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“ほったらかし調理家電”の元祖! 台湾で人気の「大同電鍋」は日本の家庭にもぴったり

レビュー

2022/03/02 17:00

 共働き家庭が増えるにつれ人気を集める“ほったらかし調理家電”。台湾には、「大同電鍋」と呼ばれる電気調理鍋があり、一家に1.7台があると言われるほどメジャーな調理家電となっている。大同電鍋は台湾の老舗電機メーカー「TATUNG(大同)」が製造販売しており、日本でも購入できる。ほったらかし調理が可能なこの電気鍋、一体どんな魅力があるのか紹介しよう。

大同電鍋は楽天市場やAmazonなどのECショップやロフトなどで購入可能。
6合炊きMサイズが1万5000円~、10合炊きLサイズが1万7000円~。
外釜はアルミ製のものとステンレス製のものがあり、アルミ製のほうが約5000円ほど安い

炊飯器として登場した大同電鍋

 大同電鍋は、もともと炊飯器として発売された電気調理鍋だ。内釜に米と水、外釜に水を入れたら、あとはフタをしてスイッチを入れるだけで炊飯が開始する。外釜に入れる水の量で加熱時間を調整する仕組みで、炊飯だけでなく、「煮込む」「蒸す」「温める」といった調理にも使える。
 
写真はアルミ製のMサイズ。
高さ240×幅310×奥行き255mm、重さは3.2kg

 台湾の調理家電と聞くと、台湾料理を作るのに特化しているように思うかもしれないが、実際は幅広い調理が可能だ。たとえば、キーマカレーも大同電鍋があれば簡単に作れる。
 
内鍋にひき肉、玉ねぎ、にんじん、ホールトマト、カレー粉、中濃ソース、
コンソメ、薄力粉、水、塩を入れて、外釜に180ccの水を入れて加熱する

 食材を加熱するには、スイッチをカチッと下ろすだけでいい。ただし、完成してもアラーム音などは鳴らない。また、残り時間などは表示されず、内釜に入れる水の量でおおよその時間がわかる。炊飯の場合は、2~3カップの炊飯で外釜に1カップの水を入れると、15~25分、8~11カップの炊飯で外釜に1.5カップの水を入れると、35~45分となっている。
 
スイッチを下ろすと「炊飯」ランプが点灯し、加熱が終了するとランプが消えてスイッチが上がる。
保温したい場合は「保温スイッチ」をオンにする

 完成したキーマカレーを食べてみると、調理中にかき混ぜていなくても味がまんべんなく行き渡っており、きちんとおいしいカレーだった。コンロで作るのとは違い、火加減を気にしなくていいのがありがたい。
 
キーマカレーといえば炒めて作るイメージがあったが、
大同電鍋で作れば焦がす心配がない

蒸し皿やせいろを使えば同時調理も可能

 大同電鍋には付属品として蒸し皿を載せるための台がある。内窯を使わずに台の上に皿を置けば、点心などの蒸し物ができる。さらに、その上にせいろをセットすれば、ほかの蒸し料理も同時調理可能なので、併せ使いがオススメだ。
 
専用の蒸籠や蒸し皿もネットショップなどで購入可能。
サイズさえ合えば、市販のせいろも使用できる

 今回は、お皿でシュウマイ、蒸籠で野菜を蒸してみることにした。普段はなかなか家で蒸し料理を作る機会がなく、蒸すというよりは電子レンジで済ませがちだ。おそらく筆者のような人は多いだろう。
 
上段に野菜、下段にシュウマイをセットした。
加熱する際は通常どおり外釜に水を入れる

 大同電鍋で蒸した野菜とシュウマイを食べてみると、芯までしっかり温まっており、とくにシュウマイは電子レンジよりもジューシーな仕上がりで驚かされた。下段に置いたことで野菜の水分がかかっているというのもあるが、余すところなくシュウマイのおいしさを感じられるのがたまらない。
 
電子レンジで温めるよりも、セイロで蒸したときのほうがふっくら仕上がる

 蒸籠に入れた野菜も甘みが引き出されているので、ほとんど手間をかけていない料理がちょっとしたごちそうのようになった。今回はキャベツを蒸したが、大同電鍋があれば野菜もたくさん食べられそうだ。
 
キャベツの間にベーコンを挟み、オリーブオイルと塩コショウで味付けしたシンプルな一品。
蒸すことで葉物野菜もたくさん食べられる

 大同電鍋では、スープ類なども火加減を気にすることなく作れる。夜寝る前にスイッチを入れておけば、朝起きる頃にはおいしいスープが完成している。完成後に自動で保温するには、保温スイッチをオンにした状態で加熱するといい。保温は自動でオフにならないので、オフにするのを忘れないようにしよう。
 
鶏もも肉、大根、にんじん、とうもろこしを、生姜を効かせたコンソメスープで煮込んだ。
寝ている間に完成するのがうれしい

 日本の自動調理鍋とは違い、レトロなデザインとシンプルな機能で人気を集めているのにも納得できた。とはいえ、自動調理メニューが内蔵されているわけでなはないので、公式サイトやレシピサイトでレシピを探す必要がある。万人の手間を軽減してくれるというよりは、料理が好きな人がアナログ感を楽しみながら、少しラクができる調理家電と考えておくといいだろう。(フリーライター・今西絢美)