リモートワークで活躍する強力な耳栓はどれ? 4アイテムを検証した

レビュー

2022/01/09 15:00

 コロナの影響から在宅でのリモートワークが一般的になりつつある。しかし、家庭での作業は車のエンジン音や遮断機の音など騒音が気になる人もいるだろう。さらに家族がテレビをみたり、電話をしたり、そういう家庭の音も仕事の妨げになることも。そこで今回は、そんなリモートワークでの悩みを解消してくれる耳栓に注目。さまざまな種類のものがあるなかで、どの商品がすぐれているかを検証した。

意外とさまざまなタイプのものがある音の遮断グッズ

最も安価なモルデックスメテオは予想以上の高い効果!

 ひとセットおおよそ50円という、今回紹介する中で最もリーズナブルなのが、モルデックスメテオの耳栓だ。低反発ウレタン素材が使用されており、手触りもとても柔らかい。これを指でグニュグニュと細くしていき、耳の奥に入れると中で膨らんで音が聞こえづらくなる、という仕組みだ。色の派手さは気になるが早速試してみよう。
 
モルデックスメテオは10組で510円という安さが売り
 
拳銃の弾のような形状で、耳にしっかりと入りそう

・生活音

 普段耳栓を使用していないためか、かなりの防音効果に驚いた。強い風の音くらいは完全に遮断する。車のエンジン音もほぼ遮断。普段はちょっとうるさいと感じるトラックなどの音が若干聞こえる程度だ。テレビの音は、普通の大量はとても小さくなり、大音量にしてもそれほど気にならない。他の商品とまだ比べていないが、かなりの効果があると感じた。

・睡眠時

 寝るときに耳栓を使う人も多いと考え、こちらも検証してみた。音の遮断する力はもちろん変わらないが、耳の奥までウレタン素材が入りこんでいるため、最初はそれが少し気になる。しかし柔らかいのですぐに慣れ、エアコンの音などもほぼ無音状態になるため、しっかりと眠ることができた。朝起きたときの耳の感じは、やはり奥に少々違和感。痛くはないが、重い感覚が残った。しかし、それもすぐに慣れそうな予感も。さっそくだが価格を考えてもこれが最強の耳栓ではないかと思った。

旅行などに持っていくのはおすすめだが…

 次に試したのは、イヤーウイスパーの耳栓。こちらは耳障りな騒音をカットし、人の声など生活に必要なものは聞こえるというふれこみだ。指でつぶしてロール状にするタイプで、水洗いできるのもありがたい。柔らかい素材なので耳が痛くなることはなさそうだ。では検証してみよう。
 
イヤーウイスパーは携帯ケース付きで474円
 
箱を開けると耳栓2セットとケースが封入されている
 
ざらっとした手触りなど少々乾いた質感が気になる

・生活音

 ある程度小さくなるので耳の奥まで入れられる。ただ基本的には柔らかいものの、表面はやや硬く、少し違和感を感じる。肝心な騒音カットの力はというと、まあ耳に詰め物をしたのだからそりゃ小さくなるよ、といった感じ。ふれこみ通り、人の声をそれなりに通すが、騒音もそこそこ聞こえる。テレビの音は半分以下の音量程度には下がるし、装着が楽なので読書や昼寝するときなどにカジュアルに使用するのがよさそうだ。

・睡眠時

 音が完全に遮断されずにナチュラルに聞こえるので、使用感のストレスが少なく、睡眠には入りやすい。翌朝に耳が痛くなることもなかったが、例えば家族のうるさいいびきなどはあまりカットしないので、さらにつよい効果を求める人が多そうだ。ただこちらも金額がリーズナブルなうえ、水洗いしながら何度も使えるのは○。ケースがついているので旅行などにも携帯しやすい。

価格の割には効果は少なめ。耳の形に合うかがポイントか

 こちらはワンセット999円という、これまで紹介してきたものの数倍の価格の耳栓。シリコン製で、3段に分かれている形状が特徴だ。商品写真や箱では少々硬そうにも見えるが、いち段いち段がペロンとめくれるくらい薄く柔らかい。脱着がより簡単そうだが、さてその使用感は?
 
AUSENの耳栓(999円)。箱がなんとも素っ気ない
 
使用前にぬるま湯で洗い、湿らせてから装着する

・生活音

 まず芯の部分が少し太いのか、かなり付けるのに手間取った。耳の凹凸にひっかけるためのフックも装着の邪魔をする。このあたりは慣れも大きいのかも知れない。そしてなんとか装着すると、なんとも頼りなく耳にはまっている印象。筆者の耳の形がこの商品と合わないのか、かなり違和感がある。肝心の音の遮断も、隙間が空いているのだろうか、100円ショップで販売している通常のイヤホンをつけた程度。少し使い方に慣れると遮断性も若干上がったが、これまでの耳栓と比べるとやはり騒音は入ってくる。

・睡眠時

 耳の違和感には慣れないしフックが枕や布団に当たって、ぜんぜん眠れない。なんとか我慢してチャレンジするも、音の遮断よりもつけ心地が気になりすぎて断念。ちなみに3時間程度装着してみたが、その間に耳が痛くなることはなかった。これは耳の形状がぴったり合わないとなかなか厳しい印象。約1000円払うことを残念に感じる人も多そうだ。

さすがアップルのイヤホン。ノイズキャンセラー機能も効果絶大

 最後に、美しい音質で音楽が聴けるだけでなく消音能力にも定評があるアップルのAirPodsの耳栓としての力を試してみた。アクティブノイズキャンセリング機能でどれくらいの騒音を消すことができるのか。
 
アップル「AirPods Pro」(27861円)。
耳栓ではないが…
 
これだけ小さいのに多くのテクノロジーが詰まっている

・生活音

 装着感が高いため、付けるだけでそれなりに騒音をシャットダウン。さすがアップルと完成度の高さに驚かされる。そしてアクティブノイズキャンセリング機能をオンするとさまざまな生活音がスーっと消えて、かなりの静けさが訪れ、防音室に入ったような感覚に。騒音やテレビの音は電子変化されたノイズのような音に変わり、聞こえてはいるがほぼ抑えられている。ただ人の声はそこそこ入ってくるから不思議だ。さらに作業の邪魔にならない程度に音楽をかけると、ほぼ生活音はシャットアウト状態となった。

・睡眠時

 装着感も心地良いし、コンパクトなので邪魔な感覚はほぼゼロ。さらにリラックスできる音楽や自然音をかけると車やエアコンの音は聞こえなくなり、スムーズに眠ることができた。問題があるとすると、バッテリーが微妙に持たないこと。明け方にバッテリ切れになるので、そのときにふと起きてしまう。またとても小さいために、もし耳から外れてベッドや布団の隙間に入ると、探すのが困難に。慣れるまではそういった不安を感じそうだ。

 どれだけ高くても1000円以内の耳栓と比べると、金額が群を抜いているAirPods。性能はすばらしいが耳栓がわりとして使用するのは贅沢すぎる印象も。ということで、純粋な耳栓という意味では、筆者的には今回の最初に紹介した1セット50円程度のモルデックスメテオをおすすめしたい。今回の4アイテムのなかでは圧倒的な費用対効果の高さを感じた。(エフェクト・山葉のぶゆき)


※記事中の価格は購入時もの