ASRockから登場したIntel Z690搭載マザーボード「Z690 Pro RS」は、最新の第12世代Coreプロセッサーに対応したメインストリーム向け製品であり、高機能かつコストパフォーマンスが高いことが魅力だ。今回、Z690 Pro RSを試用する機会を得たので、レビューしていきたい。
PCを自作してみたいと考えている人にとって、今は絶好のチャンスだ。インテルから最新の第12世代Coreプロセッサーが発売され、性能が大きく向上したためだ。第12世代Coreプロセッサーは、インテルのCPUとして初めて2種類のコアを搭載するなど、前世代から大きく進化している。数年前に自作したPCの性能に不満が出てきた人も、新たに組み直すことをおすすめする。
第12世代Coreプロセッサーは、開発コードネームAlder Lakeと呼ばれていたCPU。ソケットがそれまでのLGA1200からLGA1700にも一新されたので、マザーボードも従来のものは利用できない。対応チップセットも世代が代わり、Intel 600シリーズとなる。Intel 600シリーズは、上位からZ690、H670、B660、H610の4モデルがあるが、拡張性やインターフェースが豊富で第12世代Coreプロセッサーの性能を最大限に引き出すことができるZ690が最適だ。
ASRockは、台湾の大手マザーボードベンダーであり、その信頼性と性能の高さには定評がある。日本でも、マザーボード販売数で2位のシェアを獲得しており、特に高機能なゲーミングマザーボードやハイエンドマザーボードのファンが多い。今回紹介する、ASRockのIntel Z690搭載マザーボード「Z690 Pro RS」は、メインストリーム向けモデル。一般的な用途からビジネス用途、ゲーミング用途までさまざまな用途に対応できる、コストパフォーマンスの高い製品だ。RSとは、RaceSport Editionを意味しており、魅力的な機能と完璧なバランスを備えた製品。ASRockのマザーボードで最も人気があるProシリーズの進化形でもある。
メモリスロットはDDR4 DIMM×4で、メモリオーバークロックにより最大5,000MHzまで対応。最近のCPUは、電源の低電圧化と大電流化が進み、マザーボードの電源設計がそれだけ難しくなっている。しかし、Z690 Pro RSでは13フェーズという贅沢な設計と「Dr.MOS」パワーMOSFETモジュールを採用しており、大電流でも安定した電源供給が可能だ。
基板は6層設計で、銅箔層が通常の2倍の厚さの2オンス。効率良く熱を伝えられるほか、信号の安定性も向上する。M.2スロットはPCI Express 4.0 x4対応のHyper M.2を2基とPCI Express 3.0 x4/SATA 3対応のUltra M.2を1基備えるほか、WiFiモジュール向けのM.2(Key E)も用意されている。有線LANとして、ギガビットLANの2.5倍の帯域を持つ2.5Gb/s LANを搭載し、高速な転送を実現する。
Z690 Pro RSでは、PCI Express 5.0 x16スロットが金属板で強化されていることに加えて、ASRockグラフィックカードホルダーと呼ばれる独自機構を備える。これは、グラフィックスカードをホルダーに取り付け、マザーボードとシャーシにネジで固定する仕組みだ。マザーボードを立ててもグラフィックスカードの負担がPCI Expressスロットに集中することを防げる。ホルダーは上下にスライドするので、さまざまなグラフィックスカードやケースで利用可能だ。
フルカラーRGBイルミネーションを搭載しているほか、RGBヘッダーとアドレサブルRGBヘッダーが合計4つ用意されており、LEDストリップやCPUファン、ケースファンなどのRGB LEDを一括制御できる。
さらに、非KシリーズCPUを使用した場合でも、KシリーズのCPUと同様の動作周波数を維持することができるBFB(ベース周波数ブースト)機能も搭載する(ただし、BFBはCPUクーラーの冷却性にあわせて性能を伸ばすことが出来るため、CPU温度に余裕がある場合はBFBを活用することでパフォーマンスアップが期待できる)。水冷ポンプ用として大電力を供給できる端子も用意されている。
I/Oパネル部分には、USB 3.2 Gen 2×2、USB 3.2 Gen 1×2、HDMI出力、DisplayPort、PS/2、USB 2.0×2、2.5G LAN、ラインイン、ラインアウト、マイクの各ポートが用意されているほか、USB 3.2 Gen2x2 Type-CとUSB 3.2 Gen2×4をフロントパネルに出すことができるので、インターフェースについても不満はない。
Z690 Pro RSは、UEFIセットアップ画面も分かりやすく、高機能である。UEFIセットアップで、独自のCPUオーバークロック機能であるBFBに関する設定が行える。CPUの詳細機能の設定も可能で、ハードウェアモニタ機能も備えている。
専用ユーティリティソフトも充実しており、使いやすい。「ASRock Live Update&APP Shop」から、UEFIのアップデートや他のユーティリティのダウンロードが可能だ。「ASRock Polychrome Sync」を使えば、マザーボード上のRGB LEDやLEDストリップ、ファンなどの発光色を一挙に制御できる。また、「Dragon 2.5G LAN Utility」を使えば、アプリケーションごとの通信状況を確認できる。
