスマート化されていることを知らない方は多いのではないだろうか。2021年に100周年を迎えた老舗企業のJANOME。同社が2018年にひっそりとリリースしていたスマートミシンが凄かった。「スマートミシンIJ521」は約10cm角の刺繍ができる小型ミシンで、専用アプリから好きな柄を送信して使うことができる。このため本体はシンプルで価格も実売3万円前後とかなり安い。スマホを使ってデザインの編集ができるので複雑な組み合わせも可能で操作も直感的。デザインはアプリで完結するので、これまでミシンに縁がなかった男性もとっつきやすい。これを使って子供の服や持ち物をちょっとリメイクしてあげるだけで、父親はヒーローになれるのではないだろうか。
ここまで価格差があると不安になるのは機能性だが、基本的にアプリ内のデザインを利用するという点を除き、高級機と遜色ない自由度がある。これには筆者も驚いた。どちらかというとアプリで編集する方が操作しやすい印象すらある。ミシン本体が自宅のWiFiに接続されていれば自動検出され、アプリからデザインを送信して本体ボタンを押すと刺繍がスタート。アプリ画面では現在の進行状況や残り針数が確認できる。
JANOMEの刺繍糸と対応した色や下地の素材、色も選べるため、完成イメージを確認できるのも便利だ。巻尺ツールも用意されているので表示されない斜めのサイズも測れる。さらに万が一途中でアプリが落ちるなどしても、再度ミシンと接続すれば途中から再開できる。機能の一部をアプリに持たせた製品はアプリの使用感が悪いと文鎮化してしまいがちなので、このアプリの完成度、安定度の高さは素晴らしい。色やサイズを変更するのも自在なので、既存のデザインからでもオリジナリティを出せるのはうれしいところだ。
推奨されているのは上糸がJANOME純正の刺繍糸か、フジックスのキングスターミシン刺繍糸。後者はAmazonでも購入できる。下糸はフジックスのシャッペスパンミシン糸で、これもオンラインで手に入れやすい。刺繍糸は価格が高めだが、1色ずつ購入すればそこまで高くならないので必要な色からケチらずに揃えていこう(※筆者が使っている写真の糸は古いものでアクリル製。厳密にいうとIJ521には現行のポリエステル製が推奨されている。張力が違うためIJ521では推奨糸を使う方が良いが、使用糸に合わせて設定を変更できる機能を持つ上位モデルもある)。
他にも布を硬くして失敗を防ぐ接着芯や、離れた模様を縫うときに出る「渡り糸」を切る刺繍はさみもあると便利だ。接着芯はアイロンで接着するものが一般的だが、IJ521で衣類をカスタマイズする際には粘着シートタイプの接着芯の方が便利な場合もあるので参考にしてほしい。
初心者でも使える簡単さと痒いところに手が届く感を両立
これまで刺繍ミシンと言えば、大きな画面が搭載された高級機ばかりで最低でも数十万円からと、刺繍用途だけに購入する人はほぼいないような代物だった。ミシンを頻繁に使うプラスアルファで刺繍もできたら良い、というアプローチだったが、IJ521は逆転の発想で「実用縫い(通常のミシンとしての縫い方)」という機能を無くしてしまった。つまり刺繍専用機だ。さらにこれまでミシン側で行っていた刺繍の編集機能を丸ごとアプリに移植。これによって本体は極限まで軽量、シンプルになり価格も3万円台と非常に手頃に。これなら興味を持った入門者も手軽に購入し試せる。ここまで価格差があると不安になるのは機能性だが、基本的にアプリ内のデザインを利用するという点を除き、高級機と遜色ない自由度がある。これには筆者も驚いた。どちらかというとアプリで編集する方が操作しやすい印象すらある。ミシン本体が自宅のWiFiに接続されていれば自動検出され、アプリからデザインを送信して本体ボタンを押すと刺繍がスタート。アプリ画面では現在の進行状況や残り針数が確認できる。
JANOMEの刺繍糸と対応した色や下地の素材、色も選べるため、完成イメージを確認できるのも便利だ。巻尺ツールも用意されているので表示されない斜めのサイズも測れる。さらに万が一途中でアプリが落ちるなどしても、再度ミシンと接続すれば途中から再開できる。機能の一部をアプリに持たせた製品はアプリの使用感が悪いと文鎮化してしまいがちなので、このアプリの完成度、安定度の高さは素晴らしい。色やサイズを変更するのも自在なので、既存のデザインからでもオリジナリティを出せるのはうれしいところだ。
これだけは押さえておきたい、初心者が揃えるべき刺繍グッズ
付属品にはボビン3個や針も含まれているので他に必要なのは糸くらいなのだが、これらは買っておいた方が便利だというものも紹介したい。まず注意したいのが「どの糸でも良いというわけではない」という点。IJ521では安価な分糸の張力はあらかじめ設定されているので、粗悪な糸を使うと全く綺麗に刺繍できないことがある。推奨されているのは上糸がJANOME純正の刺繍糸か、フジックスのキングスターミシン刺繍糸。後者はAmazonでも購入できる。下糸はフジックスのシャッペスパンミシン糸で、これもオンラインで手に入れやすい。刺繍糸は価格が高めだが、1色ずつ購入すればそこまで高くならないので必要な色からケチらずに揃えていこう(※筆者が使っている写真の糸は古いものでアクリル製。厳密にいうとIJ521には現行のポリエステル製が推奨されている。張力が違うためIJ521では推奨糸を使う方が良いが、使用糸に合わせて設定を変更できる機能を持つ上位モデルもある)。
他にも布を硬くして失敗を防ぐ接着芯や、離れた模様を縫うときに出る「渡り糸」を切る刺繍はさみもあると便利だ。接着芯はアイロンで接着するものが一般的だが、IJ521で衣類をカスタマイズする際には粘着シートタイプの接着芯の方が便利な場合もあるので参考にしてほしい。