【木村ヒデノリのTech Magic #098】 360度動画といえばこの会社というくらいVR動画を普及させた立役者がInsta360だ。同社がリリースする同名のアクションカメラはちょっと変わった目を引くバリエーションの動画が撮れることで知られている。今回、紹介するのは、同社製品の中でも異色のモジュール式を採用した「Insta360 ONE RS」だ。360度動画だけでなく、レンズを交換することで最大6Kまでの動画を撮影できる。GoProも画質を上げてきているが、果たしてその牙城を崩せるのだろうか。
インスタントズーム機能で録画中に最大2.7倍までデジタルズームができるのも良い。YouTubeなどで自撮りをする際も、画面を手前に向けていれば背景の写り込みをズームで調整できるので非常に良いと感じた。撮影用にグリッドも表示できるようになったので、上下や左右でパースがついてしまうと困るようなケースでも便利だ。ミラーレス一眼など、メイン機で当然できていることが、アクションカムでもできるようになってきているのは良い傾向だ。
さらに、以前からリリースされていたライカ共同開発の1インチセンサーも引き続き利用できる。アクションカメラとしては最大のイメージセンサーとなるのはもちろん、5.3Kの広角映像はどのアクションカムも超える精細さを誇り、かつ低照度撮影でも綺麗な色合いで撮影ができる。綺麗な画を撮りたいが、装備を減らしたいような時に防水性能も単体で持つInsta360 RSはぴったりだと言えるだろう。
今回のアップデートでコアパーツにマイクが搭載されたのも大きい。外部マイクを使わず単体で収録しても風切り音低減アルゴリズムでノイズをカットしてくれる。また、専用のケースにはマイク用の風防とカメラの放熱を促す部品が取り付けられており、装着して使うだけで音質を上げたり撮影時間を伸ばしたりしてくれるので、従来のケースと比べて装着する意味が出てきた。
今までソフトウェアで処理していたFlowState手ぶれ補正がカメラ内で処理可能になった点も実用度を上げている。編集時に処理しなくて良くなった分、スマートフォンなどですぐに滑らかな動画をSNSにアップしたりする体験が可能に。また、新しく搭載された「アクティブHDRモード」ではゴーストの発生を抑えながら白飛びや黒つぶれのないリッチな動画を再現してくれるという。他のアクションカメラではゴーストの課題から静止状態に依存しているHDRモードが動画で使えるようになった点は大きいかもしれない。
このように今まで不便だと感じていた点を丁寧に潰してきたのは非常に良いと感じた。筆者は最近もっぱらInsta360 ONE X2を使っており、ONE Rは手放そうかと考えていたが、クイックリーダーがONE Rにも対応していると聞いて思いとどまった。願わくは今後ONE Xにも対応して欲しい気持ちはあるが、次のONE X2のアップデートでは更なる進化が期待できるかもしれない。GoProにも気持ちが揺れ動いていたが、実用度から買い換えようかと思わされるアクションカムだった。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)
カメラのUIを一新、より撮影しやすくなったタッチ画面
まず良いと感じたのは新しいUIだ。ワンタッチで画面いっぱいに拡大できたり、カスタムしたモードが呼び出せたりと実際に撮るときに便利なように一新されている。以前は誤動作が気になったがその辺りもスムーズになっていた。インスタントズーム機能で録画中に最大2.7倍までデジタルズームができるのも良い。YouTubeなどで自撮りをする際も、画面を手前に向けていれば背景の写り込みをズームで調整できるので非常に良いと感じた。撮影用にグリッドも表示できるようになったので、上下や左右でパースがついてしまうと困るようなケースでも便利だ。ミラーレス一眼など、メイン機で当然できていることが、アクションカムでもできるようになってきているのは良い傾向だ。
1インチセンサーも含めると画質の面では群を抜いている
4Kブーストレンズも今回の目玉の一つだ。耐久性はもちろんのこと、4800万画素1/2インチセンサーは、高精細の4K60fps動画と静止画両方の撮影を実現している。2.35:1のワイドスクリーンに限定されるが、この状態であれば超高精細な6K映像も撮れるようになっている。昨今の潮流は4K以上の画質を4Kに圧縮して画質を高めるオーバーサンプリングが台頭してきているので、アクションカムでもこの選択肢が選べるのは好感が持てる。さらに、以前からリリースされていたライカ共同開発の1インチセンサーも引き続き利用できる。アクションカメラとしては最大のイメージセンサーとなるのはもちろん、5.3Kの広角映像はどのアクションカムも超える精細さを誇り、かつ低照度撮影でも綺麗な色合いで撮影ができる。綺麗な画を撮りたいが、装備を減らしたいような時に防水性能も単体で持つInsta360 RSはぴったりだと言えるだろう。
モジュール式が装備の量を減らし、選択肢の幅を広げてくれる
他が採用していないモジュール式を選ぶ利点はやはり撮影の幅を広げてくれる点にあるだろう。本来であれば360度カメラ、高画質カメラ、アクションカメラ、など複数台を持ち歩かなければ取れない映像が、Insta360なら1台で撮れる。これらを同じアプリで編集し、書き出せるのは他社製品にはない利点だ。今回のアップデートでコアパーツにマイクが搭載されたのも大きい。外部マイクを使わず単体で収録しても風切り音低減アルゴリズムでノイズをカットしてくれる。また、専用のケースにはマイク用の風防とカメラの放熱を促す部品が取り付けられており、装着して使うだけで音質を上げたり撮影時間を伸ばしたりしてくれるので、従来のケースと比べて装着する意味が出てきた。
今までソフトウェアで処理していたFlowState手ぶれ補正がカメラ内で処理可能になった点も実用度を上げている。編集時に処理しなくて良くなった分、スマートフォンなどですぐに滑らかな動画をSNSにアップしたりする体験が可能に。また、新しく搭載された「アクティブHDRモード」ではゴーストの発生を抑えながら白飛びや黒つぶれのないリッチな動画を再現してくれるという。他のアクションカメラではゴーストの課題から静止状態に依存しているHDRモードが動画で使えるようになった点は大きいかもしれない。
見た目はあまり変わらないが、小さな積み上げの数々に本気度を感じる
見た目があまり変わらないので、新製品を見た瞬間はあまりテンションが上がらなかった。しかし、実際に追加された機能の数々を見ると、このモジュール式という方式への自信と本気度を感じた。新しく出たクイックリーダーもこうした方向性が伺えるアクセサリだ。従来のカメラとスマホを接続していないと撮影した動画が転送できない仕様は、連続して撮りながらスマホで仕上げてすぐに公開したいような場合に不便だった。しかしこのクイックリーダーがあれば、WiFi経由でファイルを転送する必要がないので、時間とバッテリーを大幅に削減できる。また、スマホのストレージも使わないので、膨大になっていたInsta360の動画ファイルの管理にも非常に便利だ。このように今まで不便だと感じていた点を丁寧に潰してきたのは非常に良いと感じた。筆者は最近もっぱらInsta360 ONE X2を使っており、ONE Rは手放そうかと考えていたが、クイックリーダーがONE Rにも対応していると聞いて思いとどまった。願わくは今後ONE Xにも対応して欲しい気持ちはあるが、次のONE X2のアップデートでは更なる進化が期待できるかもしれない。GoProにも気持ちが揺れ動いていたが、実用度から買い換えようかと思わされるアクションカムだった。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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