FCCLの技術を集大成した、新生「FMV LOOX」誕生の裏側
【FMV LOOXが起こす次世代への変革.2】 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が、FUJITSU PC 40th Anniversary企画としてリリースした「FMV LOOX(エフエムブイ・ルークス)」。世界最軽量※1&最薄※2の2 in 1デタッチャブル型ノートPCはどのようにして生まれたのか。連載第2回では、その開発の裏側に迫る。
FMV LOOXの開発を始めたきっかけについて、FCCL コンシューマ事業部の青山裕司事業部長は次のように語る。
「近年、働き方改革やコロナ禍でPCの使われ方が大きく変わり、ユーザーのニーズにも変化が見えてきました。そんな2020年の12月頃、共通開発センター長代理の大西(益生)、プロダクトマネジメント本部 チーフデザインプロデューサー(全社UX革新担当)兼クリエイティブセンター長の藤田(博之)、マーケティング本部 商品企画統括部長の田中(大)らが集まり、『時代に沿ったしっかりしたものをつくろう』という話になったのです」
開発、デザイン、商品企画から部門を横断する形でキーパーソンが集まり、次世代への変革を起こすべくPCとは何かについて熱い議論が繰り広げられた。
HDMIでテレビにつなげて使うボックスPCや、キーボードだけのPC、電子ノート「クアデルノ」のPC版など、さまざまなアイデアが出て、家の中でも外でも、仕事にも勉強にも十分に使える道具とはどんな姿なのかについて深く議論するうちに方向性が固まってきた。
FCCL マーケティング本部の田中大商品企画統括部長は、そのときのことを思い出しながら「そうして出てきたコンセプトが、セカンドディスプレイにも、電子ノートにも、ペンタブレットにもなる、家の中のもう一つのディスプレイという提案です」と言う。
また、「『想像を超える軽さと、創造できる賢さ』というキーワードを掲げ、いままでFCCLがやってきたことをFMV LOOXに集大成しました」と田中部長が話すように、FMVが40年にわたり培ってきたさまざまな技術や知見、ノウハウが注ぎ込まれた。
また、USBのコネクタをいくつにしてどこに配置するかは、開発陣の間でかなり後半まで揉めた。最終的に縦にしてディスプレイの横に付けたときに邪魔にならない配置で、二つ搭載することに落ち着いた。
13.3型ワイドで600gを切る約599gという極限までの軽量化は、1gに満たない軽量化アイデアを無数に積み重ねて成し遂げたものだが、ただ軽くすれば良いというものではなく、約76cmの落下試験、約200kgfの全面加圧試験をクリアする堅牢性の確保にもこだわった。
軽量化に関しては、基盤の設計をゼロベースから見直して取り組んでいる。設計を担当した構造エンジニアの鈴木健二氏は発表会で次のように語っている。
「メインボードはシンプルな形状を意識して設計、基板面積を削減し、軽量化を実現しました。筐体カバーは耐衝撃性・剛性に優れたアルミ素材を採用し、ユニボディ構造にすることで堅牢性を保ちつつ、カバーの厚みを限界まで薄く設計。一番苦労した放熱設計では、熱伝導率の高い薄型ベイパーチャンバーで平面方向に効率よく熱を拡散しました。ただし、放熱設計を巨大化すると重量が増すので、軽量化とのトレードオフが大変でした」
なお、藤田博之チーフデザインプロデューサーと第一PM統括部の鈴木健二氏については、デザインと設計のぎりぎりのせめぎあいについて回を改めて紹介するので、そちらを楽しみにしてほしい。
クリエイティブコネクトや、ハードウェアのスペックからも分かるとおり、FMV LOOXはさまざまなオプションを備えた使い勝手の良い汎用PCとしてだけでなく、発信型の学生や、ビジネスクリエイターをメインターゲットに据えている。FMV LOOXひとつを片手にさまざまな生活シーンの中で活用していくだけでなく、自宅や職場では高性能なメインPCを使っているユーザーが、外での活動や、メインPCの有効活用に用いる際にも非常に使い勝手が良さそうだ。
第3回では、FMV LOOXのまだ紹介していない機能や、詳しい性能について見ていこう。
※1 13.3型ワイドのWindowsタブレットとして、2022年3月29日現在、FCCL調べ。
※2 13.3型ワイドのWindowsタブレットとして、2022年3月29日現在、FCCL調べ。
※3 オプション(別売)です。
変わらないコンセプトを最新のテクノロジーで表現
