ETロボコン2021、総合優勝はチーム「DENSO Pathfinder」、今年もオンラインで開催

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2021/11/26 15:00

 組込みシステム技術協会は11月21日、ETロボコン2021チャンピオンシップ大会を開催した。コロナ禍の影響を受け、20周年を迎える今年も昨年同様オンラインで実施。独自開発したシミュレータを舞台に、各地区を勝ち上がった39チームがロボットプログラミングの腕を競った。熱戦の末、アドバンストクラスの総合優勝は愛知県刈谷市のチーム「DENSO Pathfinder」(デンソー)が獲得した。表彰式でメンバーは「今年は構成員がかなり変わり、ロボコン初参加の人ばかりだった。しかし、みんなでよく頑張った結果優勝することができた」と喜びを語った。東海ブロック予選で4位通過、本選の競技では3位だったが、ソフトウェアの設計図「モデル」の評価が高く、総合優勝を手にした。

アドバンストクラスで総合優勝した愛知県刈谷市のチーム「DENSO Pathfinder」

 このほか、アドバンストクラスの競技部門では福岡市のチーム「PSDGs」(パナソニックシステムデザイン)が優勝。九州北ブロックの1位通過の実力を発揮した。また、プライマリークラスの競技部門では、2チームが同率で優勝。大阪市の「チームHAL大阪2」(HAL大阪)と、福岡市のチーム「EMP」(麻生情報ビジネス専門学校 電子システム分野)が、そろって栄冠を勝ち取った。

 ETロボコン実行委員会の星光行 本部・実行委員長は表彰式を終えた総評で「皆さん素晴らしい走りだった。特に今回は、プライマリークラスで1位、2位が専門学校生チーム、3位が保険会社チームと、組み込みシステムとは縁遠いところが獲得。これまで例のないことを成し遂げた。チームの皆さんは今回の経験を生かして5年後、10年後、実社会で活躍してほしい。2年連続でオンラインでの開催だったが、今後コロナが終息すれば、来年はぜひリアルで大会を開催したい」と話した。
 
「DENSO Pathfinder」の競技の模様

 ETロボコンは、技術教育機会の提供を通じて、世界をリードするエンジニアの育成を目指し開催。初心者からベテランまで幅広い層が相互に刺激しあえる場を提供する。ロボットコンテストながら使用する筐体は同一。ソフトウェア重視である点がユニークだ。広さ約12畳の競技フィールドを右と左の二つに分け、それぞれ1回ずつ設定されたコースでロボットを走行させ、良いタイムを採用する。コース中の課題をクリアすると実際の走行タイムからマイナスされていき、総合タイムが決まる。ソフトウェアの「モデル」評価も加わるのも特徴の一つ。必要な情報にコンパクトにまとめ、正確に伝える技術も求められる。(BCN・道越一郎)