CPU:Core i9-12700K
マザーボード:Z690 Pro RS
メモリ:Team TF10D432G3600HC18JDC01(DDR-3600 16GB×2)
SSD:Seagate FireCuda 520 SSD(PCI Express 4.0対応1TB)
ビデオカード:Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC
OS:Windows 11 64bit
CPUの性能を計測する「CINEBENCH R23」のマルチコアのスコアは22626ptsで、サーバー用CPUである24コア/48スレッドのIntel Xeon W-3265Mの24243ptsに迫る性能を叩き出している。同じくサーバー用CPUであるAMD Ryzen Threadripper 195Cのスコアは16315ptsであり、いかにCore i9-12700K+Z690 Pro RSのパフォーマンスが高いかがわかるだろう。
また、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」も実行してみた。1920×1080ドット、最高品質でのスコアは16586、評価は最上位の「非常に快適」であった。
Z690 Pro RSでは、PCI Express 4.0対応のHyper M.2スロットを搭載しているので、SSDもPCI Express 4.0対応の「Seagate FireCuda 520 SSD」を利用した。ストレージの速度を計測する「CystalDiskMark 8.0.4」の結果は、シーケンシャルリードが5000.2MB/s、シーケンシャルライトが4281.48MB/sと非常に高速であり、PCI Express 4.0対応のメリットが十分に発揮されているといえる。
PCを自作してみたいと考えている人にとって、今は絶好のチャンスだ。インテルから最新の第12世代Coreプロセッサーが発売され、性能が大きく向上したためだ。第12世代Coreプロセッサーは、インテルのCPUとして初めて2種類のコアを搭載するなど、前世代から大きく進化している。数年前に自作したPCの性能に不満が出てきた人も、新たに組み直すことをおすすめする。
第12世代Coreプロセッサーは、開発コードネームAlder Lakeと呼ばれていたCPU。ソケットがそれまでのLGA1200からLGA1700にも一新されたので、マザーボードも従来のものは利用できない。対応チップセットも世代が代わり、Intel 600シリーズとなる。Intel 600シリーズは、上位からZ690、H670、B660、H610の4モデルがあるが、拡張性やインターフェースが豊富で第12世代Coreプロセッサーの性能を最大限に引き出すことができるZ690が最適だ。
ASRockは、台湾の大手マザーボードベンダーであり、その信頼性と性能の高さには定評がある。日本でも、マザーボード販売数で2位のシェアを獲得しており、特に高機能なゲーミングマザーボードやハイエンドマザーボードのファンが多い。今回紹介する、ASRockのIntel Z690搭載マザーボード「Z690 Pro RS」は、メインストリーム向けモデル。一般的な用途からビジネス用途、ゲーミング用途までさまざまな用途に対応できる、コストパフォーマンスの高い製品だ。RSとは、RaceSport Editionを意味しており、魅力的な機能と完璧なバランスを備えた製品。ASRockのマザーボードで最も人気があるProシリーズの進化形でもある。
高い拡張性と信頼性のある基板設計
Z690 Pro RSは、一般的なATXフォームファクターに準拠しており、拡張スロットとしてPCI Express 5.0 x16が1基、PCI Express 4.0 x16が1基、PCI Express 3.0 x16が1基、PCI Express x1が2基の合計5基を備える。PCI Express 5.0は最新の規格で、まだ対応グラフィックスカードは存在しないが、将来を見据えた仕様といえる。PCI Express 5.0 x16スロットは金属板で強化されており、重いグラフィックスカードを装着しても安心だ。メモリスロットはDDR4 DIMM×4で、メモリオーバークロックにより最大5,000MHzまで対応。最近のCPUは、電源の低電圧化と大電流化が進み、マザーボードの電源設計がそれだけ難しくなっている。しかし、Z690 Pro RSでは13フェーズという贅沢な設計と「Dr.MOS」パワーMOSFETモジュールを採用しており、大電流でも安定した電源供給が可能だ。
基板は6層設計で、銅箔層が通常の2倍の厚さの2オンス。効率良く熱を伝えられるほか、信号の安定性も向上する。M.2スロットはPCI Express 4.0 x4対応のHyper M.2を2基とPCI Express 3.0 x4/SATA 3対応のUltra M.2を1基備えるほか、WiFiモジュール向けのM.2(Key E)も用意されている。有線LANとして、ギガビットLANの2.5倍の帯域を持つ2.5Gb/s LANを搭載し、高速な転送を実現する。