FCCLが6月に発売を予定する「FMV LOOX」は、LOOXブランドの10年ぶりの新製品となる。第1回でも紹介したが、そのコンセプトは「Look at "X"-perience」、Xは変化や可能性の体験を意味し、FCCLが未来の変革をみすえた革命的なデバイスと自ら認める製品のみが「LOOX」と称する。新しいFMV LOOXもこのコンセプトを継承し、歴代のLOOXと同じく革命的なデバイスに仕上がっている。FMV LOOXの開発を始めたきっかけについて、FCCL コンシューマ事業部の青山裕司事業部長は次のように語る。
「近年、働き方改革やコロナ禍でPCの使われ方が大きく変わり、ユーザーのニーズにも変化が見えてきました。そんな2020年の12月頃、共通開発センター長代理の大西(益生)、プロダクトマネジメント本部 チーフデザインプロデューサー(全社UX革新担当)兼クリエイティブセンター長の藤田(博之)、マーケティング本部 商品企画統括部長の田中(大)らが集まり、『時代に沿ったしっかりしたものをつくろう』という話になったのです」
開発、デザイン、商品企画から部門を横断する形でキーパーソンが集まり、次世代への変革を起こすべくPCとは何かについて熱い議論が繰り広げられた。
HDMIでテレビにつなげて使うボックスPCや、キーボードだけのPC、電子ノート「クアデルノ」のPC版など、さまざまなアイデアが出て、家の中でも外でも、仕事にも勉強にも十分に使える道具とはどんな姿なのかについて深く議論するうちに方向性が固まってきた。
FCCL マーケティング本部の田中大商品企画統括部長は、そのときのことを思い出しながら「そうして出てきたコンセプトが、セカンドディスプレイにも、電子ノートにも、ペンタブレットにもなる、家の中のもう一つのディスプレイという提案です」と言う。
また、「『想像を超える軽さと、創造できる賢さ』というキーワードを掲げ、いままでFCCLがやってきたことをFMV LOOXに集大成しました」と田中部長が話すように、FMVが40年にわたり培ってきたさまざまな技術や知見、ノウハウが注ぎ込まれた。
1gに満たない単位の無数の軽量化アイデアを集積
もちろん、製品化に向けたハードルは高かった。別のPCとケーブルでつないで画面共有やファイルのやり取りを簡単に行う「クリエイティブコネクト」は、接続方式や実現の仕方などで試行錯誤を繰り返し、仕様案をまとめたExcelのシートは何十枚にもなったという。また、USBのコネクタをいくつにしてどこに配置するかは、開発陣の間でかなり後半まで揉めた。最終的に縦にしてディスプレイの横に付けたときに邪魔にならない配置で、二つ搭載することに落ち着いた。
13.3型ワイドで600gを切る約599gという極限までの軽量化は、1gに満たない軽量化アイデアを無数に積み重ねて成し遂げたものだが、ただ軽くすれば良いというものではなく、約76cmの落下試験、約200kgfの全面加圧試験をクリアする堅牢性の確保にもこだわった。
軽量化に関しては、基盤の設計をゼロベースから見直して取り組んでいる。設計を担当した構造エンジニアの鈴木健二氏は発表会で次のように語っている。
「メインボードはシンプルな形状を意識して設計、基板面積を削減し、軽量化を実現しました。筐体カバーは耐衝撃性・剛性に優れたアルミ素材を採用し、ユニボディ構造にすることで堅牢性を保ちつつ、カバーの厚みを限界まで薄く設計。一番苦労した放熱設計では、熱伝導率の高い薄型ベイパーチャンバーで平面方向に効率よく熱を拡散しました。ただし、放熱設計を巨大化すると重量が増すので、軽量化とのトレードオフが大変でした」
なお、藤田博之チーフデザインプロデューサーと第一PM統括部の鈴木健二氏については、デザインと設計のぎりぎりのせめぎあいについて回を改めて紹介するので、そちらを楽しみにしてほしい。
クリエイティブコネクトや、ハードウェアのスペックからも分かるとおり、FMV LOOXはさまざまなオプションを備えた使い勝手の良い汎用PCとしてだけでなく、発信型の学生や、ビジネスクリエイターをメインターゲットに据えている。FMV LOOXひとつを片手にさまざまな生活シーンの中で活用していくだけでなく、自宅や職場では高性能なメインPCを使っているユーザーが、外での活動や、メインPCの有効活用に用いる際にも非常に使い勝手が良さそうだ。
第3回では、FMV LOOXのまだ紹介していない機能や、詳しい性能について見ていこう。
※1 13.3型ワイドのWindowsタブレットとして、2022年3月29日現在、FCCL調べ。
※2 13.3型ワイドのWindowsタブレットとして、2022年3月29日現在、FCCL調べ。
※3 オプション(別売)です。