中学1年生が開発した3D CADなど経産大臣賞、U-22プロコン2021最終審査会
U-22プログラミング・コンテスト実行委員会は11月21日、U-22プログラミング・コンテスト2021最終審査会を開催した。一次審査を通過した16作品の作者によるプレゼンテーションや作品の出来栄えなど評価し、経済産業大臣賞など各賞が決定した。審査の結果、経済産業大臣賞・総合部門は、一宮市立大和中学校、船橋一汰さんの作品「Chokoku CAD」が受賞した。また、同・プロダクト部門はHAL名古屋、チーム「m×(えむかける)」の皆さんの「ヒトコエ」、テクノロジー部門は九州工業大学、大塚真太朗さんの「kirl」、アイディア部門は広島大学、黒田和暉さんの「次世代の音声フォーマット」がそれぞれ受賞した。
最終審査会は当初、オンラインかリアル会場かのどちらかを選択してプレゼンテーションを行う予定だったが、新型コロナウイルスが若年者にも拡大しつつある状況を考慮。昨年同様のオンライン形式で実施した。総合部門で経産大臣賞を受賞した船橋さんの「Chokoku CAD」は、Webブラウザ上で動作する3D CAD。彫刻の手法を模し、「削る」作業などを通じて直感的に3Dモデルが制作できる。本格的な3D CADよりも機能を絞り込み、初心者でも扱いやすくしたのが特徴だ。出力データを使って3Dプリンタから立体造形物を出力することもできる。船橋さんは中学1年生。表彰式では「それぞれすごい作品が多い中から選んでいただいてうれしい。試行錯誤の過程や作品のアイディアなどが評価されたのではないかと思う。今後も機能を追加し、発展させていきたい」と受賞の喜びを話した。
プロダクト部門で経産大臣賞を受賞したチーム「m×」の皆さんの「ヒトコエ」は、「新しいヘルプマークのかたち」をコンセプトにしたWEBアプリケーション。外見からはわかりにくいが障害や疾患などを持ち、周囲に配慮が必要なことを知らせる「ヘルプマーク」を、ITの力で進化させた。助けが必要になった時に、Web画面やハードウェアボタンを押すだけで、緊急連絡先にメッセージ送信を行ったり、周囲の協力者「ヘルパー」に通知が届く。利用対象者などからのヒアリングなどを通じてより実用的なアプリに仕上げた。表彰式でチームメンバーは「受賞してびっくりしている。インタビューに答えていただいた方々や関係者の方々にも感謝したい」と話した。
テクノロジー部門で受賞した大塚さんの「kirl」は、実行前に静的な型チェックを行うスクリプト言語。同様の言語がほとんど存在しないことから開発にチャレンジすることにしたという。早口で密度の濃いプレゼンテーションも注目を浴びた。表彰式では「技術的には可能だが需要がないタイプの言語ではないかと考えていた。しかし受賞によってそうではないと証明されたのかもしれない。これからも開発を続けていきたい」と話した。アイディア部門で受賞した黒田さんの「次世代の音声フォーマット」は、立体感のある音楽再生を実現。関数を用いた立体音響も可能にする音声ファイルの新フォーマットをつくりだした。表彰式では「プログラミングを始めた時からずっとこの賞を目指していた。目標が無事達成できてよかった」と話した。
最終審査会ではこのほか、経済産業省商務情報政策局長賞に6作品、スポンサー企業賞に8作品、SAJ賞に1作品、視聴者賞に1作品がそれぞれ選ばれた。なお、経産大臣賞を受賞した4作品の作者にはBCN ITジュニア賞が授与され、2022年1月に開催する表彰式で表彰される。(BCN・道越一郎)
最終審査会は当初、オンラインかリアル会場かのどちらかを選択してプレゼンテーションを行う予定だったが、新型コロナウイルスが若年者にも拡大しつつある状況を考慮。昨年同様のオンライン形式で実施した。総合部門で経産大臣賞を受賞した船橋さんの「Chokoku CAD」は、Webブラウザ上で動作する3D CAD。彫刻の手法を模し、「削る」作業などを通じて直感的に3Dモデルが制作できる。本格的な3D CADよりも機能を絞り込み、初心者でも扱いやすくしたのが特徴だ。出力データを使って3Dプリンタから立体造形物を出力することもできる。船橋さんは中学1年生。表彰式では「それぞれすごい作品が多い中から選んでいただいてうれしい。試行錯誤の過程や作品のアイディアなどが評価されたのではないかと思う。今後も機能を追加し、発展させていきたい」と受賞の喜びを話した。
プロダクト部門で経産大臣賞を受賞したチーム「m×」の皆さんの「ヒトコエ」は、「新しいヘルプマークのかたち」をコンセプトにしたWEBアプリケーション。外見からはわかりにくいが障害や疾患などを持ち、周囲に配慮が必要なことを知らせる「ヘルプマーク」を、ITの力で進化させた。助けが必要になった時に、Web画面やハードウェアボタンを押すだけで、緊急連絡先にメッセージ送信を行ったり、周囲の協力者「ヘルパー」に通知が届く。利用対象者などからのヒアリングなどを通じてより実用的なアプリに仕上げた。表彰式でチームメンバーは「受賞してびっくりしている。インタビューに答えていただいた方々や関係者の方々にも感謝したい」と話した。
テクノロジー部門で受賞した大塚さんの「kirl」は、実行前に静的な型チェックを行うスクリプト言語。同様の言語がほとんど存在しないことから開発にチャレンジすることにしたという。早口で密度の濃いプレゼンテーションも注目を浴びた。表彰式では「技術的には可能だが需要がないタイプの言語ではないかと考えていた。しかし受賞によってそうではないと証明されたのかもしれない。これからも開発を続けていきたい」と話した。アイディア部門で受賞した黒田さんの「次世代の音声フォーマット」は、立体感のある音楽再生を実現。関数を用いた立体音響も可能にする音声ファイルの新フォーマットをつくりだした。表彰式では「プログラミングを始めた時からずっとこの賞を目指していた。目標が無事達成できてよかった」と話した。
最終審査会ではこのほか、経済産業省商務情報政策局長賞に6作品、スポンサー企業賞に8作品、SAJ賞に1作品、視聴者賞に1作品がそれぞれ選ばれた。なお、経産大臣賞を受賞した4作品の作者にはBCN ITジュニア賞が授与され、2022年1月に開催する表彰式で表彰される。(BCN・道越一郎)