iPhoneのロック画面が大きく進化! 「iOS 16」のアップデートで変わることを解説

レビュー

2022/06/21 19:00

 iPhoneでは、年に一度、大幅なOSのアップデートが行われる。2022年9月頃に正式リリースされるとみられている「iOS 16」の内容が、現地時間6月6日のAppleの開発者会議「WWDC 2022」の冒頭基調講演で発表された。今回は数あるアップデート内容から、ロック画面をはじめとする便利な6つの機能を厳選して紹介しよう。
 

「史上最大のアップデート」となるiOS 16は注目機能が満載となっている

その1:より自分好みのロック画面にカスタマイズ可能

 今回のアップデートで目玉となっているのが、ロック画面だ。ロック画面といえば、多くのiPhoneユーザーが好きな写真を設定して個性をアピールしているが、iOS 16では壁紙にする写真のトーンや、日付・時刻のフォントを好みの見た目に変更できるようになる。
 
ロック画面のデザインをカスタマイズ可能になる

 また、ロック画面にウィジェットを配置したり、複数のロック画面を設定してスワイプで切り替えて使えたりと、これまでのiPhoneから大きく進化することになる。人物写真を壁紙にした際は、人物を自動的に認識して、背景に写真を表示するといった気の利いた機能もある。
 
ロック画面にウィジェットを追加すれば、カレンダーや気温などもロック画面上で確認できる

 細かい点でいえば、iOS 16が画面の下から通知が表示されるようになるので、ロック画面の写真を隠すことなく通知を確認できる。「ライブアクティビティ」では、スポーツの試合やタクシーアプリ、出前の注文などのリアルタイム進捗状況をロック画面上で把握可能だ。それ以外にも通知を受信するアプリとユーザーを選択できる「集中モード」をスワイプするだけで切り替えることができるようにもなる。
 
受け取る通知を事前に設定しておくと、「集中モード」の設定中は必要な通知だけが届く

その2:家族との写真共有がスムーズに

 iOS 16では「iCloud共有写真ライブラリ」が登場する。最大で自分と家族5人の計6人のユーザーが写真を共有できるアルバムで、ライブラリに追加した写真は、各ユーザーの「写真」アプリのメモリーやおすすめ写真として表示される。
 
カメラアプリから瞬時に写真を共有したり、共有ライブラリのメンバーが近くにいるときに自動で写真を共有できたりする

 共有ライブラリ内の写真は、メンバーなら誰でも編集、削除が可能。1人がコレクションを整理すると、全員がそのライブラリを利用できるので便利だ。

その3:「メッセージ」と「メール」が使いやすく進化

 「メッセージ」アプリで便利なのが、送信済みのメッセージの編集や送信取消ができるようになる点。また、あとで返信したい場合は、メッセージに未開封のマークを付けておける。
 
LINEでも送信取消はできるが、編集もできるのは「メッセージ」アプリならでは

 また、iOS同士であれば、メッセージアプリ内で、一緒に音楽を聴いたり、動画を見たりする「SharePlay」が利用できる。チャットをしながら音楽や動画を楽しんだり、再生コントロールを共有したりことも可能だ。

 「メール」アプリでは、送信を取り消したり、予約送信を設定したりといったことが可能になる。また、添付ファイルや受信者を追加し忘れたときは、そのミスをメールアプリが気づき、足りないものを追加するかどうかを確認してくれる。さらに、検索機能の見直しも行われており、より関連性の高い検索結果が表示されるようになる。

その4:画像やビデオ内の情報を賢く活用できる

 今回のアップデートで目立つのが、iOSの知能の進化だ。たとえば、写真アプリやSafariなどで、画像から対象物を抜き出したり、背景を削除して対象物だけにしたりといったことができる。また、テキストが表示される動画の場合、ビデオを一時停止すると、コピーや翻訳といったことが可能だ。
 
画像から切り出した対象物をメッセージアプリに貼り付けるなどの操作が簡単に行える

その5:マップがより使いやすく進化

 「マップ」アプリでは、最大15か所まで複数の経由地を設定可能になる。また、交通機関の機能もアップデートされ、運賃の確認や交通系ICカードをウォレットに追加したり、残高確認やチャージをしたりといった操作がマップアプリ上で行える。
 
いちいちウォレットアプリを開かなくてもチャージができるので便利

その6:Apple Watchがなくてもフィットネスアプリが使える

 iPhoneは健康管理に特化した「ヘルスケア」アプリがあるが、これからは服薬情報の管理も可能になる。さらに、「フィットネス」アプリでは、Apple Watchを持っていなくても体の動きを計測し、フィットネスの目標を達成できるようにサポートしてくれる。iPhoneのモーションセンサー、歩数、移動距離、他社製のワークアウトアプリからカロリーの推定消費量を割り出し、運動量を記録できるようになる。
 
これまではApple Watchがなければフィットネスアプリは使えなかったが、iPhone単体で使えるようになる。

 今回のアップデートは、iPhone 8/SE(第2世代)以降が対応しており、iPhone 6sシリーズとiPhone 7シリーズ、iPhone SE(第1世代)が非対応となっている。せっかくの新機能を使えないのはもったいないので、これらの機種を使っている人はそろそろ買い替えを検討してもいいかもしれない。(フリーライター・今西絢美)