新社会人も押さえておきたい「Teams」のオンライン会議マナー

レビュー

2022/06/02 12:00

 2020年以降の生活環境の変化により急速に広まったオンライン会議。約2年の活用を重ねてきた今、オンライン会議のマナーというものが出来上がりつつある。そこで新社会人はもちろん、幅広いビジネスパーソン向けにTeamsを使ったオンライン会議のマナーを紹介しよう。なお、当然ではあるが、あなたが属している会社や組織で独自のオンライン会議のルールがある場合は、そのルールに従ってほしい。

Teamsは今やビジネスで当たり前のオンライン会議ツールに(画像はイメージ)
 Teamsを使ったオンライン会議で一般的になりつつあるマナーを紹介していく。大きく分けて、オンライン会議の参加前に気をつけるべきポイントと、参加中に気をつけるべきポイント、最後に番外編としてスケジュール管理の気をつけるべきポイントを紹介しよう。

Teamsオンライン会議「参加前」のマナー

Teamsオンライン会議参加前のマナー

 最初に、オンライン会議に参加する上で気をつけたいマナーを紹介する。難しい内容ではないが、在宅勤務など自宅にいる環境で「つい」「うっかり」やってしまいがちな行動と合わせて説明する。

オンライン会議の基本は顔出し

 普通の会議では顔出しが当たり前のため、オンライン会議であっても同じように考えるのが自然である。そのため、オンライン会議の顔出し(カメラをオンにする)については、特に決まりがない場合、基本的には顔出しすることがマナーである。

 そのため、オンライン会議であっても顔を洗って髪を整えるなど、会社に行くときと同じような準備をしてから参加することが大切だ。

 しかし、会社によっては顔出ししない(カメラをオフにする)ことがルールとして定められている場合がある。というのも、Teamsのオンライン会議はインターネット回線のデータ量や社内ネットワークのリソースを大量に消費するためである。社員の家庭ごとにネットワーク環境もさまざまだ。

 朝礼など大人数の社員が参加する場合は、発表者のみが顔出しをし、その他の社員は顔出ししないというケースや、逆に少人数の会議は全員が顔出しするなど、会議スタイルに応じてルールが決められていたりもする。

 ネットワークリソースを大量に消費することで起こりうるオンライン会議での影響としては、会議の遅延や音声の途切れ、資料共有の遅延などが起こり得る。また、最悪の場合、オンライン会議から切断される場合もある。

 オンライン会議以外の影響も考えられる。ネットワークリソースを大量消費することで、インターネットや社内ネットを利用した社内システムがつながりづらくなるなどの影響が発生する場合があるのだ。

 数人であればネットワークリソースに影響がなくとも、数百人、数千人以上が同一ネットワークから参加する場合は注意すべきである。

 オンライン会議に関しては、顔出しのルールがない場合は基本的にカメラをオンにして参加する、会社のルールがある場合はそのルールに従う、何かしらの事情でカメラをオフにする場合は、会議がスタートする前に主催者などに事情を伝えるといいだろう。

服装に気を使う

 オンライン会議は、インターネット回線さえあれば自宅や職場、喫茶店やファミレスなど、どこからでも参加できるメリットがある。一方で気をつけたいポイントが服装である。

 例えば会社に出勤している場合、スーツやビジネスカジュアルなど、会社の服務規程やハウスルールなどで定められている服装で出勤するため、あまり気にする必要はない。

 服装を意識したいのは在宅勤務中の「自宅」からオンライン会議に参加するときである。自宅から参加する場合、パジャマやスウェットのような格好であってもオンライン会議の参加は可能である。

 しかし、他の参加者がスーツで参加している中、スウェットやパジャマで参加すれば、非常識な人と判断されても仕方がない。良識のある服装、例えばビジネスカジュアルのような服装で参加しよう。

 男性の場合、襟付きのシャツで参加する、ジャケットを羽織って参加するなどが簡単にできる対策である。女性でも同様だが、過度な露出やボディラインが出るような服装は避けるようにしよう。

映り込みをなくす(背景の変更)

 オンライン会議では、カメラを通して出席者の顔を見せあうことになるが、カメラは基本的に定点で撮影しているため顔以外の背景が映り込んでしまう。

 どんな場所でオンライン会議に参加したとしても、映ってはいけないものが映ってしまう可能性はゼロではない。オンライン会議で顔出しをするのであれば、背景の映り込みをなくすために、必ずバーチャル背景を次の手順で設定するようにしよう。

バーチャル背景の設定方法

1. オンライン会議参加画面で「カメラをオンにする」をクリック
2. 「カメラをオンにする」の右側にある背景機能をオンにする
3. 背景を選択後、オンライン会議に参加する

 ただし、ブラウザ版のTeamsでは背景の設定ができない。ブラウザ版のTeamsを利用する場合はカメラ利用前にカメラテストを行い、映ってはいけないものが映らないよう細心の注意を払って利用しよう。

オンライン会議「参加時」のマナー

 次に、オンライン会議に参加時のマナーを紹介する。オンライン会議は、普段の会議と同じような振る舞いでは不都合が生じる場合があるため、オンライン会議ならではのマナーを理解しよう。

人の話を最後まで聞き、遮らないようにする

 リアルタイムで話しているとはいえ、オンライン会議ではタイムラグが発生する場合がある。一般的に、オンライン会議のタイムラグの時間は電話よりも長い。相手の話が終わったかなと思っても話が続く場合があり、変なタイミングで相槌を打つと、微妙な空気になってしまう可能性がある。