ASRockグラフィックカードホルダーでグラフィックスカードのトラブルを防げる
最近のグラフィックスカードは高性能化が進み、サイズも大きく、重量も重くなっている。そのため、通常のタワーケースでマザーボードを立てて使うと、グラフィックスカードを装着したPCI Expressスロットに大きな負荷がかかり、輸送時に端子の接触が悪くなったり、抜け落ちて壊れてしまったりということもある。Z690 Pro RSでは、PCI Express 5.0 x16スロットが金属板で強化されていることに加えて、ASRockグラフィックカードホルダーと呼ばれる独自機構を備える。これは、グラフィックスカードをホルダーに取り付け、マザーボードとシャーシにネジで固定する仕組みだ。マザーボードを立ててもグラフィックスカードの負担がPCI Expressスロットに集中することを防げる。ホルダーは上下にスライドするので、さまざまなグラフィックスカードやケースで利用可能だ。
フルカラーRGBイルミネーションを搭載しているほか、RGBヘッダーとアドレサブルRGBヘッダーが合計4つ用意されており、LEDストリップやCPUファン、ケースファンなどのRGB LEDを一括制御できる。
さらに、非KシリーズCPUを使用した場合でも、KシリーズのCPUと同様の動作周波数を維持することができるBFB(ベース周波数ブースト)機能も搭載する(ただし、BFBはCPUクーラーの冷却性にあわせて性能を伸ばすことが出来るため、CPU温度に余裕がある場合はBFBを活用することでパフォーマンスアップが期待できる)。水冷ポンプ用として大電力を供給できる端子も用意されている。
I/Oパネル部分には、USB 3.2 Gen 2×2、USB 3.2 Gen 1×2、HDMI出力、DisplayPort、PS/2、USB 2.0×2、2.5G LAN、ラインイン、ラインアウト、マイクの各ポートが用意されているほか、USB 3.2 Gen2x2 Type-CとUSB 3.2 Gen2×4をフロントパネルに出すことができるので、インターフェースについても不満はない。
Z690 Pro RSは、UEFIセットアップ画面も分かりやすく、高機能である。UEFIセットアップで、独自のCPUオーバークロック機能であるBFBに関する設定が行える。CPUの詳細機能の設定も可能で、ハードウェアモニタ機能も備えている。
専用ユーティリティソフトも充実しており、使いやすい。「ASRock Live Update&APP Shop」から、UEFIのアップデートや他のユーティリティのダウンロードが可能だ。「ASRock Polychrome Sync」を使えば、マザーボード上のRGB LEDやLEDストリップ、ファンなどの発光色を一挙に制御できる。また、「Dragon 2.5G LAN Utility」を使えば、アプリケーションごとの通信状況を確認できる。
Core i9-12700KとRadeon RX 6600 XTでゲーム用途にもピッタリ
実際にZ690 Pro RSを使って、下記のスペックでPCを組み、いくつかベンチマークテストを行ってみた。CPUとしては、Core i9-12700Kを用意した。Core 9-12700Kは、性能重視のPコアを8個、電力効率重視のEコアを4個搭載した12コアCPUであり、最大20スレッドの同時実行が可能だ(Pコアは1コアで2スレッド、Eコアは1コアで1スレッド)。CPU:Core i9-12700K
マザーボード:Z690 Pro RS
メモリ:Team TF10D432G3600HC18JDC01(DDR-3600 16GB×2)
SSD:Seagate FireCuda 520 SSD(PCI Express 4.0対応1TB)
ビデオカード:Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC
OS:Windows 11 64bit
CPUの性能を計測する「CINEBENCH R23」のマルチコアのスコアは22626ptsで、サーバー用CPUである24コア/48スレッドのIntel Xeon W-3265Mの24243ptsに迫る性能を叩き出している。同じくサーバー用CPUであるAMD Ryzen Threadripper 195Cのスコアは16315ptsであり、いかにCore i9-12700K+Z690 Pro RSのパフォーマンスが高いかがわかるだろう。
また、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」も実行してみた。1920×1080ドット、最高品質でのスコアは16586、評価は最上位の「非常に快適」であった。
Z690 Pro RSでは、PCI Express 4.0対応のHyper M.2スロットを搭載しているので、SSDもPCI Express 4.0対応の「Seagate FireCuda 520 SSD」を利用した。ストレージの速度を計測する「CystalDiskMark 8.0.4」の結果は、シーケンシャルリードが5000.2MB/s、シーケンシャルライトが4281.48MB/sと非常に高速であり、PCI Express 4.0対応のメリットが十分に発揮されているといえる。