ソニーから“穴の開いた”ヘッドホンが登場! 「LinkBuds」が革新的になるかもしれない理由
ソニーは2月16日に完全ワイヤレスイヤホンの新製品として「LinkBuds(リンクバッズ)」を発表した。価格はオープンで、実勢価格は2万3000円前後。カラーはホワイトとグレーの2色。2月25日に発売する。
音質面では音の歪みを軽減する「統合プロセッサーV1」を搭載することで高音質を実現。圧縮音源を原音に近い音で再現する「DSEE」、自動で再生音量を調整する「アダプティブボリュームコントロール」など、ソニーならではのテクノロジーを凝縮している。また、5億以上のサンプルを用いたAIの機械学習により声と騒音を明確に分離するアルゴリズムを採用することで、すぐれた通話性能も発揮する。
操作性にもこだわった。小型の完全ワイヤレスイヤホンは操作部も狭く、コントロールしづらいという欠点があるが、LinkBudsは耳の周辺をタップすることで再生・一時停止・楽曲のスキップなどができる「ワイドエリアタップ」を搭載。また、Spotifyの再生やプレイリストの切り替えがすばやくできるSpotify Tapと連携する「Quick Access」も備えている。
また、会話を重視するLinkBudsらしい機能として、装着中にユーザーが声を発すると、ヘッドホンが声を自動で認識して再生中の音楽を一時停止する「スピーク・トゥ・チャット」に対応。会話終了後は自動で音楽を再生するなど、音楽に浸る時間と外部とのコミュニケーションをシームレスに切り替えてくれるのもうれしい。
バッテリ時間は単体で5.5時間、付属ケースと合わせると17.5時間。10分のチャージで90分の再生が可能な急速充電にも対応する。防滴性能はIPX4相当で雨や汗による故障の心配はない。音声アシスタントはGoogleアシスタントに対応しているが、iOS版は非対応となっている。
マイクロソフトとは3Dオーディオマップアプリ「Microsoft Soundscape」で連携を図る。アプリがLinkBudsに内蔵するコンパスやジャイロセンサで頭の向きを認識し、スマホを持たずに音だけで目的地の方向をガイドすることが可能になるという。こうした機能は単に利便性が高まるというだけでなく、視覚障がい者が安全に街を歩くためのサポートにも貢献しそうだ。
LinkBudsの「リンク」には「オンラインとリアル」「人と人」をつなぐだけでなく「パートナーとつながる」という意味も込められているという。ヘッドホンやイヤホンはあくまでハードウェアであり、コンテンツ(ソフトウェア)はお好みで、というのが当たりまえだった。だが、LinkBudsはハードウェアの力でコンテンツのあり方に働きかけることができるという点で革新的といえるだろう。実際に新たな体験となるかどうかが試されるのはこれからだが、成熟した音響機器の分野における新たな方向性として期待したい。(BCN・大蔵大輔)
設計や機能の工夫でイヤホンの「常時装用」を実現
「LinkBuds」は新開発のリング型ドライバーユニットを採用した完全ワイヤレスイヤホン。特徴は見た目にもすぐ分かるように、ハウジングに穴が開いていることだ。耳をふさがないため、音楽を聴きながら周囲の音も聴くことができる。長時間の装着でも疲れにくいよう、同社の完全ワイヤレスイヤホンとして最小・最軽量も実現している。音質面では音の歪みを軽減する「統合プロセッサーV1」を搭載することで高音質を実現。圧縮音源を原音に近い音で再現する「DSEE」、自動で再生音量を調整する「アダプティブボリュームコントロール」など、ソニーならではのテクノロジーを凝縮している。また、5億以上のサンプルを用いたAIの機械学習により声と騒音を明確に分離するアルゴリズムを採用することで、すぐれた通話性能も発揮する。
操作性にもこだわった。小型の完全ワイヤレスイヤホンは操作部も狭く、コントロールしづらいという欠点があるが、LinkBudsは耳の周辺をタップすることで再生・一時停止・楽曲のスキップなどができる「ワイドエリアタップ」を搭載。また、Spotifyの再生やプレイリストの切り替えがすばやくできるSpotify Tapと連携する「Quick Access」も備えている。
また、会話を重視するLinkBudsらしい機能として、装着中にユーザーが声を発すると、ヘッドホンが声を自動で認識して再生中の音楽を一時停止する「スピーク・トゥ・チャット」に対応。会話終了後は自動で音楽を再生するなど、音楽に浸る時間と外部とのコミュニケーションをシームレスに切り替えてくれるのもうれしい。
バッテリ時間は単体で5.5時間、付属ケースと合わせると17.5時間。10分のチャージで90分の再生が可能な急速充電にも対応する。防滴性能はIPX4相当で雨や汗による故障の心配はない。音声アシスタントはGoogleアシスタントに対応しているが、iOS版は非対応となっている。
パートナー連携で製品のメリットを最大化
外部の音を取り込むことができるイヤホンという発想自体は新しいものではないが、今回の「LinkBuds」でユニークなのが、外部サービスとの連携で新たな使い方を提案してくれることだ。たとえば、「ポケモンGO」や「Ingress」などの位置情報ゲームで有名なNianticとの協業では、ソニーのSound ARアプリ「Locatone」のヘッドトラッキング機能に対応するなどして、ARゲームとサウンドを融合した従来にないゲーム体験を提供していくという。マイクロソフトとは3Dオーディオマップアプリ「Microsoft Soundscape」で連携を図る。アプリがLinkBudsに内蔵するコンパスやジャイロセンサで頭の向きを認識し、スマホを持たずに音だけで目的地の方向をガイドすることが可能になるという。こうした機能は単に利便性が高まるというだけでなく、視覚障がい者が安全に街を歩くためのサポートにも貢献しそうだ。
LinkBudsの「リンク」には「オンラインとリアル」「人と人」をつなぐだけでなく「パートナーとつながる」という意味も込められているという。ヘッドホンやイヤホンはあくまでハードウェアであり、コンテンツ(ソフトウェア)はお好みで、というのが当たりまえだった。だが、LinkBudsはハードウェアの力でコンテンツのあり方に働きかけることができるという点で革新的といえるだろう。実際に新たな体験となるかどうかが試されるのはこれからだが、成熟した音響機器の分野における新たな方向性として期待したい。(BCN・大蔵大輔)