 そのため、オンライン会議では普段の会話以上に意識的に人の話を最後まで聞くことを心がけよう。そうすることで、会議がスムーズに進行するようになる。

 しかし、会話がかぶらないように意識しすぎるあまり、まったく発言ができなかったというケースも生じる。理由は、顔出ししているとはいえ細かい表情の把握が難しく、話したそうにしているかどうかが分からないからである。対面のリアル会議とは異なるオンライン会議ならではの問題と言える。特に大規模なオンライン会議では、会話できないケースが発生しやすい。

 大人数が参加する場合、発言に関して何かしらルールを決めておくと良い。例えば、発言したい場合はTeamsの「挙手」機能を使ったり、チャット機能に発言内容の要約を書いたりする、などである。

他の人が話す時はマイクはオフに

マイクのオフはオンライン会議の基本

 Teamsのオンライン会議は、数人から数十人、場合によっては数百人以上が参加する場合もある。普通の会議では、誰かが話をするときは、話を聞くために静かにしているものだろう。オンライン会議でも同じく、当然のマナーである。

 しかし、リアル会議と異なるのは、オンライン会議では発言するときにマイクを使う点だ。そのため、発言した後もマイクがオンのままだと、想定以外の音をマイクが拾ってしまいノイズとなる。その環境で発せられるすべての音をなくす必要があるのだが、救急車のサイレンを止めることができないように、それは現実的ではない。

 そのため、Teamsにはミュート(消音)機能がある。ミュート機能をオンにする方法は簡単で、Teamsの会議参加中にマイクアイコンをタップするのだ。アイコンに斜線が引かれている状態になるとミュートで、もう1回タップするとミュート機能が解除される。

 Teamsのミュート機能にはショートカットが存在する。[Ctrl]+[Shift]+[M]でミュート機能オン、オフの切り替えが可能なので覚えておくと便利だ。

 マイク自体にミュート機能が搭載されているものもあるが、1人で会議に参加しているのであればTeamsのミュート機能を使うことをおすすめする。理由はTeamsの方が、ミュートの状態であるかどうかの確認がしやすいからである。ミュート状態のまま発言すると、アラート表示で教えてくれるのも便利だ。

 ただし、会議室などでプロジェクターを使い、大人数でオンライン会議に参加している場合は、マイクのオフ機能の方が使いやすい場合があるため、時と場合によってTeamsのミュート機能とマイクのミュート機能を使い分けるといい。

オンライン会議の終了時間を明確にする

 オンライン会議では、毎回同じ参加者が集まっている場合を除き、顔を合わせているリアル会議よりも相手の考えていることや場の雰囲気が把握しにくいため、最初のうちは淡々と進行していくことが多い。しかし、時間が経過するにつれて場の雰囲気や環境に慣れてくるため、会議の後半に議論が白熱するというケースが珍しくない。

 議論が白熱すること自体は良いことではあるが、白熱しすぎた結果、終了時間を大幅に超えてしまっては仕事の効率が悪くなる。また、人によっては別のスケジュールが入っていることも多いため、気まずい雰囲気の中で会議を抜けざるをえない事態が生じる。

 会議の主催者は、オンライン会議の最初に終了時間を伝えておくことをおすすめする。先に終了時間を伝えておけば、議論の途中であっても強制的に会議を終了させることが可能だ。

番外編:オンライン会議の予定を詰め込み過ぎない

オンライン会議の予定を詰めすぎないこと

 最後に、オンライン会議の予定の組み方を紹介する。オンライン会議の予定を組む上でまず認識しておくべきことは、一般的な会議よりも雑談などのアイドリング時間が少なく、本質的な議論が増える点である。

 一般的な会話では、相手の声だけでなく表情や身振り手振りなど、音以外の要素も加味して話を聞いているものだ。しかし、オンライン会議の場合は、顔が映るとはいえ、ほとんど声を頼りに話を聞くしか方法がない。

 そのため会話の内容を理解するために、普段の会議以上に集中して話を聞く必要がある。人の話を集中して聞こうとすると、自然と雑談などの遊びの時間が消える。結果的に本質的な議論が増えるのではないか。

 また、普通の会議では、顔色などにより相手が疲れていることが分かった場合は「休憩する」などアクションが起こせるが、オンライン会議ではカメラの画質もあり相手の様子をうかがい知ることが通常の会議よりも難しい。1~2時間に1回程度は、トイレ休憩などが挟める程度の余裕を持った予定を組むことをおすすめする。

オンライン会議であっても「会議」という意識を忘れずに

 場所や時間帯に縛られずに開催できるオンライン会議は、新しい会議スタイルとして世の中に受け入れられた。そのため、オンライン会議のマナーというものも自然発生的に生まれている。

 しかし、オンライン会議であっても通常の会議であっても「参加者同士の情報共有や議論を交えながら意思決定する」という会議の目的や本質は何も変わらない。

 今回紹介したオンライン会議のマナーがいくら完璧であっても、「会議に参加する」という意識を持たなければ意味がない。オンライン会議のマナーだけに気を取られるのではなく、会議に参加する目的をきちんと理解した上でオンライン会議に参加し、有意義で生産的な時間にしてほしい。(GEAR)